『最終ターン・ゲーム終了時点』ゲーム終了時点勝てる。
ターンが始まった当初、マップにあるトラックでVPを確認し、自分の勝利を確信していました。現状、7VPでエルサレムとメディナを失っても、BLOCKADEで1VP返るから、と。だから、近東で西南のモスルは仕方ないにしろ、バグダッド以南を維持しておけば問題ありません。
このターンのAPは手番を稼ぐことに専念しました。ギリシャを参戦させ、ソフィアを視野へ入れることにより、そちらへOpsを消化させもしました。
ロシア軍の生き残りも、ドイツ軍の補給を切断出来る地点まで進出させました。完全に補給切れにするには、部隊数が足りないため有り得ないのですが、こうやってCPに手間をかけさせ手番を稼ぐのです。
すると、CPの最終アクションを終えたjoeさんが「VPを計算してみましょう」と。
そう、汎用トラックでは動かし忘れや、物理的な失策があるため、当てにはならないのです。
私も了解して計算する事になりました。計算にはコマンドマガジン付録のDC4.1に、まとめられているので、それを参考にしました。というより、してもらいました。
「マップ上で10、イベントで…」と暗算していたjoeさんの結論は「11VPで僕の勝ちですね」。
そんな、そんな馬鹿な。心の中で叫びつつ、自分でも指折り数えてみた。
しかし、1、2、3、4、5、6と折った指が、ちょっとよそ見をすると、それが6だか4だかわからない。焦って数え直すのですが、今度は7だか3だかわからない。終いには、5まで折ったのか0なのかわからない。これはダメだ。
私の焦る気持ちを知ってか知らずか、辛抱強く計算を続けるjoeさん。納得は出来ないが、どうやら間違いはないらしい。
敗因は戦いの中で、勝負師の魂を忘れてた事に他なりません。
勝つ事は難しくとも、引き分けにする事は、最終ターンの簡単な駒捌きで可能でした。メディアにANA軍団を入れておけば、あの状況ではCPが奪還する事は不可能でした。それをエルサレムで時間稼ぎに消耗させ、結果的にただで奪還を許す事となったのです。
そしてモスルからバグダッドへの布陣も誤ってしまいました。私はモスルからの攻撃による、戦闘後前進を防ぐため、ユニットを縦深な布陣を取りました。しかし、戦闘の結果を考えれば、モスルからの攻撃でバグダッドまでは戦闘後前進は出来ず、逆に投入したユニットでモスルへ攻撃を指向させれば、サイの目勝負でしたが、占領の可能性は残されていたのです。
何より、最終ターンのあの時点でVPを計算しているようではいけません。
最初から、毎ターンに計算する必要はありませんが、5ターン置きくらいにVPを計算して、それがラストの5つのターンは毎ターンで行います。しかも相手には黙って。
そうすれば、自分だけVPの見込み=勝負の行方を把握でき、そのための作戦を組み立てられるます。できれば、2VPくらい余裕を見ておけば、計算間違いがあっても安全て言えます。
私は迂闊にも、トラックチャートで示されているVPで、勝負の行方を占っていたのです。19ターンの時点で7VPでしたから、最終ターンにエルサレムとメディアの2VPを失っても、で1VP取り返せる、と。
以前は出来ていた事ですが、今回は忘れてしまっていました。こうやって自ら勝利への道筋を外してしまったのです。
情けないのですが、年齢による衰えなのかも知れません。対戦を終えた直後は、あまりの無念さに茫然自失の状態でした。
対戦と前日からの仕事により、へとへとになり帰宅しても、深夜に悔しくて何度も目が覚めました。そして情けなくて情けなくて、涙が止まりませんでした。
このリプレイを書くのにも、まあ忙しかったという理由もあるのですが、実は気分が乗らず、なかなか手を付けられませんでした。
半月が経ち、落ち着いたので、取り掛かる事ができました。
joeさんは対戦を終えた直後に、「楽しかった」と言ってくれましたが、私も漸くその気持ちになれたようです。ゴメン、嘘言った。楽しいというより、「やって良かった」かな。
joeさん、本当にありがとう。久しぶりに全力で対戦出来て嬉しかったよ。
それから、君は日本ではこれまで誰も成し得なかった、『パスグロ』での、勝利への道筋を見い出したんだね。心から尊敬するよ。
そういえば、道筋は『Paths of Glory』の題名でしたね。
そうか、このゲームを作った人間は、そこまで考えていたんだ。正に傑作。
10年以上も『パスグロ』の旅を続けていて、それを知るとは思いもよりませんでした。これで長かった旅も、一段落と致しましょうか。
さて、ここまでこのリプレイを読んで、ある事に気が付いた方はいらっしゃるかな?
そう、1ターン分写真が多いのです。リプレイの写真を撮る手順は、ターンが終わって損耗や補充、それにカードの引きを終えてから「撮影フェイズ!」と言いながら写真を撮り、ターンマーカーを動かしていました。ある時には、ターンマーカーを先に動かしたため、戻す事もありました。
どうやら、どこかの時点でターンを間違えて2度やった模様なのです。多分、4ターンか6ターンになると思いますが。
今回の対戦では、休憩も挟まず、食事も軽食だけで済ませ没頭していました。席を外したのは、トイレと私の会場の写真を撮る間。そして各ターンの写真を撮った時間も、20分程度の経過があり、早くて5ターンの15分、長くて最終ターンの1時間30分でした。
5ターンが短い理由は、両陣営ともイベントを続けたためで、最終ターンが長かったのはVP計算に手間取たため。それに感想戦もありましたしねぇ。
なあ、joeさん。もう一度対戦させてくれないかな?
今更、対戦の結果に有無を言うつもりはないし、お互い気が付かなかったから、仕方がない事です。
でもね。ちゃんと記録を取って対戦してみたいんだ。
以前に、ミドルアースで対戦した際には、各ターンのアクションで使ったカードを、その使用目的とともに記録していたんだ。それをやってみたいんだ。新しい悪巧みも思い付いたしさ。
まあ、ちょっと考えてみておくれよ。
そんな訳で、『パスグロ』の旅は、懲りずにまだまだ続きます。
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