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2011-05-20 19:39

『ガンズ:地獄への降下』1916年前半

  『1916年1月』

天候は西部戦線、東部戦線ともに降雪。


イタリア軍が損耗を被っており、ドイツ軍が到着した事もあり、CPはイタリア戦線で攻勢に出る。イタリア軍の戦列を押し返したのであるが、AH軍が前進に付いて来ないため、側面が弱体となる。イタリア軍が崩れたため、APは急遽フランス軍を送るべく、ニースに再建した部隊を動員。やはりイタリア軍らしく、他国の足を引っ張っている。何だか、微笑ましい。


西部戦線では両陣営とも損耗が激しく攻勢に出られない。文字通りに「西部戦線異状なし」なのである。それでもユニットを回す事は各所で行われている。そして着々と要塞化計画が進んでいる。
ここで要塞と塹壕の違いを述べておこう。DRMはここでは一先ず脇へ置いておき、使い方に焦点を当てる事とする。塹壕へ入るためには移動力が必要で、そのレベルを上げるのに1ターンに1つずつしか上げられないし、ユニット数以上の塹壕レベルは維持できない。しかし、要塞は移動力が必要でなく、ユニット数も関係ない。であるから、一旦要塞が構築されると、何もいなくなっても要塞は維持される。そう、地形効果のDRMだけでなく、使い勝手も良いのだ。ただし、戦闘で奪われると敵軍の物になってしまうが。


東部戦線では、ドイツ軍がコブノからロシア軍を叩き出している。しかし、この地域は支配する国により名前が変わっている。コブノも、コブレンツやカウナスと呼び名があるため、他のゲームでは違った表記になっている。
余談は兎も角、ミンスクの前面では停滞中。湿地帯へドイツ軍が移動力にものを言わせ踏み込んでいる。ここで足の速さが如実に出ている。AH軍の攻勢も、ロシア軍のハイスタックに押し返されている。ではないな。返ってないから。押し留められているが正しいのだろう。


バルカン戦線では、両陣営とも塹壕へ篭っている。戦力が拮抗していると、攻勢に出る事ができないのだ。こうして見ると、ベルリン~コンスタンチノープル鉄道が、AP陣営の間近なのが良く判る。このゲームでは表現されていないが、トルコはドイツから武器や食料、その他の物資も援助されていたため、この鉄道が分断されてしまうと、経戦能力が著しく減退されるのだ。


1916年1月が終わった全景になる。
ここでキャンペーンでの問題が発生した。キャンペーンゲームでは、選択ルールを全て使う事となっている。そこで「29.0項 不確定参戦」も入れていたのだが、これをそのまま適用すると、アメリカの参戦する可能性があるのだ。Uボートの無制限攻撃が行われると1915年中にも、それをしなくても1916年中に“1”のみで参戦する。これでは幾ら何でも乱暴だろうと、相談してアメリカの参戦は史実通りの1917年4月とした。すると、Uボートによる無制限攻撃が、何のリスクもなく行え、それも如何なもの、と意見も後ほど出る事となる。何せ、Uボートの無制限攻撃が有効であると、戦意の問題に絡んでくるのだった。とりあえず、それは後回しにして、この時点では、史実通りの参戦として、Uボートの無制限攻撃を行い、イギリス軍の補充を減らした。



『1916年2月』

天候は西部戦線で晴天、東部戦線で降雪。


ドイツ軍は大休止中。フランス軍はリール定期便をお休みし、角ヘクス(L10)へ向けて攻撃を行った。で、何?という程度の結果だった。多分、お互い1ユニットずつ除去して戦線を維持した模様。イギリスは戦力をバルカンへ送ったため、こちらも大休止。そして両陣営とも、要塞化運動実施中。こんな事するから、後々ユーロ鉄道が陥没するちゅうの。


イタリア戦線では、ドイツ軍の攻勢が続く。角ヘクス(S22)を奪う目的の攻撃を行った。ここへ進出できれば、手前のT22は補給切れでイタリア軍は放棄しざるを得ない上に、ベニスも危険な状態になるのだった。しかし、イタリア軍の奮戦により、攻撃は失敗。そこへフランス軍がイタリア軍の戦列へ加わり、弱体なAH軍へ圧力を加えるようになった。それに勢いを得たイタリア軍が攻勢を行い、消耗戦を仕掛けた。というより、このゲームの攻撃は、お互いに損害が出る消耗戦にしかならないのだが。


バルカン戦線では、両陣営とも兵力を注ぎ込んでいる。写真からでは、攻撃を行った様子は見られない。何故なら、ユニットのほとんどが塹壕へ入っているためだ。


東部戦線は、史実のような戦線に近づいている。そのため、ロシア軍の密集度が高まり、ドイツ軍も攻撃を躊躇する事となっている。しかし、北部ではリガ前面での機動戦が展開され、ロシア軍が追い詰められている。
攻撃を行うと多くの場合で、攻撃側に損害が出るようになっている。そのため、先遣隊の衝撃力が失われ、一次停止を余儀なくされる。その結果、防御側の増援が間に合い、戦線が停滞するようになる。この辺りも絶妙に第一次世界大戦を再現しているのだ。


こちらが1916年2月を終えた全景となる。
このターンの終了時点から、季節の変わり目(2・5・8・11月)に参戦の判定に加えて、戦意の判定も行うようになる。これは列国(正確には、補充が5以上の国。フランス、イギリス、ロシア、ドイツ、AH)が行う必要があり、その結果として補充が半減したり、自軍ユニットの脱走が行われたり、最終的には革命が発生して、降伏する事となる。この戦意の判定には、敵陣営に占領されている自国都市数、連合軍の海上封鎖が有効、そしてアメリカの参戦などが、DRMとして影響する。
実際、フランスはリールの占領と、アメリカの不参戦でー2DRMを受けていた。イギリスはアメリカの不参戦のみのー1DRM。ドイツとAHは海上封鎖のー1DRMだった。
この判定は敵方が行うのであるが、「You、来ちゃいなYO!」と、ダイズを振っていた。そのためか、どの国にも影響はなかった。ここで前ターンに触れた、アメリカの参戦が大きく関わって来て、一悶着起きたのである。
いや、正確には「どないすんべ?」と言えば、「仕方ねえから、このターンはこれでやって、次の参戦と戦意は不確定にするべ?」「んだんだ」と決着が着いている。まあ、皆さん大人=オヤジですから。
この写真を撮ったのが19:46で、一日目はここで終了した。セットアップの写真は10:53であるから、昼食時間を差し引くと実質8時間程度掛かったのである。1ターン25~30分なので、セットアップをもっと短縮する手立ては簡単で(事前に陣営を決めて、ソロを少しでもいいから行う)、それを行えばもう2~3ターンは進んでいただろう。次回の課題としたい。



『1916年3月』

天候は西部戦線では晴天、東部戦線でも晴天だったが、雪解けのため泥濘になった。


イタリア戦線では、ドイツ軍の攻勢により、イタリア軍は壊乱状態となる。なんてイタリア軍らしいんだ!
一気にベニスへと接敵する。それでも、攻撃側に損害が出る戦闘結果のため、先遣隊の衝撃力は失われている。問題なのは、ドイツ軍がこのイタリア戦線へ集中できないという事だ。ドイツ軍が持てる精鋭部隊を、この戦線へ送り込めれば、イタリアの打倒は難しい事ではないだろう。しかし、西部戦線での消耗戦と、もっと重要な東部戦線での進展があるため、それを許さないのだ。
APも負けていず、到着早々のフランス軍とイタリア軍で、AH軍へ反撃を実施。一部で撤退を強いる。狭い地域ながら、両陣営の激しい鬩ぎ合いが展開されている。


西部戦線では、両陣営とも戦線の強化に勤しんでいる。イタリアやバルカンで火が付いているのに、この強固な地域で戦端は開けないのである。要塞工兵が塹壕の強化を行っている。写真では分からないけどね。


バルカン戦線では、多国籍の烏合の衆が集まっている。この物言いはひどいのであるが、現実的にどちらも戦線で展望を開けないので、あながちハズレた表現とは言えないのである。


東部戦線では、一時的に捗っていたCPの進撃が、ロシア軍のハイスタックに喰い止められている。この戦線が長さ的に短いので、ロシア軍も兵力を密集させ易いのだ。これにより、精鋭のドイツ軍も攻撃を行うのに躊躇させる。-DRMが適用されると、予想外な損害を被ってしまうのだ。それはユニット単位での戦力が引くAH軍では顕著になる。現状ではブレストリトフスク、コブノ、そしてワルシャワを占領しているため、戦意のDRMがー3となる。上手く蓄積すれば、革命まで持っていけるのであるが、革命を考えないと、この戦線をロシア軍が維持するのは簡単なのである。それでも、ドイツ軍は前進し、リガへ接敵する。だからどうしたと言われそうだが、攻撃が出来るという状況が重要なのだ。


1916年3月を終えた全景となる。
戦線自体では大きな動きは無かったものの、各所で細かく激しい物語は噤まれている。


 
『1916年4月』


西部戦線では、ドイツ軍は前線の要塞化に勤しむ。主攻勢が東部戦線である上に、イタリア戦線でも攻勢を行っているため、こちらの西部戦線は小休止とならざるを得ないのだ。フランス軍による角ヘスクへの定期便は行われたのであろうか?リールへは、周辺のフランス軍が塹壕と要塞へ入っているため、行われなかったと推測される。では、角ヘクスのJ10はどうだろうか。攻撃を行える3ヘクスのフランス軍は、全て塹壕や要塞から出ている。しかし、ドイツ軍に損害が出ている様子は見られない上に、損害を受けたための援軍を編成していない。フランス軍もスタックの枚数が減っている様子は見られず、兵力の供給地であるパリも、騎兵軍団があるだけだ。騎兵軍団は防御に不向きなため、やはり攻撃に出たとは考え難い。要は、フランス軍は攻撃を受けない、もしくは受けても危険はないと判断して、塹壕や要塞へ入ってないだけなのだろう。
我ながら、「西部戦線異状なし」と書くだけなのに、延々と何をこじ付けしているのだろうか。


イタリア戦線では、ベニスへの攻撃が失敗。AAで17戦力が消滅してしまう。全く、-DRMはこのゲームでは恐ろしい結果を生むのである。これでイタリア戦線のドイツ軍は一気に消耗してしまった。そこへフランス軍が到着し、AH軍へ反撃を決行。そしてアルプス山脈へと踏み込んでいる。まるで、回転扉のように、ドイツ軍が進めば、逆の地点でフランス軍が進んでいる。それにしても、もう一押しすればイタリア軍が崩れると思われたが、ドイツ軍の兵力の失策と、フランス軍の到着のために、目論みは見事に頓挫してしまった。

バルカン戦線は両陣営の兵力投入による均衡で、攻勢は行われなかった。そのため写真は省略する。イギリス軍がゾロゾロとサロニカへ上陸をしており、その部隊が前線へ到着した程度だ。
さて、幾つもの戦線で大きな動きが無かった中で、惨事が発生した。


それは東部戦線で、ドイツ軍の突出部へロシア軍が攻撃を行ったのであるが、その結果がDXだったのだ。防御力と同等の戦力を失うため、優秀なドイツ軍の防御力と同じ戦力を除去となり、攻撃力が弱体なロシア軍に大きな損失となり、戦線に大穴が開いてしまったのだ。
この惨状は、APに危機感を募らせ、サロニカへの増派を強化する結果となる。私は西部戦線で詳しい模様を知らないが、ここまで攻撃側が損害を受けるのを見たことが無い。CP取り、大きなチャンスが発生したのである。


東部戦線の他の地域では、ドイツ軍の前進により、リガへの圧力が増している。ロシア軍は移動力の関係で、塹壕へ入る間もなく、ドイツ軍の攻撃を受けている。この辺りは、ドイツ軍の優秀性が現れるのだ。中央の湿地帯では、ロシア軍も展開し、ドイツ軍の侵入を阻んでいる。AH軍もロシア軍の大群に、攻撃を拱いている。


1916年3月を終えた全景となる。
ここでバルカン戦線の動きの無さを確認して欲しい。それでも、AH軍やイギリス軍の投入は留まることを知らない。続々と増強されているのだ。


『1916年5月』

天候は西部戦線、東部戦線ともに泥濘。


この時点での戦闘の焦点であるイタリア戦線は、ドイツ軍が損害を受けた穴埋めに、AH軍が投入されている。ドイツ軍を送りたいのは、山々なれども、他戦線の状況が許さないのである。それを突いてイタリア軍が攻勢に出て、一角を占領した。この主導権が入れ替わるのも、絶妙に調整されているのだ。


西部戦線は異常なし。
フランス軍が角ヘクスのL11へ向け攻勢を行ったものの、
損害を出しただけだった。いつの時点か分からないが、AH軍も西部戦線の塹壕へ投入されている。これは安上がりな部隊で守らせるため。ユニット数が多いと、それだけ攻撃が成功する確率は低くなるのだ。ゲーム開始前から知ってはいたものの、このようなゲーム的なテクニックを使うのは如何なものかと躊躇していた。しかし、背に腹は変えられず、史実とは大きくかけ離れた事をしてしまった。
イギリス軍はバルカン戦線へ兵力を引き抜かれたため、お休み中。


バルカン戦線では、両陣営とも攻勢を行えない戦力であるものの、イタリア軍が延翼運動を行い、AH軍の戦線への浸透を狙っている。そしてサロニカへ続々とイギリス軍が上陸中。少々、多すぎるように思うが。


東部戦線では、前ターンでロシア軍の大部隊が壊滅したのを突いて攻勢を行った。リガとミンスクの中間地帯のロシア軍を突き崩し、分断を狙っているのだ。


1916年5月が終わった全景になる。
大きな動きはないが、一瞬たりとも気の抜けない鬩ぎ合いは続いている。
そしてターン終了時に各国の戦意を判定したところ、イギリスとフランスの補充が半減した。この報を受け、CP司令部は大いに沸き変える。
ところが、その喜びも束の間だった。アメリカが参戦したのだ。このターンに「やはり史実通りの参戦では、Uボートの無制限攻撃が大きい」との意見を取り入れたのである。これが早速影響するとは驚きであった。


『1916年6月』

天候は西部戦線、東部戦線ともに晴天。

西部戦線では、CP司令部はフランスもイギリスも補充が半減しているため、攻勢は行われないと判断していた。ところが、さすが攻め達磨のDublin卿である。補充の半減など物とせず、攻勢を行ってきた。

その大きな理由が、フランス軍に攻城砲が到着したのだ。これで通常の砲兵×3に攻城砲を加えて12火力となる。ここまで砲兵の戦力が高まると+2DRMを受けられ、さらに要塞ヘクスへの攻撃に攻城砲が参加していると+1DRMを受けられるのだ。そうなると、要塞の地形効果を受けていたとしても、最終的なDRMは+1となる。角ヘクス(L11)へ2:1の+1DRM、そしてBig Push Attackを宣言した。上の写真では、その戦闘の解決をするため、一旦フランス軍もドイツ軍も位置するヘクスからずらしている。尚、Big Push Attackは「大攻勢攻撃」や「強行攻撃」と和訳で表現されているが、どれも当て嵌まらないような気がする。そのため、対戦中も「Big Push!」と言って攻撃していた。


フランス軍のBig Push Attackは大成功を収める。一気に、ドイツ軍のフルスタックを一撃で壊滅させてしまったのだ。これには驚嘆しつつも、敵ながら天晴れであった。


こちらがターンを終えた西部戦線の写真になる。
フランス軍がドイツ軍の戦線へ喰い込んでいるのが分かる。ゲーム開始当初は、ドイツ軍の数が少なかったため、イギリス軍に幸運が傾いただけでドイツ軍の戦線へ食い込むことが出来た。ところが、一旦ドイツ軍の数が揃ってからは、運不運に関わらず、攻撃が成功してヘクスを占領する事はなかった。これにより、戦争は大火力を集中させ、強固な陣地帯を粉砕する技術が開発されたのである。ドイツ軍は失った兵力を戦線直近の国内へ再編成している。対するフランス軍は、パリに1個軍団しか再編成されていない。戦意が下がり、補充半減の影響が出ているのだ。


イタリア戦線では、ドイツ軍の投入が控えられたため、フランス軍及びイタリア軍の攻勢が起動に乗っている。成功率は高くは無いが、小オッズでも多数の攻撃で、AH軍に後退を強いている。Dマーカーが乗っているのが分かるだろう。


バルカン戦線では、イギリス軍とAH軍の増強が続いている。そろそろイギリス軍が攻撃に出たような気配がする。何故なら、イギリス軍の一部がいなくなっている模様だからだ。ブルガリア軍が塹壕へ入っているヘクスを、単独で4戦力のみと、攻撃を行ったところ。フランス軍との共同や荒地、それに塹壕の効果により、合計―3DRMとなって攻撃側損耗の結果を喰ったのだ。この損失が続き、イギリス軍の首脳を愕然とさせる事となる。それっでも、一部でブルガリア軍を後退させているので、成功はしている模様だ。


東部戦線では、ドイツ軍の攻勢により、ロシア軍は連続した戦線の構築さえも行えなくなっている。リガ、ミンスク、キエフと、それぞれの周辺にユニットの集団が固まっているのみとなる。


こちらが1916年6月の終わった全景となる。
やはり、東部戦線の崩されているのが、目に付くだろう。
ドイツ軍のフルスタックを壊滅させたと述べたが、フランス軍も多大な出血を負っている。それはサルジニア島の再編成待ち部隊を見れば分かるだろう。ここにはイギリス軍もある程度の部隊が送られている。西部戦線では攻勢に出てないので、やはりバルカン戦線で損害を被っているのだろう。
ちなみに、マップ右上と左上に補充を管理するトラックがある。小さくて分かり難いだろうが、AH軍の補充は使いきれないほどになっており、ドイツ軍も幾分かの補充を残している。これはAPが効果的な消耗戦を行えてない証左である。


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