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2024-11-23 09:41

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2012-11-26 16:40

『猿遊会のオペタイ 修羅編』 その2

『事前方針』
さて、前置きはここまで。リプレイに移ろう。
この対戦前に強く思ったのが、「丁寧にやろう」であった。最終ターンまで粘れば勝機はある。丁寧にやろう、と。
だから、セットアップで指定ヘクスから1ヘクス動かすのも良く吟味した。
ユニットの動かし方も変えた。
普段は簡単な地点から決めて動かし、難しい地点を後回しにしている。こちらの方が時間を短縮できるのだ。普段対戦している慣れていたり、手頃なゲームであるならば、この戦い方で十分。しかし『OPERATION TYPHOON』ほど、マップが大きく地形も複雑なものでは、1つの方向間違いが意外な遠回りを齎す。そのため難しい地点から行動を組み立てて、それから簡単な地点へと目を移すようにして、そのような無駄を減らすようにした。時間は掛かるが、こちらの方がミスは減らせるのである。
 
私が担当したドイツ軍南部には、第4軍と第2装甲軍がある。ここには北部から配備されている軍団を挙げて行けば、第7軍団、第20軍団、第57装甲軍団、第12軍団、第13軍団。第43軍団、第24軍団、第53軍団になる。
南部での目標はセレフコプとツーラである。
ツーラは第2装甲軍の兵力だけでは、攻略は不可能だ。この攻防戦が勝利を左右する。そのために1ターンから、最強の第13軍団を南下させる。
続いて、第4軍に所属する他の部隊だ。
第7軍団と第20軍団は2個歩兵師団しか所属していない。これらの部隊は、目前に配備されている弱体なソ連軍を攻撃し壊滅させ、その後は防御態勢へと移行する。
第13軍団の次に強力な第12軍団はセレフコプの攻略だ。
そのために第12軍団とともに第57装甲軍団が押し出し、セレフコプを孤立させ、攻略の態勢を整える。
第2装甲軍は序盤に兵力が大いに不足している。
第43軍団は2個師団しか所属していない。この軍団は目前のC3戦車旅団だけを狙い撃ちだけし、その後は防御態勢へ移行する。
第24装甲軍団でツーラ南方を回り込むように攻撃。
実質的に、この第24装甲軍団が第2装甲軍の攻勢主力になる。第53軍団は第24装甲軍団に追従し、その側面を固める。
このようは布陣を考えていた。
 
『1ターン終了時』

天候:曇り 地上の状態:地表凍結
ドイツ軍南部では、予定通りに第13軍団を南下を開始する。
ツーラ周辺で戦車旅団を狙っての攻撃は、一ヵ所が打撃を与えられるものの、もう一ヵ所は失敗。この戦車旅団がツーラまで撤収する。第24装甲軍団も攻撃。
それ以外の南部は部隊の位置変換のみを行った。まだ全面的な攻撃には早い。
それに比べてドイツ軍北部は活発だった。早速「Accel Assault」を突っ込み攻勢。出血しつつも、ソ連軍を削る。その1個は重囲に捕らえるなど成果を上げる。
Accel Assault:軍団HQを指定し、それに所属する部隊の戦力を2倍に出来る。ゲーム中一回しかできない。
ソ連軍は中央以南で整然と撤収。逆に、北部では大混乱。
敵ZOCに捕らわれていると、移動力の半分をその離脱に使ってしまうのだ。そのため歪な戦線となっている。
 
『2ターン終了時』

天候:曇り 地上の状態:地表凍結
北部で攻勢続く。攻勢の矢は2つ。クリンを目指すものと、モスクワ北部を掠めるものだ。
南部では第24装甲軍団の攻撃続く。第2装甲軍団がツーラ南部へと突出しているため、第4軍との間隙が広がる。それを埋めるべく第13軍団が急行。
ソ連軍は南下制限があるため、ツーラから東方へ伸びる戦線を築く。それ以外では整然と戦線を後退させる。
 
 
『3ターン終了時』

天候:晴天 地上の状態:地表凍結
北部はクリンへ残り3ヘクスと迫る。もう1つの攻勢軸も突き進む。ドイツ軍戦線の後方へ逃れたソ連軍師団も捕捉。
第4軍も動く。第57装甲軍団が攻撃。第12軍団もジリジリとセレフコプへ寄せる。
第24装甲軍団は移動力を生かし、左右に部隊を振る。所属する3個装甲師団が揃ったところでAccel Assault。精強なソ連軍を撃退する。第53軍団は2個師団をその両側面へ展開。第43軍団はツーラの北部で第13軍団の到着を待たせる。
それを見た軍神殿はニヤリとして、「じゃあ、攻撃しちゃう」。そしてツーラ北部で反撃に出て、第43軍団の1個師団へ包囲攻撃。この師団は大侵害を出す。軍神殿は言葉が軽かったり、丁寧であったりする場合に、やる事がエゲツなくなる。そして、これ以降鬼の手際を見せるのである。
ドイツ軍としては損害が出たものの問題にしていない。ユニットが壊滅しない限り、同一師団効果を得られるのだ。
同一師団効果と諸兵連合効果:戦闘の際に、ドイツ軍の師団全てが参加していれば、同一師団効果としてオッズを1シフト有利にできる。歩兵と戦車が共同して攻撃すると、諸兵連合として1シフト有利にできる。ただし、諸兵連合は相手に戦車や対戦車砲がスタックしていると、打ち消されてしまう。
ドイツ軍のユニットは連隊と大隊単位で、ソ連軍のユニットは師団と旅団単位。そのため額面戦力では劣るものの、同一師団効果と諸兵連合でオッズを高めるのだ。
 
 
『4ターン終了時』
 
天候:晴天 地上の状態:地表凍結
北部ではクリン前面の戦いが本格化している。まるで、そちらへ吸引されるように、ドイツ軍が押し寄せている。
第4軍所属の第7軍団もAccel Assault。前面のソ連軍を削る。第57装甲軍団も攻撃を継続。
第13軍団がツーラ戦区まで到着。第43軍団もそちらへ撤退し合流する。
ツーラ南部では、大きく戦線を開けたまま攻勢を続ける。
第24装甲軍団が密集して攻撃を行えば、手薄になった地点をソ連軍が逆襲。
 
 
 
 
『6ターン終了時』

天候:曇り 地上の状態:普通
5ターンの写真は撮り損ねた模様。
ドイツ軍がクリンへ集中。その孤立化に成功している。
第4軍では、この地点での第57装甲軍団の攻勢に見切りを付ける。悪天候が続いて森林地帯での攻勢に利点を見出せないのだ。そこで第57装甲軍団を撤収させる。
ソ連軍はセレフコプ周囲での戦線構築を断念。
同地へ強力なスタックを入れて、残る部隊は撤退。ドイツ軍の第12軍団はセレフコプへの攻撃態勢を急ぐ。
第4軍所属の第13軍団はツーラ北部へ来着。それに合わせて第2装甲軍所属の第43軍団も戦線を引き伸ばし、ツーラを包囲する構えを見せる。
第2装甲軍主力である第24装甲軍団は急旋回。
ツーラ付近で攻撃していたソ連軍先鋒を撃退。
 
 

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2012-11-23 17:05

『猿遊会のオペタイ 修羅編』 その1

さあ、二日続けてのSPI/HJ『OPERATION TYPHOON』だ。
こんな大きなゲームを二日続けられるのだから、この連中はゲーム体力が半端でないでないのは間違いない。
今回の参加者は4名。
ソ連軍北部:ルセロさん
ソ連軍南部:軍神殿
ドイツ軍北部:DASRECHさん
ドイツ軍南部:私・yagi。
自分で言うのも如何な物ではあるが、ウォーゲーム界の頂点に近いメンツなんだぜ。
 

実は、ゲーム以外について、ほとんど記憶がない。
目立つ卓だったため多くの方々が、観戦や挨拶に訪れたのであるが、誰がやって来たのか覚えてない。
この写真をサーモグラフィーで写していたら、頭から熱気が立ち上がっていたことだろう。

覚えているのは、高校時代の後輩にそっくりなサイフォン谷村さんが、カワイ子ちゃんを連れて来たこと。
ルセロさんの後ろで茶髪の女子がそのカワイ子ちゃん。その右隣りが引率のサイフォン谷村さん。
このサイフォン谷村さんはゲームマーケットでも、芸風の違うカワイ子ちゃんを連れて来ていてですね。
羨ましい事この上なしです。

それに観戦に現れた方が、徐に『見敵必戦』を出し。
「この本を入手してからバイブルにしていました」と軍神殿にサインをお願いしていたこと。
その方は隣りでずーっと観戦していましたっけね。見てて面白かったでしょうねー。

その他では、誰がいたか全く記憶にない。
西新宿鮫さん、Dublinさん、Bluebearさんなど、写真を見てから初めて近くにいたのを知った。
しかも、それらの写真は私がテンパっていたため、他の人間が撮っていた。
それも私のカメラに写った記憶のない写真が幾つかあり、写っていない人間を逆算して誰が写したのか判明した次第。
DASRECHさんありがとう。

こんな格好で対戦を続けていたため、翌日は足腰が筋肉痛になってしまった。
それに、この日はあまりにも集中しており、それを途切らせぬため、テーブルから離れる事も避けていた。
そのため、主催のたかさわさんが行った集記念撮影も、マップを睨んでいたためパスした。
たかさわさんには申し訳なかった…。とは思わないな。誰よりもゲームに熱中していたんだもん。
たかさわさん、ありがとう。本当にありがとう。素晴らしい時間を過ごせました。
 

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2012-11-23 16:27

『猿遊会のオペタイ 修羅編』 プロローグ

10月20日~21日に開催された猿遊会へ参加したのは既報の通り。
そこで対戦されたのは、去年から因縁であったSPI/HJ『OPERATION TYPHOON』。これは昨年の対戦で、軍神殿が神懸り的な突破を見せ。それに対峙した私があまりに不本意な様子だったため、軍神殿が「分かった!オレがソ連軍南部やるから、貴様がドイツ軍南部やってみればいい!」と。
何だか、そう纏まったのである。
 
     
そこで対戦が組まれた初戦は酷かった。
オペタイの参加者は合計5名。
陣営はソ連軍が3名。
北部:ルセロさん
中央:STさん
南部:軍神殿
対するドイツ軍は2名。
北部:SBさん
南部:yagi。
ドイツ軍とソ連軍の主要メンバーは決まってきたのだが、予定外に現れたSTさんに、折角だからと最も難易度の低いソ連軍中央部を担当して貰ったのである。
こうやって飛び入りの人間を交えて、雰囲気を共有できるのも、猿遊会のような大きな集りならではの楽しみだ。
 
さて、初戦であるが、始まった時点から「ダメだ、こりゃ」。
1ターン目から主導権を取るべく行った攻撃は悉く失敗。対戦相手のドイツ軍陣営から「1ターンは待つだろう」との助言も、遅ればせながら上がる。
その後の展開も酷い。
唯一前進を見せていたセレフコプ周辺に拘り。
セレフコプへの強襲を行い占領し、その兵力を南下させツーラ付近で雌雄を決するつもりでいた。
ところが、6ターンから開始されたセレフコプ攻防戦は、泥沼の様相を見せる。9ターンに占領はなったが、その時点で南部のソ連軍は攻勢を開始していたのである。
 
まだ精神的にマシだったのは北部のSBさんも不運続きだった事。
対陣するルセロさんに手抜かりがあり、ソ連軍に隙を見せていた。ところが、その攻撃は失敗続きだったのである。ずるずると見込みのない戦いが続いた夕刻。
二日目もこの状況で続けるより、仕切り直しての対戦を申し出て了承を得る。
そしてセットアップをやり直して、一目散に居酒屋へと逃げ込んだ。
 

こちらが9ターンの状況。
一見、そんなに悪い状況ではないように思える。
ソ連軍の壊滅しているユニットは18個。それにツーラ、セレフコプ、そしてクリンの20VPを加えると38VP。50VPに達すればドイツ軍の勝利であるから、まだ完全に見込みはない、とは言えないかも知れない。
しかし、だ。
セレフコプ周辺の第12軍団と第13軍団を南下させ、ルーラ周辺で攻撃態勢へ移るのに2ターンは掛かる。それもソ連軍の妨害が全くないと想定して、だ。
この時点で南部のソ連軍は反撃を行えている以上、それらの兵力で妨害を行うのは容易である。これだけでツーラの占領は不可能に近い。仮にツーラを占領できたとしても、他に10個以上のソ連軍を壊滅させなければならない。やはり、この時点で中断を申し入れたのは、致し方のない判断だった。
 
SBさんには二年連続で不甲斐無い結果で申し訳ありませんでしたね。
それでも、これらの写真を見てですね。
一緒に対戦できて、とても嬉しかったです。
できれば、もっとガキの時分に知り合って。バカみたいに対戦したかったです。
過ぎた時間は戻らぬが、夢見るくらいいいでしょうでしょう。
 

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2012-11-21 19:33

『WWⅠを斜め見する』

遅れましたが、提督さんからのリクエストがあり、WWⅠの魅力から、それについての書籍に触れてみます。
まず、提督さんの読んだ本を確認しますとね。
『第一次世界大戦』『戦略論』リデルハート
 『補給戦』クレヴェルト
『八月の砲声』バーバラタックマン
『ガリポリ戦記 』
歴史群像ムック『第一次世界大戦』
『西部戦線異常なし』
『ルーマニア日記』
コマンドの記事多数。
以上ですから、WWⅠの基礎だけでなく、軍マニアとしても十分な知識はあるでしょう。
 
そこでここではちょっと角度を変えてWWⅠを眺めてみましょう。
私がWWⅠで一番興味深いのが、以下の3点になります。
*ハスプブルグの煌き
*戦争の変質
*大戦の後始末
 
 
*ハスプブルグの煌き
19世紀までの外交の中心だったのが、オーストリアのウィーンでした。それはナポレオン戦争の後始末が、ウィーンでの会議で片付けられた事でも裏付けられるでしょう。
会議自体は各国の思惑が交差し、「会議は踊る、されど進まず」が表すように、なかなか纏まりませんでした。それでも列強国がひしめくヨーロッパに、100年近く大きな戦争を齎さなかっただけでも、この会議が有効に機能していたのが見て取れます。
この会議を主導していたのが、オーストリアのハスプブルグ家でした。
このハスプブルグ家は、現在もヨーロッパの名家として度々耳にする機会があります。
ハスプブルグ家は戦争というよりも、婚姻と外交により領土を広げた一族です。
有名なのはマリア・テレジアで、10人以上の子供を産んで、その子供たちが各国の王族へ嫁いで行って。ハスプブルグの安定に寄与したのです。戦争もしたんですけどね、良く負けて。フリードリッヒ大王やナポレオンの引き立て役になんですよねぇ。
長期間に亘ってヨーロッパに君臨していたハスプブルグ家も、19世紀末になると悲劇が続き、そしてWWⅠが決め手になり帝国は解体されてします。
その雰囲気を良く表した書籍がこちら。
 
塚本哲也『エリザベート』 
  
著者は外交官で主人公のエリザベートが死去する際に、オーストリアへ赴任しており、隠し財産が発掘されるのに立ち会っています。さすがに外交官だけあって、外交の表現が素晴らしく、20世紀初頭のヨーロッパの緊張状態から、WWⅠへ雪崩れ込む状況が、見事に描かれています。軍マニアが手に取りやすい書籍では、この辺りが今一つ分かり難いんですよね。でも、知れば知るほど、この頃のヨーロッパは混沌としていて興味をそそられます。
さて、本書の主人公はエリザベート、英語読みすればエリザベス。
実は、美貌で有名なのは、フランツ・ヨーゼフの皇后エリザベート。この主人公・エリザベートはその孫。分かりやすく、お祖母さんをエリザベート皇后とし、孫をエリザベート皇女とします。
    
写真右がエリザベート皇后で、左がエリザベート皇女。
写真をみるとエリザベート皇后の方が綺麗ですね。エリザベート皇女の写真は若い頃のものなので、若干幼いように見えます。本書には30歳くらいのエリザベート皇女の写真があり、それが綺麗!
Webで探しましたが、その写真は見付けられませんでした。是非、本書で確認してください。エリザベート皇后が身長168cm、ウェスト50cm(!)。エリザベート皇女が身長180cmで9頭身。二人とも、どこのモデルだよ!
 
余談ですが、エリザベート皇后は現在でも大人気。
悲劇的な人生と伝説的な美貌で、ミュージカルの題材になっています。
ウチのヅカファンである奥さんがですね。
10年近く前に、宝塚で初公演した際のビデオを買ってですね。当時エンドレスで流しておったですよ。
すると、フランツ・ヨーゼフとか出てくるから、WWⅠ好きの私もΣ(゚Д゚;)となりまして。マジマジと見直したモンでした。
 
 
*戦争の変質
 
おそらく、このBrogを眺めている方は、2年に亘って放送されたNHKドラマ『坂の上の雲』をご覧になっていますね。良く出来たドラマで、私も久々にちゃんとテレビを見ましたよ。最近のテレビ放送については、文句しか出て来なかったですからね。
 
さて、『坂の上の雲』ですが、「おかしいなぁ?」、と思いませんでした?
大きな流れは合っていますし、多少の演出はあって当然とも思います。でも、ちょっと気になるところがあるので、挙げてみます。
旅順攻防戦で鉄条網を鋏で切っていて、「ああ、痛そうだなぁ」と思いましたね。でも、あれは違います。
だって、戦場の鉄条網は切られちゃマズイから、親指の太さくらいあったのです。だから、人力では無理で爆薬で吹き飛ばすしかなかった。まあ細かいところですが。
実は、それよりももっと違うところがあります。
同じく旅順攻防戦ですが、日本兵の皆さんは一生懸命に走ってましたね。でも、あんなに走れるものではないんですよ。だって、最低20kgの装備は背負ってるものなのです。確かに、最後の100mや200mは走るでしょう。いや、大マケにマケとしても、500mは頑張って走ったでしょう。
でもですよ。
守る側としては、それ以上から射撃できなければ困る。だって当たらないんだもん。だから、1000mは遮蔽物のないところを前進させるように工夫する。要塞ですからね。
で、実際どうだったかと言えば、攻撃側は歩いていた。間違いなく旅順の第一次総攻撃では。しかも、ナポレオン時代の戦術しか頭に無かったから、綺麗な横隊を組んで。
まあ、こちらの動画を見てください。


これは南北戦争で行われたピケット突撃です。
はい、皆さん大きな声で。
「マーチじゃねえよヽ(`Д´)ノ!」
 
ナポレオン時代と南北戦争、それに日露戦争は、50年ずつの年数が離れています。その間に兵器で変わったのは、南北戦争で砲弾が爆発するようになり、小銃の性能が上がった。連射が利くようになり、ライフリングが開発されたんですね。
要は、火力が段違いに上がった、と。
ですから、南北戦争の頃から、攻撃は大損害を出して失敗するようになる。それに産業革命による生産力の向上と、鉄道網の整備により、大量の兵士を戦場へ送り込む事が出来るようになった。そのため南北戦争から戦争は大きく形態を変えていたのです。
そのため南北戦争とWWⅠは非常に似たような経過を辿ります。
そんな貴方にお勧めがこちら。
 
学研M文庫『南北戦争―49の作戦図で読む詳細戦記』
  
この著者は元々アメリカ軍兵学校。いわゆるアナポリスで歴史を教えてきた。その教材として書かれたのが本書になります。その内容が面白いからと、一般にも出版されるようになり、日本でも刊行されたのでした。
ただ、面白いのですが絶版で入手困難なんですよね。
プレミアムが付いていて3倍近くなっています。残念。
 
私が南北戦争で興味深いのが、アメリカの将軍が人間的である事。
無理な突撃をして、味方に大損害が出てしまったら、それを生涯悔いる、とか。南軍に兵力が足りなくなり、少年兵を動員。指揮官が「子供たちに攻撃させろ」と命令しつつ。「神よこの命令をお許しください」と、その場で懺悔したとか。
太平洋戦争時代の日本の指揮官に聞かせてやりたいよヽ(`Д´)ノ!
さて、南北戦争とWWⅠでは結末に大きな差異があります。それは是非本書で確認ください。
長きに亘ったWWⅠでしたが、遂に塹壕戦を打破する術を開発されます。それが浸透戦術で、WWⅡでの電撃戦へと昇華されるのです。
 
 
*大戦の後始末
 
「大戦の後始末」と言いつつ、どのような本を薦めればいいか、私には分からない。
意外と面白いのが、NHK高校講座。
カワイイ女の子に、本物の先生が登場し、その時代を解説して行くのです。それくらいの事なら、もっと詳しい書籍がある、とは言えますよ。
ただ、僅か30分の時間で高校生に分かるように、それでいてテンポ良く映像もふんだんに使い、意外な見方を提示しているのは貴重です。何せ、加藤陽子女史まで登場するんだぜ。しかもちょい役で。
WWⅠ~WWⅡの戦間期では、ドイツだけに焦点を当てて。ベルサイユ条約による賠償金から、海外投資による景気回復。そして世界恐慌、と。それらでドイツ国民が大混乱に陥る。それらがホンの僅かな切っ掛けで混乱から、それからの脱却。それが30分で分かるのですから。
 
そこで去年見たのが、戦間期に於けるドイツの混乱。
まずは、賠償金によるインフレで紙幣価値が大暴落する。その後は海外からの投資により、急激に経済的は回復する。こう言った経済の乱高下が起きると、無一文とスーパーお金持ちだけになる。
何故なら、インフレによる不景気では紙幣価値が無くなり、まずは貯金が0になる。それから仕事も無くなるので僅かに残っていた資産も手放す事となる。これで中間層が壊滅する。
しかし大金持ちは、他国へ資産を避難させられる。というより、目先の利いた資産家は他の国でも商売をやっているので、被害は少ない。そして自国の貨幣が安いので、輸出により利益を確保できる。その利潤で中間層が泣く泣く手放した不動産を買い叩く、と。
そして海外からの投資により、ようやく経済が立ち直り、民衆にもそのオコボレが回って来る頃に、世界恐慌が起きる。海外からの投資が一斉に引き上げたため、またもや経済が大混乱する。これが1930年までの状況。
政治的に面白いのが、右翼のナチスと共に、左翼の社会主義も支持を伸ばしていたこと。中道政権は経済的な混乱に有効な手段を持たなかったので、支持を失い続け。遂に、ヒトラーの登場となるのです。
これが30分で解説できるなんて、凄くない?
平日の午後に、会社を休んだ際には、ちょっと気にしてくだされ。
 
戦間期のトルコにしろフィンランドにしろ、カッコイイのですが、勧められる書物の知識はありません。
 
ちなみにですね。
絶版の書籍でも、近隣の図書館で頼めば、何とかなります。今はネットで全国的な在庫を確認できるので、その図書館になくても取り寄せてくれるのです。
それに意外な書籍が入っていたりするので、近所の図書館は侮れません。
何せ、私の地元では…
『ヒトラー・ユーゲントーSS第12戦車師団史』
 
 
なども発見でき「オレのために入れたのか!」と思った次第です。
 
 

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2012-11-19 10:06

『第百七回千葉会の報告』 その4

『ASL纏め』
  
ここからはASL卓の纏めになります。
この日集結したASL組は、大阪からの浜甲子園さん。先月から千葉会へ参戦しているZ’anpanmanさん。千葉会ASL組トップのルセロさん。ベテランの域に達しているPONTAさん。千葉会の若頭y.nakanoさん。千葉会の良心、下総さん。以上の5名でした。
 
ASL-SK S26『LAST ALLY, LAST VICTORY
 
ここからはy.nakanoさんからの報告です。
ASL S26 Last ally, Last victory  9:30-14:40
y.nakano(ロシア・防御)と浜甲子園氏(ドイツ・攻撃)の対決。
最終ターンの表で攻撃側のドイツ軍が、勝利条件の達成に困難なため投了されました。防御側のソ連軍は、とにかくドイツの車両からの砲撃から逃げるために、T34を温存しておきました。そして中盤以降でドイツ軍の進撃途中で横槍を入れるような形で、逐次投入していきました。引用以上。
それにしても、修行と言いつつ随分大きいシナリオをやっているモンですねぇ。ここまで大きいシナリオで慣れてしまうと、小さいシナリオでは満足できなくなるんですよね。それでも「ASLは習うより慣れろ」ですから、どんどんやってみるべきです。
小さいシナリオには、それなりの良さがあるのですが、1つのサイの目で戦況が大きく影響してしまい。プレイヤーがどうしようもなくなってしまうんですよね。
大きいと、それだけ余裕がありますから、サイの目だけでなく、作戦のミスも我慢すれば取り戻すことが出来るんですね。
細かい戦況を説明したいところですが、マップが大きいため遠くから撮らないと全体を写せません。その分、細かい戦況が分からないんですね。
 
 
ASL-SK S14『88 AT ZON

Z,ampaman(アメリカ・攻撃)さん と PONATさん(ドイツ・防御)の対戦です。
ASL-SKに梱包されている大砲が出てくるシナリオでは、ベストのチョイスです。バランスも取れており、作戦の幅も広いのです。88mm砲があり、その活躍如何で勝負が決まります。88が大活躍すれば、アメリカ軍側は88を嫌いになり。逆にスカれば、ドイツ軍側が88を嫌いになる、と。いわゆる「88が嫌いになるシナリオ」。
さて、今回は細かい戦況がわかるので、説明して行きましょう。
こちらの写真が1ターン目のアメリカ軍が進入したところ。ふーむ、アメリカ軍は岡を盾に進入して来たようですね。そして岡へ突撃フェイズ上がった、と。移動力フェイズに上がっていたら、ドイツ軍の前衛2-3-7、その後詰4-4-7から集中射撃を受けていたでしょう。
ところで、ドイツ軍は、どんな作戦だったのでしょうか。1ターンにはアメリカ軍の第一派が、ドイツ軍から見て右手から進入して来ます。確か、岡の下からも進入可能だったのですが、それを阻止する火力は2-3-7が1個しかありませんでしたね。ふむむ、4-4-7の下に何かスタックしているみたいですね。これはおそらく指揮官でしょうか。後詰にLMG4-6-7(と思う)がいる。
ということは、岡の下から進入して来た場合、2-3-7では完全に阻止できない。この方向からアメリカ軍が攻撃を行った場合、これらのドイツ軍が強力な抵抗を行うつもりだったのでしょう。地形効果がない地点での戦闘を強いられたら、かなりアメリカ軍は苦戦したと思われる。それには、ハマりませんでしたが。

こちらは4ターン。アメリカ軍は右翼(写真奥)へ攻勢をシフトしている。そのため対峙したドイツ軍は壊滅状態になっていますね。それでもドイツ軍の一部は1個小隊ほど岡の周辺に兵力を維持しており、こちら側にはアメリカ軍の兵力は無に近いため、まだまだ粘れます。何より、88が姿を現していないのが大きい。

こちらは5ターン。ドイツ軍は岡からの撃ち降ろしで、アメリカ軍の進撃を阻止する布陣。アメリカ軍は…。ああ、右翼へより過ぎかなぁ。勝利条件が2つの赤いカウンターの置かれている間からの盤外脱出ですから、この状態では一番右より、もしくはその隣りのヘクスしか抜けられない。
そしてここまで88が現れてない、という事は88がそのヘクスで待ち構えている可能性は高い。
まだアメリカ軍の防御射撃があるので、その際に88を焙り出せなければ、かなり苦しい。欠席だったため詳細は不明であるものの、おそらくドイツ軍が8割方勝っていたと思われます。
 
 
ASL-SK S7『Last ALLY, LAST VICTORY

Z,ampamanさんとPONTAさんのシナリオを変えての連戦です。陣営はZ’anpanmanさんが攻撃側のアメリカ軍、PONTAさんが防御側のドイツ軍です。
戦況を眺めるとですね。アメリカ軍が上手く寄せている模様。というのは、ドイツ軍が準備射撃をしているから。
防御側は前進する攻撃側を狙うもので、自分のターンでは後退をするもの。それが自分のターンで射撃して動かない、という事は、それだけ追い詰められている。
1個分隊の5-4-8だけが射撃を避ける行動をしていますが、それ以外は逃げても無駄な位置なんでしょう。LOS(射線)が通るとか。
これはちょっとドイツ軍に勝ち目はないですね、多分。
 
ASL-SK S24『SHERMAN MARCHELS WEST

y.nakanoさんが撤収したため、入れ替えてルセロさんが浜甲子園さんと対戦していました。陣営は攻撃側のソ連軍をルセロさん、防御側のドイツ軍を浜甲子園さんです。
翌日にルセロさんから話を聞いたところ、苦笑いしながら教えてくれました。いわく「オレだって悪逆な事をするつもりは無かったよ。でもピンゾロが出ちゃうんだよ。それでドイツ軍が溶けちゃってね。最後はティーゲルと1個しか残ってなかったんだ」とのこと。
 
 
ASL-SK S26『LAST ALLY, LAST VICTORY

こちらは日付が変わって日曜日の対戦。浜甲子園さんと私・yagiの対戦です。
えっとですね。ヒドイ事になっちゃいますた(´・ω・`)ショボーン。やる事やる事裏目に出てしまいまして。
パンテルは対戦車砲とT34/85のラッシュに喰われて。ケーニヒ・ティーゲルはスターリンの移動中射撃に喰われ。ドイツ軍の最後の頼りだったMr.9-2指揮官は、T34/85のピンゾロに喰われちゃいますた(´・ω・`)ショホホボーン。
観戦武官のルセロさんからは「ピンゾロ出されるところにいたのが(・A・)イクナイ!!」と。きっつーい評価を頂きますたお(´・ω・`)ガッカリ…。
 
 
J143『CIRCLE OF DOOM
写真はありませんが、浜甲子園さんが引き上げた後で対戦しました。前回SSRを大勘違いして、グダグダになった再戦です。あっ、勘違いすたのはワタスだす(´・ω・`)。
これは丁寧に作戦も移動も組み立てたおので、終盤まで勝負が縺れる接戦でした。見せ場も色々あり、ルセロさんも「面白かった!」と喜んでいましたっ
け。
 
 
 

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yagi1964
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