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ウォーゲームのサークル・千葉会のblogです。 毎月、第三週の土曜日と日曜日に例会を行っています。 その報告を主に、代表者のyagiが参加したゲームサークルなどについても、アップしています。
『日露戦争』
千葉会の定番であるエポック『日露戦争』です。
今回は私・yagiと山崎さんが対戦しました。
写真は5ターン時点。途中か終了時かはわかりませんが。
私は6月にsawadaさん、その前は去年だか一昨年だかの山崎さんとの対戦以来。それでも千葉会で毎回対戦されている定番ですからね。覗くことが多々ありますので、ルールは大丈夫。戦略も何とかなる。問題は戦術というかテクニックに不安があり。まあ何とかなるだろうのノリですよ、ノリ。千葉会ではこれ重要。
前回の対戦では私がロシア軍だったので、今回は日本軍を担当させてもらいました。山崎さんがロシア軍。まあ一年振りの入れ替え戦と言えるでしょう。
5ターンの戦況は、山地を攻撃している第2軍は悪戦苦闘を続けています。日本軍が虎の子にしている騎兵旅団を、ロシア軍の反撃により喰われています。旅順方面の第3軍は、南山を一撃の元に攻略。ロシア軍に打撃を与えました。一旦は南山の西で遅滞戦術を行ったロシア軍でしたが、日本軍の7:1アタックでDE。抵抗を諦め旅順要塞へと篭り。満洲平原を目指す第1軍は、ロシア軍を後退させつつ営口まで進出。この営口で四次に渡る会戦が繰り広げられることになりました。写真の状況は日本軍の攻撃により営口が占領されたところ。第一次営口会戦終了時です。日本軍のスタックが突出しており(A)、ロシア軍は中立侵犯で包囲攻撃を行い、これを壊滅に追い込みました。これが第二次営口会戦。日本軍は突出して来たロシア軍スタックへ攻撃、これを撃退。さらに戦闘後前進でロシア軍の戦列へ割って入ります(第三次営口会戦)。戦列を乱されるのを嫌ったロシア軍が割って入って来た日本軍スタックへ反撃。またもや除去に成功(第四次営口会戦)。
ここで日本軍は4個師団を失い、営口会戦を断念。営口方面は助攻に留め、兵力を引き抜いて弱体していた他の箇所へ攻撃を指向。ロシア軍の後退を誘います。営口会戦は日本軍の敗北と言えます。営口自体は、ロシア軍に取っていつかは放棄すべき地点でした。日本軍に隙がなければ、反撃は行わなかったでしょう。私は山崎さんよりスキルで劣っているため、わざとリスキーな作戦を取りました。ロシア軍が反撃しても、オッズはせいぜい2:1。半分の確率で失敗する恐れがあり、そうなるとロシア軍の戦列は乱れて大変になる、と。しかし、その考えは甘くロシア軍は二度の攻撃を見事に成功させました。やれやれ、世の中思い通りに行かないモノですわ。
12ターン、ゲーム終了時になります。
旅順要塞の第3軍は28cm砲の到着を待ち、強襲を行いました。そのため、EXによる損害は最後に1回だけ。何ターンだったかな。8か9ターンでした。おかげで、第3軍の緒部隊は遼陽会戦に間に合いましたから。山地の第2軍は、悪戦苦闘が続きましたが、タイミング良く前進に成功。しかも、それが第1軍の遼陽接近と同じでしたから、影響は大きくなったのです。
さて、今回の日露戦争におけるクライマックスである遼陽会戦です。
営口会戦で大損害を被った第1軍でしたが、その後はジリジリとロシア軍を押し、遼陽へと接近しました。第2軍の山地突破が同時期だったため、その間のロシア軍スタックを両軍が協同して包囲に成功。すかさずロシア軍は反撃に転じ、突出していた日本軍スタックを血祭りに上げます。その反撃は失敗で、一時的に、包囲されたスタックへ補給を通すことに成功しましたが、日本軍の攻撃により反撃に参加したロシア軍部隊が丸々包囲の憂き目に。ロシア軍の救出も失敗し、先のスタックを合わせるとロシア軍はこの周辺で6個師団は壊滅したでしょうか。そして苦闘しつつ、遼陽の占領に成功します。
ロシア軍も最後の反撃を行いますが、成果なしで終わりました。
VPを計算すると68点。2点の不足で日本軍の負けとなりました。なあんだ、無理さえしなければ十分に勝てたんだ。
山崎さんも、ここまでの損害は経験ない程の激しい消耗戦でした。やっぱり日露戦争はいいなぁ。
『日露戦争』二回戦
sawadaさんが遅れて来るのは知っていたんですね。掲示板にありましたから。しかしstrtakeshiさんが来るとは知りませんでした。当日になり、予定が開いたので強行軍をしてくれたのでした。私が朝の内に確認した後で書き込みしてたんですね。
ちょうど私と山崎さんの対戦が終わりまして。
sawadaさんはハガキゲームを簡単に終わりーの。このsawadaさんとstrtakeshiさんの『日露戦争』対決となりました。
陣営はsawadaさんがロシア軍、strtakeshiさんが日本軍。
チラリチラリと覗いていましたが、strtakeshiさんが上手いこと寄せていました。
山地のロシア軍を崩し、遼陽も陥落。かなーりロシア軍は苦しいなぁ、と思っていました。
ところが、ロシア軍の反撃が当たり、日本軍を崩していまいまして。VP的に逆転してしまいます。
あら大変と気を入れて観戦したところ、日本軍が満洲鉄道の奥を遮断。これでお手上げになりました。
終盤が見応えのある対戦でした。
GJ『信長最大の危機』
午後にふらりと現れたKBさん。当然というか手ぶらであります。
久々にと、山崎さんとGJ『信長最大の危機』の対戦となりました。
二人とも練度が高く、最終的には泥試合になるそうです。
ところが、この日はあっさり終了。5ターンで信長側の惨敗でした。
余談の日露
私は以前ウェブにあった「そんなゲームやらずに日露やろうよ」というセリフが好きなんです。
これはあるサークルで若い衆がアニメのゲームを持ち出すと、ベテランの人間に言われたセリフです。この言った人間と言われた人間の両方の気持ちが分かるんです。
言った人間は、きっと昔からアニメのゲームで痛い目に会っていて、そんなゲームはゴメンだと。言われた人間は、やっと買ったゲームをそんな風に言われて、がっくりする、と。
今の私なら。いや、15年前の私でも言わなかったでしょうね。それで黙って相手はしたでしょうし、それなりの対戦はできたでしょう。
でも、30年前程の私にはできませんでした。正確には27~8年前かな。私が高校を卒業した頃に、ウォーゲームの会を立ち上げたことがあるんです。当時はサークルなんて言葉もありませんでしたね。
すると、予想外に子供がたくさん集まりまして。今考えれば、5~6下なんて同年代。でも18~9の私に取って12~3なんて子供なんですよ。しかも持ち寄るのがアニメゲームばっかり。私はスコードリーダーやら第三帝国、それにロンゲストデエイなんか。
ある時、彼らの内で手持ちぶたさにしていた二人組がいましてね。何持って来たの?『宇宙戦艦ヤマト』?じゃあそれやろうか、となったんですが。ええ、全く勝ち目のない方をやらされ。しかも、クスクス笑い付き。若い私は参ってしまいましたよ。
今ならそんなガキでも可愛くてしかたないんですがね。何せ、子yagiというガキを育てましたから。おむつの世話をしたら、世の中変わりましたよ。
そうそう、勝ち目がないと思ったのは、『宇宙戦艦ヤマト』でアステロイドベルトのシナリオなんですが、誰かヤマト側で勝ち方を知りませんかねぇ?
ヤマトより火力のあるガミラス艇が4隻。これをヤマト単独でどうやって突破するんでしょうか。
『三国志演義』での大敗を終えて、「僕は悪くないんだ」と不貞寝していたら、ルセロさんが「おっさん、手軽なASLやろうぜ」と。こちらもお昼のアルコールが抜けているので、受けて立ちます。
それでASL1『FIGHTING WITHDRAWAL』を選ぶなんて、千葉会の練達にしかできません。
二人ともOB(戦力)やSSR(シナリオ・スペシャル・ルール)を記憶しているため、シナリオカードも確認で覗くくらいでした。
さてさて、熱くこのシナリオを語りますよ。
シナリオカードを見ながら詳しく説明しようと思っていあたら、「A grove of ASL」に和訳がありました。背景などは、こちらをご覧になってください。
http://war.game.coocan.jp/ASL/?Scenarios%2FASL%2F001%20Fighting%20Withdrawal
では、簡単に。1941年9月2日、フィンランド軍は'39年の冬戦争で失った地域を取り戻すべく、反撃を行いました。その反撃は各地で成功し、ソ連軍は危機的状況となりました。
ソ連軍は犠牲的な後衛を残し、撤退を行います。その一部が第131大隊で、襲い掛かるフィンランド軍を切り抜けて逃れる必要に迫られました。
担当はDR(ASL用語でサイコロ2個振り)し、フィンランド軍をルセロさん、ソ連軍を私・yagiとなりました。
兵力はフィンランド軍が16個分隊、指揮官3(9-0、8-0×2)名、MMG×1、LMG×3。ソ連軍が14個分隊、指揮官3名(8-1、8-0、7-0)、MMG×1、LMG×2、それに?×8。ソ連軍はHIP(初期隠匿配置)を2個分隊行えます。SSRに、天候は乾燥、東へ向けて弱風、U6とG2の建物は両レベルとも火炎、そしてソ連軍は弾薬減少などとありますが、知らない人間や初心者にはチンプンカンプンでしょう。
このシナリオは難易度が高過ぎて、知らずに初めてやってみて挫折した人間は多いに違いありません。しかし、やればやるほどこのシナリオの奥深さが理解でき、千葉会のASL組では最もプレイされているシナリオの一つです。腕を磨きたい方は、是非挑戦してください。
では、SSRの意味を解説して行きましょう。まず「天候は乾燥、東へ向けて弱風、U6とG2の建物は両レベルとも火炎」の三つは連動しています。火災が発生していて、風により煙がたなびいていて、そして他の地域へと延焼の可能性があるのです。煙がたなびくことにより、それを利用してフィンランド軍は前進を計画できます。
ソ連軍の弾薬減少は機関銃が故障し易くなるだけでなく、火線(Fire Lane)も引けなくなります。これは防御側としては厳しいです。そして分隊も射撃で6ゾロを出すと、一つ下の部隊へと置き換えます。例えば、4-4-7が射撃で6ゾロを出したら、4-2-6へと置き換わるのです。4-2-6は徴集兵で、MF(移動力)が3へと落ちますし、白兵戦でも不利を被ります。そして混乱すると士気が5になり、戦線への復帰が見込めなくなります。
写真はセットアップが終わったところ。
千葉会で、いや、日本で一番対戦数が多いルセロさんが相手です。慎重に慎重を重ねました。時間をかけて防衛計画を立て、一線目、二線目、それ以降の展開も読んで配置を行いました。
私も久々のASLでしたので、しかも相手がルセロさんです。緊張を強いられました。そう、心地よい緊張です。
写真をご覧になってください。
赤の点線がソ連軍の射撃予定です。こうやって残留火力を残して行き、フィンランド軍の前進を阻止するつもりです。いや、正確に言えば、阻止はできませんが、損害を与えるのと同時に、若干の遅れを狙ってます。1ターンにソ連軍が犠牲にするのは、AとBのユニット。
?を重ねてダミースタックは作っていません。ルセロさんくらいの錬度になると、どこがダミーであるか読んでしまうからです。特に、このシナリオでは。
HIPは右翼にへと集中させています。いつもは両方の前進経路へと配置するものなんです。
しかし、ソ連軍の布陣が左寄りなので、おそらくフィンランド軍は右翼を崩しに来る。その場合に、痛烈な阻止火力をお見舞いするのです。上手くいくかは判りませんが。
フィンランド軍の配置も解説しておきましょう。
やはりソ連軍の右翼へと兵力を集中しています。えっ、分からないって?では、ちょっと見で計算しましょう。フィンランド軍のスタックはC~Gまであります。CDEGのそれぞれ3個分隊。Fには2個。後は、HS(半個分隊)が二つでちょうど16個ですね。
C~Eまでで10.5個分隊があるので、全兵力の2/3を投入していると言っていいです。
ルセロさんはさすがベテランで、兵力を安易に敵が読めるようには配置していません。どう言ったことかといえば、指揮官や機関銃が一番上に乗っていないのです。スタックの一番上には、ただの分隊(6-4-8)かHSしか見えないようにしているのです。スタックの中身を確認するには、それなりの情報を相手に与えるため、こちらも安易に行えません。こうやって、腹の探り合いを行うのです。
写真で目立つのは青い点線ですね。
ルセロさんは2レベル(3階)へMMG+6-4-8を配置しています。その遠距離射撃で、ソ連軍の後退を阻ばむのです。こちらとしては、やって来たな、です。
さあ、いよいよゲーム開始です。
この写真は1ターンのフィンランド軍が移動フェイズを終えたところになります。
フィンランド軍の準備射撃は1ヶ所。ソ連軍のFに対するものでした。11火力+2DRMは、NMC(ノーマル・モラル・チェック)で、ソ連軍のDRは6ゾロ。ELR失敗で置き換えとともに、不運で損耗を被りました。ここの4-4-7は一気に2-2-6の混乱状態へとなってしまいました。これでは9-0のコミッサール(政治士官)と言えど、回復に成功することは見込めません。
ここでコミッサールを解説しておきます。独ソ戦開戦当初、ソ連軍は指揮官の不足に悩んでいました。何せ、スターリンの粛清により、反乱の濡れ衣を着せられて大量に処分されてしまったのです。特に優秀な連中は。そこで不足を補うべく、政治的に優秀な人間を投入したのです。彼らは冷酷さで有名で、ASLでもその威力を過剰に発揮しています。混乱したばかりのユニットはDMカウンターを上に乗せられ、+4DRMを受けるため、早々に回復はし難くなっています。ところがコミッサールは、DMの影響をなくし、さらに士気も一つ上乗せします。ですから、7の士気である分隊がコミッサールによる回復を受けると、DMが乗っていてもDR8以下で回復します。だいたい回復は建物が森で行われるため、DR9以下で回復となり、その効果は絶大です。コミッサールの悪影響もあります。もし回復に失敗したら、そのユニットは一つ下へと置き換えられますし、置き換えができないならば除去されてしまいます。これは臆病者をコミッサールが撃ち殺してしまうのです。そしてコミッサールが凶暴化したら、同じ地域にいる皆さん引き連れて突進してしまいます。
さて、話を戻します。2-2-6は混乱すると士気は4となってしまいます。コミッサールと建物によるボーナスを受けたとしても、DR6以下でなければ回復しません。それに失敗すると除去です。要は、41.6%でコミッサールが撃ち殺してしまうのですね。
続いて移動フェイズとなります。
ASLは移動のゲームです。それだけ自軍を効率良く前進させ、相手の射撃を無効にできるかが、このゲームの全てと言っても過言ではありません。
青の実線がフィンランド軍の移動経路。赤の点線がそれに対するソ連軍の射撃(正確には防御臨機射撃)です。緑色の1~4のカウンターが残留火力です。防御臨機射撃を一旦受けると、そのヘクスには残留火力が残ります。これは、狙って撃たれてはいないが、射撃を受けている、ということです。この残留火力をどこに、どれくらい置いていくかも、プレイヤーの判断が重要になるのです。
さすがルセロさんです。巧妙に前進を行っています。
ソ連軍の左翼、Eの円内にあるユニットは撃たせてくれませんでした。
そしてHSを先兵にして射撃を誘い、主力は残留火力の最も小さいヘクスを通って前進しています。
ソ連軍の前衛であるAとBは、その義務を果たしました。
前進するフィンランド軍へ向けて、臨機射撃、連続臨機射撃、そして緊急防御射撃まで行いました。
防御側の歩兵ユニットは、臨機射撃を行え、制限ができるものの連続臨機射撃も行えます。そして隣接するヘクス(正確には地域。隣接するヘクスでは高度の違いもある)に敵ユニットが入って来たら、緊急防御射撃も行えます。しかし、その射撃のDRをNMCの結果として適用します。ですから、DRが良ければ問題ありませけど、悪い場合は敵には何も効果がなく、自分が混乱する結果のみとなってしまいます。千葉会ではこれを根性撃ちと呼んでいて、日本中に広まっています。
それでもフィンランド軍に囲まれて逃げようのない部隊です。白兵戦に巻き込まれても勝てる見込みはありません。それならば、ASLで怖いもの。-DRMを期待して射撃を行いました。しかし、結果はDRに恵まれず自軍のみ混乱。それでも義務を果たしたのです。
ソ連軍にもツキはありました。
Cのソ連軍はDにフィンランド軍が突進して来ましたので、白兵戦に巻き込まれ恐れがありました。残留火力が一番上に乗っているため分かりませんが、Dのフィンランド軍はPINと混乱により止まっています。当然、フィンランド軍は白兵戦を狙い、一波の分隊がPINで止まると、2波目を送り込みました。フィンランド軍が残留火力を潜り抜けたため、ここでソ連軍はCの連続臨機射撃、さらに緊急防御射撃まで行い、何とか混乱させるのに成功しました。Dのフィンランド軍は指揮官の二人のみ突撃できますが、4-4-7を相手では危険です。白兵戦は断念となりました。
マップの右を見るとフィンランド軍2.5個分隊、ソ連軍HSが置かれています。これは、この列で除去された部隊です。千葉会では『FIGHTING WITHDRAWAL』を対戦する際に、こうやって損害を勘定しています。
両軍の損害は、この時点ではこんなモノ。
フィンランド軍の1ターンを終えた時点になります。
動きがあったのは、ソ連軍の右翼。
Bまで前進して来たフィンランド軍HSは、Aから最終防御射撃耐えますが、狙撃兵により混乱。後退を強いられます。
撃退に成功したソ連軍4-4-7はCからの射撃により混乱し、後退するハメに。
ソ連軍の混乱した後衛部隊を逃さないように、ルセロさんは包囲(Encirclement)を決めて捕虜にします。この辺は手堅いところです。
そして突撃フェイズで前進。現状では、ソ連軍の防衛計画は予定通り。フィンランド軍はソ連軍の右翼で着実に前進を行い、損害が多かった左翼では慎重に歩を進めます。
写真はソ連軍の1ターンを終えた時点。第1ターンの終了時です。
ソ連軍はAを射撃しました。
フィンランド軍の反撃と次のターンでの行動、ソ連軍の兵力と配備を計算しても勝負でした。
8火力±0DRMのDRはピンゾロ。1KIAにより、フィンランド軍へ大損害を与えることに成功したのです。
その他はジリジリ後退。Bの4-4-7は元にいたヘクスで粘るかどうか、少々悩みました。しかし、このターンにこちらのDRが良かった分、悪くなることも大いに有り得ます。逆に、あちらのDRが悪かったのが、良くなることも有り得るのです。どちらでも、防御するソ連軍には危険です。手堅く後退しました。
この時点でフィンランド軍の損害は4個分隊に達しています。これはソ連軍の射撃による物もありましたが、MCで6ゾロの不運で損耗を被る場面も多発しました。経験から言えば、多い部類に入っています。ルセロさんも「これは負けたかも知れない」と唸ります。
負けたかも、と思ったDRはこのターンに転じます。
フィンランド軍は兵力を右翼(ソ連軍から見てですが)へと集中します。
準備射撃は青の点線だけ。11火力+2DRMの射撃でソ連軍の要が混乱してしまいます。それでも、ソ連軍から考えると「まだまだ」でした。HIPの後衛がいましたし、残る2個分隊の内で、一つでも後退できれば問題なかったからです。いや、問題が少なかったからです、が正解ですね。
しかし、そこはルセロさん。ソ連軍の撤収を簡単な許しません。
戦線を維持している、ソ連軍の防御射撃と緊急防御射撃を誘うように、部隊を動かしたのです。しかも、ソ連軍の射撃を受けて、ヒーローが誕生し(A)、それがソ連軍の退路を遮断しています。
フィンランド軍の移動が-2DRMを受ける、それに自軍の退路が絶たれる以上、根性撃ちを選択するしかありません。ところが、DRの流れはイカンともしがたく、あえなく根性撃ちした連中は混乱してしまい、フィン子のヒーロー(A)が後方を遮断したとですよ!
これでソ連軍の右翼は完全に崩壊。このままフィンランド軍の前進を許すと、ソ連軍の敗北は決定的になります。
さて、ルセロさんはさすがでした。赤円内が混乱したソ連軍右翼。がっかりだよ!
フィンランド軍の右翼(写真では左)では、急速な前進を諦めて手堅いものへと変換しています。若干はBのソ連軍により、フィンランド軍の前進を留めることに成功しています。それでも、Cの隠蔽ユニットは撃たせてもらえず、ただ静観しているだけした。
優勢な地点への兵力を集中させる見切り、そして自軍に流れが寄せていると判断した際の手際など、参考になります。この写真で言えば、ソ連軍の左翼へは2.5個、中央には0.5個、そして右翼へは5.5個と、その見切りが読み取れると思います。除去されているのが5.5個、後方の残地部隊が2.5個。残りの2.5~3個分隊はスタックに隠れているか、除去で足りないかですね。
細かい計算はともかく、フィンランド軍は巧妙に寄せてきて、ソ連軍を崩すのに成功しています。
こちらの写真がフィンランド軍2ターン終了時になります。
ソ連軍は右翼でフィンランド軍の撃退に成功していますが、左翼が完全に崩壊しています。Aは潰走場所がなく、2階へ逃げたコミッサールと分隊。ソ連軍としては、フィンランド軍が右翼へと集中させることは見えていました。左翼と比べると弱体だったからです。
それでも、ここまで追い込まれるとは思いませんでした。この内の1~2個は離脱に成功し、後方で戦線の構築をすると計算していたのです。ここでソ連軍の計算は全く狂ってしまいました。
ソ連軍の右翼は崩壊しましたが、左翼の兵力は健在です。
これを右翼へとスライドさせれば、十分にフィンランド軍の前進を阻めると計算していました。というより、それしかないかな、と。
そのソ連軍の思い通りには行ってくれません。
まず、右翼へとスライドさせようとしたAの分隊が、迂回しているところを2レベルのフィンランド軍MMGから狙い撃ちを喰らいKIAで除去!
さらに、右翼へ送るべく移動させたBの分隊は、迂回したところを撃たれて、こちらもKIA。5火力でも3火力でも、-2DRMだとキツイ打撃を受けてしまいます。混乱するのは覚悟の上でしたが、KIAには参りました。ASLの格言で「悪い動きをすると、DRは悪くなる」の通りになっています。
ソ連軍で後退できたのは、すでに後方にいたCスタックの8-1+MMG4-4-7。それと写真の外になってしまいましたが7-0+LMG4-4-7だけです。厳しいなぁー。
そして両軍の予想外だったのは、Eのコミッサールスタック。これが回復フェイズで復活し、隣のフィンランド軍大スタックへ射撃を加えました。ところが、8火力+1DRM(階下を押さえられているため包囲になり、その+1DRMが加算されます)で、そこそこ当てにできる射撃でしたが、戦果は上がりませんでした。そしてフィンランド軍のお返し射撃を受けて分隊が混乱し捕虜に。仕方がないので、残ったコミッサールは(この写真では2階のままですが)階下へと、単独で白兵戦を仕掛けに突撃しました。勝ち目は全くなかったのですが、混戦へ巻き込むのに成功。十分に役割を果たしてくれました。
ソ連軍の崩壊を見たフィンランド軍は慎重に前進します。写真は3ターンのフィンランド軍が終わった時点になります。
その典型的な部分がソ連軍の右翼へと対する「寄せ」です。無理をすればもう1ヘクス前進できましたが、ソ連軍の8-1+MMG4-4-7が待ち構えているため、次のターンで攻撃すべく、布陣を整えることに専念しています。これは簡単なようで、実際にやるのは難しいことです。CXとヒーローを組み合わせることにより、DRMの不利を帳消しさせています。そのヒーローも単独で「撃ってもいいけど大火力がまってるぜ」。
逆に中央は兵力を目一杯引き抜いています。ここには1.5個分隊しかいないのです。それでも、圧力が掛かっているため、ソ連軍は慎重な行動を取る必要があります。
左翼はソ連軍の後衛が1個分隊残っていたため、無理をせず前進させています。ソ連軍の後衛が混乱しており、フィンランド軍がここまで進んでいるのを考慮して、両軍の行動を考えてみました。フィンランド軍は準備射撃を行っていないのは明白です。それならば、もっと前進ができていないからです。では、ソ連軍が混乱しているのは何故でしょう。それはAにフィンランド軍の混乱したユニットがいることで答えは出てきます。ソ連軍が混乱するのは、自軍の根性撃ちかフィンランド軍の前進射撃によってです。この後衛部隊が潰走をできているということは、後方を遮断されなかったことになります。無理して根性撃ちを行い、混乱していれば、後方を遮断される危険は十分にあったでしょう。しかし、それができなかったということは、フィンランド軍の前進射撃により、混乱させられたのが最も有力になります。まあ、フィンランド軍の兵力が足りなくなり後方を遮断できなかったとか、白兵戦を嫌って自発的混乱によって逃げたとか、も考えられますがね。
さて、先のターン触れた7-0+LMG4-4-7が写真の下に写っています。ここまで後退してきたんですね。
ソ連軍は先のターンで不用意に後退し、兵力を損じたことに懲りていたので、主に止まることを選択しました。
Aの分隊は1ヘクスのみ移動しています。ここから次のターンにBへと射撃。一気に下げた7-0+LMG4-4-7の射撃と連動して、この方面を遮断できると踏んでいました。
8-1+MMG4-4-7はフィンランド軍主力とガチンコ勝負を挑みました。理由としては、後退するにしても迂回したらヒーローの1火力-3DRMを喰らうためと、フィンランド軍の火力が高くても多くの+DRMを被るため損害は少ないとの判断でした。この射撃戦ではお互いとも戦果がなく終わりました。
今気がつきましたが、7-0指揮官をDの建物へと置いておくのも手でした。そうすれば、フィンランド軍は開豁地を通るのを強要される結果となったのです。当時は思い浮かびませんでした。
写真はソ連軍の3ターンが終わった時点です。
4ターンのフィンランド軍回復フェイズに、風の変化でピンゾロが出ます。
長い間、このシナリオを対戦していますが、風の変化が起こったのは、これで2回目です。さて、どのように変化したかdrしてみると「風力が1 段階低下」。そう、弱風だったので、風がなくなったのです。これにより、吹き流されていた煙もなくなったのです。お陰でソ連軍とフィンランド軍がガチンコで睨みあいことになりました。
ちょっと進んで4ターン終了時になります。
さすがにルセロさんです。こちらの思った通りに撃たせてくれません。フィンランド軍は手堅い前進を行いましたので、痛打を与えることができなかったのです。
最初にヒーローとHSを前進させます(A)。この時点ではソ連軍は撃てません。主力が動いてないからです。次に、白兵戦用に6-4-8を8-1+MMG4-4-7の隣接するヘクスへと前進させます。これでも撃つのを控えました。そして、フィンランド軍の主力はこちらが撃たないのを確認して、1ヘクス前進してオシマイ。火線が引けると助かるんですけどね。そうすれば、Cの点線に残留火力を置いていけるのでした。弾薬減少なので仕方ありません。
ソ連軍は防御射撃で、主力、それから隣接しているフィンランド軍の順番で射撃を行いました。ところが、流れがフィンランド軍へ寄せているため、全く効果ありません。せいぜいPINくらいだったでしょうか。これでソ連軍の右翼は完全に崩されてしまいました。
ところがところが、勝ち目のない白兵戦と思れていましたが、「勝負の1-4!」でDRは4。損耗でゾロ目が出て、6-4-8二つは2-4-8二つと急速に弱体してしまいました。
さて、ソ連軍左翼も似たような状況です。
後衛の4-4-7が妨害しましたが、フィンランド軍はピンゾロを出して押し通ってしまいました。そのため、戦意高揚状態(Fanatic黒いマーカー)になっているユニットが見えます。ちょっと余談ですが、ASLの和訳が公開されていて、重宝しているのですが、戦禍と戦渦が入り乱れていますねぇ。まあ分かりますから、いいんでしょうけど。
そこへソ連軍の7-0+LMG4-4-7が準備射撃で撃ち込みましたが、やっぱり効果ナシ。がっかりです。
5ターンの終了時です。最終局面と言っていいです。
フィンランド軍も残りのターンを考えると、損害も省みず突っ走るしかありません。実際、その通りにしました。
もう、写真の経路をご覧になってください。フィンランド軍は道路を前進していますでしょ。
細かいことを説明することはありません。ソ連軍は出来る限り引き付けて、射撃を行いました。右翼では定石となっているHIPが現れ一部を撃退。そのままフィンランド軍の撃てない地点へと後退しました。左翼では7-0+LMG4-4-7が1個分隊のみ混乱させただけでした。それも撃った場所が悪く、潰走と言う名の前進をされる始末。まあ、兵力がないので仕方ありません。
ずっと白兵戦中の連中は、もうゲームに関与しません。一応、DRはしますがね。そうそう、延焼のチェックも関係ないところではやっていません。
6ターン、ソ連軍の投了した時点です。フィンランド軍の移動フェイズ途中になります。
フィンランド軍は右翼から動かして来ました。やはり、損害無視の開豁地を突っ走りです。ソ連軍はBの臨機射撃を控えました。本命のAスタックが動かなかったからもあります。しかし、反省すべきことですが、左翼の危機に気を取られたからです。そこを突破されては敗北は決定的で、それを妨げることは至難の技だったのです。後ほど、ルセロっさんに「撃つべきだったよ」と散々指摘されました。そうすれば、Aのスタックは安心して前進し、HIPのままだったCの前面を通ったハズだと。確かに、そうでした。こちらは、撃ったら読まれてしまうとか、変な気を回してしまいました。
そして左翼の2-4-8が前進し、ソ連軍の4火力-1DRMと2火力-1DRMを潜り抜けた時点で投了を宣言しました。残る左翼のフィンランド軍を妨げる手段がなかったからです。と、思い込んでいたんですがね。フィンランド軍の左翼を一つでも妨害でき、右翼の射撃が上手く行き、その生き残った4-4-7一つでも盤外脱出できればVP的にギリギリだったのです。まあ、全て上手く行ってですが。可能性は低いもののやって見る価値はありましたね。
敗因もはっきりしています。「2ターンのKIA二つ」です。この分隊が生き残っていれば、左翼のフィンランド軍は突破が喰い止められる可能性は十分にありました。そうすれば、右翼のHIP二つの価値は、相当に高まっていたのです。残念ですが、これがASLです。
今は素直に敗北を抱きしめましょう。
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