『猿遊会でのASL3:THE CZERNIAKOW BRIDGEHEAD』ようやくコミックマーケット79の準備が終わりましたので、千葉会のblogを強化して行きませう。YSGAには負けないぞ、と(そりゃムリだ)。
猿遊会ではASLを4戦したんです。
あれ?他に『RUSSIAN CAMPAIGN2』まで対戦しなかったっけか?
猿遊会で一番戦ったのはオレって事かな。まあ古い話しは置いておいて。
猿遊会のHPにも、その対戦写真が載っています。マップ3枚はASLとしては大きい方で、今回の猿遊会は参加者が多かったため、場所の確保が心配でした。幸い千葉会のASL組が、遅ればせながら数名現れたものの、場所は確保できました。良かった良かった。
次回からは、3卓程度は予約しておきましょうか。
この対戦では、ターン毎の写真は撮ってあり、私自身の記憶に残る対戦だったので、それを呼び起こしてのリプレイをアップします。
今回の対戦は、私に取って非常に例外的でした。事前に対戦するシナリオと、受け持つ陣営までも決めていたのです。
普段の千葉会では、まず私はASLセットを持ち込む事はありません。自分のASLセットでの対戦自体、年に1度か2度です。
ですから、ほぼ手ぶらで千葉会に現れて、ASL組の人間を捕まえては、その場でシナリオを決めて対戦しています。そう、気分は囲碁や将棋に近いのです。
ルールブックも滅多に開く事はありません。変わった事態もほとんど経験しており、開くのは珍しいモノを使う時くらいです。
ちなみに、今回はルールブックを事前に確認していました。
滅多に使わない地下道移動と火炎瓶がありましたから。そうそう勝利条件でも確認事項はありましたね。これらは後ほど説明します。
ASL3『THE CZERNIAKOW BRIDGEHEAD』このシナリオはASLの基本モジュールである、『Beyond Valor』に梱包されています。以下はそちらから引用になります。
http://war.game.coocan.jp/ASL/?Modules%2F01_Beyond%20Valor
概要:野戦司令官達経ちの熱望に焚き付けられ、そしてまた西側の非難に突付かれて、第1ポーランド軍がVistula河を越えて荒廃した都市へ進むことを、 STAVKAは是認した。16日にはBerlingの指揮する部隊がWarsawへ大釜へ進入し、陣容を整えたPolish Home ArmyのKampinosグループと手を組んだ。それから5日間、この浅い橋頭堡は砲撃にさらされ、またドイツの旗の下に戦うKaminskiの白ロシア軍による散発的な攻撃を受けた。ソビエト軍は、何の訓練も受けてないポーランド人の徴募兵を、第1ポーランド軍に動員したが、古参兵を相手にまともに戦えるものではなかった。 Vistula河の東岸への撤退が許可されたのは、ドイツ軍の強力な威力偵察が発動されたときで、「撤退」は瞬く間に「壊走」へと変わって行く。
対戦相手はザハさん。
彼のblogにもリプレイがアップされています。
私と見方の違いがあり、その対比も面白いかと。
シナリオの特徴をといえば、
地味な事。
両軍とも歩兵しか出て来ませんし、その歩兵もドイツ軍は4-6-7、ソ連軍は4-4-7、民兵は3-3-7だけ。支援火器(SW)も機関銃(MG)のみ。
戦車もエリート歩兵も爆薬も火炎放射もありません。
指揮官も、ドイツ軍に9-2がいるだけです。
兵力はドイツ軍が15個分隊、ソ連軍が15個分隊、民兵が12個分隊。防御側が多くなっています。
支援火器は、ソ連軍がLMG×2、民兵もLMG×2、ドイツ軍は豊富で、HMG×1、MMG×2、LMG×4です。
シナリオ・スペシャル・ルール(SSR)は、以下になります。
1.ECはWet。開始時は無風。運河は深い。
2.第1ターンのドイツ軍RPh終了時に、全てのロシア軍447はNMCを行う。このNMCに失敗して混乱した分隊はDMになる。またPINやHoB、損耗、 ELR失敗に伴う部隊の劣化も、普通のMCのように適用される。この過程で壊滅した部隊もドイツ軍のCVPに算入される。
3.ポーランド軍はStealthy(A11.17)で、 MOL(A22.6)、地下道移動(B8.4)を使用できる。またAmmunition Shortage(A19.131)の状態にある。
4.初期配置時に2個分隊相当までのポーランド軍をHIPできる。 (それと一緒に配置されるSMC、SWも一緒にHIPできる)
5.地図盤8上の建物は全て石造とする。また、地図盤20と23上の2hexの大きさの木造建造物は全て、木造の瓦礫とする。
6.ロシア軍のSANはゲームの最初の間は無効で、ドイツ軍部隊が地図盤20に進入した以降、SAN6が有効になる。
SSRの特徴を述べましょう。
民兵は地下道の移動が行え、火炎瓶を持っています。これは映画の名画「地下水道」を意識しているのでしょう。シチュエーションも同じワルシャワですから。
火炎瓶は微妙な兵器と言えます。隣接するヘクスを射撃する場合、4火力を加える事ができます。しかし、火炎瓶を使えるか判定するのですが、それに失敗するとユニットは混乱してしまいます。それにサイの目(DR)により、火災の起きる可能性があります。私はこの点を目を付けました。
民兵は弾薬減少になっています。これは、文字通りに弾薬が少なく。ユニットが射撃を行い、その際に6ゾロが出てしまうと、混乱してしまいます。普通は弾薬減少では、ユニットのレベルが下がるのですが、民兵は下がりようのないため、混乱してしまうのです。
ソ連軍の狙撃兵は20マップにドイツ軍が入ってから、その活動を開始します。対戦相手と相談したのですが、「マップ」と書かれている以上、21マップと20マップに跨がるヘクスは入らないと判断しました。
そして最大の特徴が、セットアップを終了し、回復フェイズの最後に4-4-7はNMCが必要で、それに失敗すると混乱してしまいます。
ですから、民兵を含めたソ連軍は、どのような作戦計画を立てていようと、最初のDRによっては破綻する事になります
『配置終了時点』陣営は、私がソ連軍、ザハさんがドイツ軍を担当しました。
勝利条件は、「ゲーム終了時に、ドイツ軍が8マップに20火力を発揮出来る事」。
まず、8マップなので20マップとの半分ずつのヘクスは入りません。これを事前に確認したのです。
次に、「20火力を発揮出来る」なので、機関銃や分隊の火力を含めてになります。半個分隊では、機関銃を射撃してしまうと、固有の火力を失うために、「機関銃か半個分隊のどちらかの火力」、という事です。これには捕獲したソ連軍の機関銃も加わります。
おおざっぱには、1個小隊(12火力)+αの進出が必要と言う事になりますね。
ターン数は10ターンと、ASLとしては長い部類です。これまたおおざっぱにいえば、1つのマップを横断するのは、2ターンあれば可能なため、ソ連軍は最終ターン近くまで緊張を強いられます。
さて、ソ連軍の配置です。
事前に、かなりの作戦を組み立てていました。本当に普段では有り得ない話です。
ソ連軍は23マップで運河の東(図でも写真でも下)に配置となります。ドイツ軍は運河の向こう側です。
ドイツ軍は運河に架かる“1”~“4”の橋を越える必要があるのです。
一番簡単なのが、橋のたもとに分隊を配置して、後はこの分隊が耐えれば、ソ連軍は何もしなくても勝利となります。しかし、これは有り得ないと最初に却下しました。
相手にMr.9-2や9-1がいて、それらの射撃に耐え続けるとは思えず、SSRのNMCや射撃でも混乱してしまえば、1個分隊を無為に失う事になるからです。そう、SSRのNMCがくせ者なのです。
逆に、ドイツ軍としては、これがなければ勝負にならず、展開自体も固定されてしまうでしょう。ですから、ソ連軍としては厄介でも、ゲームとしては大きな役割を果たしているのです。
建物の高さも勘定しました。
ドイツ軍のいる運河の西側(上)には、3階建ての建物はありません。そのため、ドイツ軍の火力チームが建物や森を越えての射撃は行えません。これは大きく、建物や森さえ楯にすれば、ソ連軍は安全に移動を行う事ができます。それはソ連軍に取って有り難い事でした。
そしてソ連軍の配置されるマップには、幾つかの3階建てがあります。それらをドイツ軍に奪われてしまうと、ソ連軍の移動は厄介な事になります。
特に、運河付近にある“A”の建物は、ソ連軍を制圧するのに大変有効な3階建てです。ここが序盤に於ける戦闘の焦点になると考えました。
では、この“A”建物をソ連軍がガチガチに固めたら、どうなるでしょうか。
ドイツ軍は攻略に手間取り、時間切れとなる可能性はあります。しかし、ソ連軍に取って最悪なのは、SSRのNMCで配備してある分隊、その大部分が混乱してしまう事です。そうなると、1ターンにドイツ軍の先遣隊が突っ走る事により、この“A”建物は包囲されてしまいます。そしてドイツ軍は、何の苦労もなく火力拠点と、ソ連軍の兵力を奪う事に成功してしまうのです。
では、逆にこの“A”建物を最初から放棄するような配置はどうでしょうか。
そうすれば、民兵の支援を受けられるため、包囲される恐れはないでしょう。しかし、ドイツ軍の火力チームが、序盤早々にこの拠点を確保してしまうと。ソ連軍の移動は大きく阻害され、兵力も分断されてしまいます。そこから、ドイツ軍が左右に圧力を押し広げていけば、ソ連軍に耐える時間が短いように思います。
“B”建物に兵力を集中すれば、包囲される事はありませんし、後方の民兵と合流する事により、かなりの耐久力となります。
しかし、“A”建物へ進出された場合を考えると、作戦の余地が非常に少なくなります。真っ直ぐ後方に下がるしかないのですから。
この“A”建物の扱いに、散々悩んでしまいました。
そこで、別の方面から考えてみる事にしました。
まず“3”橋ですが。
ここはNMCが必要のない民兵から射程内になります。“C”建物へ民兵の8-1指揮官とLMG×1を配置し、“3”橋に近い周辺にソ連軍に幾つか配置すれば、ドイツ軍が無視押しをする事は、まず有り得ません。ここにドイツ軍の主力が来る事は考えられず、来ても助攻だと読みました。そこでドイツ軍に攻撃を諦めて貰える配置を考え、その通りに行いました。
この「ドイツ軍に攻撃を諦めて貰える配置」というのは、大きなヒントとなりました。
“4”橋にも、同じ考え方が使えるます。
ドイツ軍が“4”橋を渡って来った、その直後は道路です。そこを重厚な火線に捉えています。
敢えて“4”橋の周辺には、ソ連軍のは6個分隊と、最も多く配備しました。攻撃を諦めて貰うためです。
そして“3”橋と“4”橋を守るソ連軍の後方には、予備を配備しませんでした。普通なら配備するのですが、その分右翼へと集中させる事にしたのです。左翼に見えるソ連軍の“?”は全てダミースタックです。
ここから逆算して作戦を組み立てました。
ドイツ軍はソ連軍の左翼に攻撃を仕掛ける事は有り得ない。では、その配備したユニット達を、ドイツ軍の攻勢が予想される右翼へ配置転換するのに、3~4ターンは掛かるだ
ろう。安全を考えて、遠回りすれば、それくらいになります。
では、“A”建物からドイツ軍が攻撃態勢を整えるのは、3ターン以降であれば、ソ連軍は新たなる防御態勢を整えられている。もしくは、整える寸前になる。だから、“A”建物は2ターンまで粘り、兵力を損なわないように、順次撤退する。そうすれば、“A”建物からドイツ軍が進出出来るようになるのは、4~5ターンになる。いくら早くても3ターンだ。
そこから、道路を渡る度に、2~3ターンずつ掛けさせれば、ドイツ軍は時間切れになる。
そのため、初期隠匿配置(HIP)は右翼へ集中させました。半個分隊(1-2-7)を4つ、ドイツ軍の進撃路となりうる地点へ配置したのです。
図ではそのままになっていますが、実際には記録してマップには置かれていません。
以下がVASLで配置を再現したものになります。記憶からですから、間違いもあるでしょうが、多くはないと思っています。全てに意味がありますから。
最後に、火炎瓶のルールを読み返していて、放火にも使える事に気が付きました。
ドイツ軍が前進する建物へ放火してしまえば、攻撃正面は小さくなります。そしてドイツ軍の火力拠点となりうる“A”建物が火災になった場合、3階からの撃ち下ろしが心配無くなるのです。
これでソ連軍の作戦と、そこから導き出された配置が決まりました。
ああ、長くなり過ぎましたね。でも配置には時間が掛かりましたが、始まってしまうと、進むのは早いモノですよ。
ソ連軍の配置を終え、ドイツ軍の配置を見た時、こちらの読み通りであり、「やった!」と思うのと同時に、「これで負けられない」という緊張感でいっぱいでした。
そして「さすが、ザハさんだな」とも。
攻撃に難のある地点はばっさり捨てて、見込みのある地点である、ソ連軍の右翼へ兵力を集中させていたからです。中央への助攻も、ソ連軍の転換を遅らさせるために、当然です。ある意味、理詰めな配置でありました。
[1回]