本日、中野会へ参加してASLを対戦して来ます。
お相手はザハさんで、シナリオはJ88『Escape to Wiltz』になります。
では、直前情報として、ネタバレ上等!の記事を書いておきます。
シナリオのJ88『Escape to Wiltz』についてですが、シナリオカードからの情報から。
ウォーゲーマーでは有名なバルジの戦いを扱っています。
概要:
1944年12月18日:ドイツ軍の攻勢は、アメリカ第106師団の第3大隊の左翼を通過した。そのため、同大隊はWiltzで後方を遮断される事となった。このままでは包囲に陥る危険があったため、大隊長は脱出を決心した。しかし、ドイツ軍の第5降下猟兵師団は、その動きを察知し、2つのグループを阻止のために派遣したのである。
結末:
脱出を支援したアメリカ軍の2輌のAFVは、散弾と機関銃の射撃により、ドイツ軍の一方のグループを阻んだ。第3大隊は道路上での戦闘に巻き込まれたものの、降下猟兵の攻撃を撃退。第3大隊は罠から主戦線への復帰に成功したのである。
私のテキトー訳なので、間違いはあるものの、雰囲気はこんなモノでしょう。
このシナリオは一風変わっており、両軍ともにマップの外から進入して来るのです。多くのシナリオでは、マップ上に両軍が配置するか、片一方が配置する場合するのです。このように、両軍が進入するというのは、なかなかありません。
そのため配置を考える必要が薄く、陣営はその場でDR(サイコロの2個振り)で決定する事にしました。
それでもザハさんとの対戦が決まってすぐに、どんな感じになるか試すべく、ルセロさんに電話攻撃からVASLでの前哨戦を行えました。
ちなみに、その対戦では勝つことが出来て、「今年はルセロさんに勝てる年かも・・・」と。去年の勝率の悪さを思い出して苦笑いしたものです。
それにしても、VASLでの対戦中に上のようなカウンターを見つけてしまい。何だろこれ?WAの一種なんだろか?
『勝利条件』勝利条件は、マップの左下である“C”のヘクス列からアメリカ軍が28VPを脱出させた時点で勝利になります。
この28VPも結構しんどいと思いました。AFVが1輌撃破されてしまうと、ほぼ勝利を失ったと言っても過言ではありません。それに最優秀な10-2指揮官が狙撃兵にやられても、その時点でアウトとも。
VPの配分を見ると、アメリカ軍の先陣が分隊だけで16VP、指揮官で6VP、M3A1で5VP、合計27VPです。後続は分隊で11VP、指揮官で3VP、M8で5VP、合計19VPです。
『マップ全体像』上の図がJ88で使われるマップ全体になります。
先攻はドイツ軍で、後攻がアメリカ軍です。
マップ2枚を使いますが、実質的に戦場になるのは1枚弱です。
というのは、39マップのほとんどは、森に覆われた岡であり、そこへ入る意味が両軍ともにないからです。恐らく、間違って入ってしまったら、戦闘に何の関与もしないでしょう。
例えば、左から出てくるドイツ軍が入ったとすると、アメリカ軍に置いてきぼりとなり。アメリカ軍は中央上から左下を目指すため、岡へ登る事は有り得ず。そしてドイツ軍の1個小隊も、アメリカ軍が脱出するヘクスを目指さないと、お話しにならないのです。
唯一、岡を横断している小道を通れば、ドイツ軍は3ターンに射撃ポジションへ付く事ができます。しかし、死角が多いため、あまり効果的とは思えません。
『両軍の戦力』続いて、戦力的に解説してみましょう。
『追い縋るドイツ軍』1ターンに、ドイツ軍はマップの右から主力の10個分隊が現れます。
上の図で「Turn1」とあるのが、その戦力になります。「Turn2」とあるのが、左下の“A”ヘクスから現れる1個小隊。
まず、妨害するドイツ軍ですが、兵力的に少なくありません。これだけの兵力が正面からアメリカ軍の進路を妨害するとしたら、それだけで突破は難しくなります。しかし、追い縋るようになるため、側面からの攻撃になるため、その威力は全て発揮できません。
戦力も開戦当初とは違い、そのほとんどが2線級なので射程も短くなっています。
それを補うためか、ドイツ軍は機関銃が豊富になっています。MMGとLMGが合計8個なんて、この規模のシナリオでは最多と言えます。これにより歩兵の質を補うのでしょう。いや、ここまでの機関銃の多さは、それを補って余りあります。
さらに指揮官の多さも、戦線を広く構築できるため、戦闘を優位に進められます。
しかし、ドイツ軍にも泣き所があります。それはELRの低さです。
ELRとは、まあ簡単に言って、継戦能力になりますね。これが低いと、どんどん部隊の質が落ちて行っちゃうんです。しかも、元々2線級の4-4-7が落ちると、徴集兵の4-3-6になるため、射程戦力的にも厳しくなりますし、移動力も下がります。
『駆け抜けるアメリカ軍』1ターンの裏にアメリカ軍の先陣である10個分隊がマップの中央上部“B”のヘクス列から進入して来ます。2ターンの裏に後続が同じ“B”ヘクス列から5個分隊が現れます。上の図で、それぞれ「Turn1」と「Turn2」とあるので分かるでしょう。
歩兵的には雑多と言えます。エリートから2線級の部隊までいますから。
バルジの時期的には、この雑然としているのが、雰囲気を醸し出しています。
指揮官は優秀と言えます。10-2がいますからね。
バルジが始まった当初に、包囲壊滅する第106師団が、精鋭を掻き集めて脱出を図っていると言えますね。
歩兵以上にアメリカ軍で特徴的なのが、2輌のAFVになります。
史実でも脱出を支援した、軽戦車のM3A1と、8輪装甲車のM8です。愛称でいえば、ステュアートとグレイハウンドになりますね。
両車輌の主砲は37mmと、この時期の対戦車能力としては皆無に等しいのですが、このシナリオでは歩兵が相手なので、問題はありません。ただ、撃破されるとVP的に厳しくなるため、適度な間合いを取る必要があります。
何せ、この時期のドイツ兵はPzk(パンツァー・シュレッケ:バズーカのドイツ軍版)やPF(パンツァー・ファスト:使い捨てのバズーカみたいな兵器)を持っていますから。下手に近付いて、それらの命中弾を喰らった場合、撃破⇒炎上は免れません。
そして、このシナリオでポイントなのが、ステュアートもグレイハウンドも、キャニスター(散弾)を持っている事です。まず、これは特殊砲弾となるため、確実に使えるかどうかはわかりません。しかし、あれば12火力を3ヘクスに亘り、発揮できるため、一気にドイツ軍の戦線を突き崩す事ができるのです。しかも命中判定も要らないため、キャニスターを射撃のROFが回った日にはアナタ。ドイツ軍はやってられませんわよ、奥様、状態です。
『ゲームの展開』マップと兵力、そして勝利条件から展開を読んでみました。
アメリカ軍は中央上から左下を目指すと先に触れました。しかし、ドイツ軍が右から先に出てくるため、その阻止に一部を当てる必要があります。
移動力的に、アメリカ軍もドイツ軍も、ほぼ同時に中央へ達します。そこからの攻防と脱出ヘクスの掃討。この2手にアメリカ軍は部隊を分ける必要があります。
ドイツ軍としては、1ターンは一気に突っ走るしかありません。敵がいないのですから、心配する必要もありません。遅れたら、アメリカ軍に置いて行かれてしまうのですし。
1ターンのドイツ軍は、2ターンに何処を押さえるかを想定して、突っ走る事となります。
『高さを活かせるか?』最初、岡の上に登る事も考えましたが、あまりにも森が生い茂っているため、LOS(射線)の通る地点がありません。
唯一、39G8のヘクスなら、森を越えて見渡せるのですが、それもアメリカ軍が死角を利用したり、少し前進してしまうと、「何処も撃てないぜ、アニキ」状態です。
次に考えたのがBの建物です。この建物には2階があり、そこからは生け垣や石垣を越えて射撃を行えます。ちなみに、ASLの高さは1Levelや2Levelと表されています。私達は簡単に「1階や2階」と表現していますが、実際には1Levelは3mとすればわかりやすいです。
例えば、日本の建物は2階の屋根の高さが3mになります。果樹園や街路樹も同じ高さがほとんどです。街を歩いた際に、そうやってASLの高さを考えて行くと、見方も変わってキタ――――(゜∀゜)――――――!!に、なりませんかねぇ。
ああ、また余談にソレましたね。
で、17W3の建物の2階へ上がってしまうと、2ターンに出て来る、アメリカ軍の動きを牽制できるのです。ASLではマイナス修正が怖いため、この2階へ機関銃を上げられば、アメリカ軍は不用意な動きは出来なくなります。特に、2ターンに出て来る部隊は。
アメリカ軍として、1ターンにこの建物を押さえるべく一部の部隊を展開すべき、と考えました。石垣や生垣を抜けたとしても、後方から追い駆けられるのは厄介で、どちらにせよそれを阻止する部隊は必要となりますから。
『主力の攻防』ドイツ軍の主力は、アメリカ軍の進路を側面から妨害すべく前進。上手い位置を押さえて、交戦に及べば勝利は近いでしょう。
アメリカ軍は、それを阻止しなければ、苦しい戦いを強いられます。
では、どうするか?
ドイツ軍が良い位置へ展開するためには、39P9の橋を渡るのが近道です。
林道を走って行けるのですから。ルセロさんとの対戦でも、この橋をドイツ軍が押さえたため、アメリカ軍は大いに苦戦する事となりました。
この橋をアメリカ軍が1ターンに押さえてしまえば、ドイツ軍の主力は森を伝っての前進が必要で、そうなればアメリカ軍が先手を打ったといっていいです。
そのためには、私は2通りの方法があると考えています。
1つは、ステュアートさんに頑張って貰う。
移動力的にも、火力的にも歩兵相手なら申し分ありませんから。しかし、ドイツ軍のPzkに寄られたら、危ないでねえ。戦車だけでは、歩兵を完全に抑えるのは出来ないのは、良く聞く話ですし。ただ、アメリカ軍の歩兵が到着するまで、と考えると、それは理に適っています。
もう1つは、アメリカ軍の最優秀な10-2指揮官が、スタックで突っ走り17P8まで進出するのです。指揮官とスタックすれば、8移動力を発揮でき、突撃フェイズも入れれば、17P8まで達するため十分に可能です。このヘクスはちょうど39P8へLOSがあるため、ドイツ軍は他の経路を選択せざるを得なくなります。
そうなれば一手遅くなるため、アメリカ軍が先手を取れます。
しかし、この移動には17Z7からドイツ軍の射撃を受ける危険があります。このヘクスを含めた周辺ではは勝敗に絡むため、線は引きません。何故なら、それによりLOSの確認、までは行かないものの、判断が出来るからです。これはルール的に「事前にLOSの確認はできない」に触れる事は厳密にはありませんが。ASLのマナー的に如何なものかと思うのです。ちなみに、これまで私が線を引いているのは、ASLをプレイしている人間なら、誰でも分かるようなモノです。本題へ戻ります。
17Z7からでは、ドイツ軍の主力である4-4-7では射程外になり、2個しかない4-6-7しか分隊の火力を発揮できません。しかも半分の火力になります。これに機関銃を加えても5火力で、急速歩をする必要があるため、CXの+1修正も加わります。石垣のTEM(+2)、CX(+1)、FFNAM(-1)を合計すると、5火力の+2修正、8-1指揮官を入れても、5火力の+1修正なので悪い勝負ではありません。ドイツ軍がここまで進出したら、私がアメリカ軍なら10-2のスタックに勝負を掛けさせます。
しかし、17AA7は危険です。ここからLOSが通ると、8-1指揮官の投入で、+修正は無くなります。さらに機関銃を1個加えたら、6火力の修正無し。ちょっと厄介です。
しかも17盤はドットが中央に来ていないので有名です。ASLでは射撃できるかどうかを判断する場合に、ヘクスの中央に(本来なら)あるドット(白い点)同士を結びます。ところが、この17盤を含めたヤンクスに梱包されている、全てのマップはドットが中央に来ていません。ちなみに、ヘクスも6角形になっていないマップもあります。それをルールで強引に通用させています。上の図はVASLなので、ドットの位置も地形の輪郭も、実際のマップとは違います。
17AA7から17P5や17P6へとLOSが通るかどうかは、非常に難しい判断です。
実際のマップで確認すれば一目瞭然ですが、それを事前にやる人間はASLをプレイする資格のその大切な何かと、ASLを楽しむ資質を失ったと言っていいです。
『事前計画』私は対戦前に決めました。
ドイツ軍なら、17AA7にLMG×3、と4-6-7を2個、それに8-1指揮官を送る。
アメリカ軍なら・・・、1ターンにドイツ軍がどう来ようと10-2指揮官のスタックに突っ走らせ勝負に出る。
他は・・・。
まあ、以下の図を見てくだされ。私の予定です。
分かり易いように、CXマーカーは外しています。
それから、スタックもそのままにしています。だって余計に見え難くなるんだもん。
さて、今日対戦するザハさんは、これを事前に見るかしら?
最近の若いモンは、愛パッドやら持っているからなー。
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