三連休はウォーゲーム三昧と行かず、中日の日曜日だけ出勤となりましてね。で、翌日のユサール会に参陣して来ました。
南北戦争オンリーという縛りながら、20名は集まっていました。多分、南北戦争のゲームを「いつかはやりたい」と抱えていたものの、相手が簡単に見つかるWWⅡ物へ流れていたのでしょう。ですから、こう言ったきっかけがあれば、人数は集まる、と。
仕事明けで三時間ほど仮眠を取り、チキチキバンバンの替え歌『南北戦争大好き』を口ずさみながら会場入りしました。
yagi作『南北戦争大好き』
「南北戦争、南北戦争、南北戦争大好き ゲティスバーグも、ピータースバーグも、マナサスも大好き リーもグランドもストーンウォールも、ミードもジョンストンもピケットも大好き 南北戦争バンバン 行くぞアトランタ 南北戦争バンバン リッチモンド~」う~ん、いまいち。
ゲティスバーグ会戦『GETTYSBURG:Lee Greatest Gamble』
歴史的背景はウィキペギュアを見てもらいましょう。誰が書いたか知りませんけど、詳しく解説されています。きっと南北戦争大好きな日本人は、予想以上に多いに違いない。そうそうユサール会では、皆さん学研M文庫「南北戦争」を手にしていました。会場では、この「南北戦争」が発行された1%は集まっているに違いないと熱気を込めて話されていました。当たっているようで、怖いような嬉しいような。
ゲームの解説を行きます。
ユニットは旅団単位(歩兵、騎兵、砲兵、それに司令部があり)、1ヘクスは300m。1ターンは昼間が1.5時間、夜間が4時間。マップはゲティスバーグを中心としていますが、扱う地域は広くなっています。普段は東端はウルフヒルまでなんです(と、たかさわさんが言ってた)。
では、ゲームの手順。
南軍ターン
・コマンドコントロールフェイズ
・移動フェイズ
・戦闘フェイズ
北軍ターン
・コマンドコントロールフェイズ
・移動フェイズ
・戦闘フェイズ
特徴的なのが「コマンドコントロール」ですかねぇ。「移動」も「戦闘解決」も当時の雰囲気はありますけど。
「コマンドコントロール」とは、どれだけ自分の思い通りにユニットが動くか、なんです。
その状態は「攻勢」「限定」「守勢」「恐慌」の四種類があります。
「攻勢」では自軍のユニットを自由に移動・戦闘させられます。
「限定」では、すでに戦闘を宣言したユニットのヘクスか隣のヘクスでなければ、敵ユニットに隣接できません。もしくは、1ユニットだけ敵ユニットに隣接できますが、これはちょっと疑問。だって、袋だたきになりそうでしょう。要は、「加勢はOK」なんですね。
「守勢」になると、すでに敵ユニットに隣接している味方ユニットのヘクスでしか敵ユニットに隣接できない。あら、何と言う訳のわかんない説明?要は、「同じヘクスへの助っ人はOK」なんですよ。
「恐慌」になると、「守勢」と同じ制限にプラスして戦闘と砲撃がドタバタとなり、さらに魔法をかけられて敵に動かされるユニットが出て来ます。
それで「守勢」と「恐慌」では、隠匿カウンターを解除できません。これと先のドタバタは後で説明しますね。
確率的に60%は「守勢」か「恐慌」なんですよ。この間は攻勢はほとんど…、いや全くできません。「攻勢」なんて10~18%くらい。ですから、一日10ターン(夜は2ターンあるが攻撃なんてできねぇだよ)なので、一日の内2ターンくらいは攻勢に出られるのかなぁ。一番多いのが「限定」なので、「攻勢」の次に「限定」で継続する。
続いて「移動」です。
移動力は全て4です。歩兵なら大概の地形を1で踏破できます。騎兵と砲兵は森に4かかりますが、道路は0.5で済みます。この辺は普通のウォーゲーム。
特徴の一つは、敵の2ヘクス以内で移動を開始すると、1ヘクスしか移動できません。危ないから警戒しているのですね。ちなみに、騎兵や砲兵にはこの制限はないです。
特徴の二つ目は、隠匿カウンター。これは当時の行軍隊形と、情報の不確定さを現しています。行軍隊形なら6移動力を発揮でき、道路も0.5で通過できます。で、敵に見つかる、もしくは見つかる地点へ進入するなら、行軍隊形から戦闘隊形へて変更します。先の「守勢」と「恐慌」では、自分で隠匿カウンターを解除不可能。なので、せっかく戦線の近くまでたどり着いた友軍が、後方でブラブラする状況が現れます。
この辺は上手く処理しているんですよ。昔、AH『ゲティスバーグ』というゲームで、無茶苦茶難易度の高いゲームをやったことがあるんです。その上級ルールでは、旅団ユニットの下に「行軍隊形カウンター」を置くんです。それで…ゴメン、あまりにもルールがチンプンカンプンで挫折した記憶しかないや。まあ、それに比べたら(゜∀゜)イイ
最後の特徴が「戦闘」になります。
戦闘の解決はユニット同士のタイマンです。攻撃するユニットの戦闘力から、防御するユニットの戦闘力を引き、それで戦闘を解決します。先の「助っ人(攻撃するユニットと同じヘクスにいる)」をすると、戦闘力をプラス1できます。砲兵なら隣のヘクスでも可能です。「加勢」なら隣のヘクスにいても、戦闘力にプラス1できる可能性があります(南軍のリーでは60%、北軍のミードは50%)。攻撃側に厄介なのは砲兵の防御支援が強力なこと。2や3をプラスされてしまうんです。ですから、防御側の北軍に砲兵が豊富なので、コマンドコントロールとユニット個別の能力に凌駕している南軍の攻撃を防ぐんですね。
まあ、説明はここまでにしておきましょう。これ以上、読んでも持っていないとチンプンカンプンですからね。
ここからはリプレイとともに、ゲームの解説をしていきます。
千葉会の掲示板とMastAttckで告知したお陰で、OMEGA7さんが付き合ってくれることとなりました。
話を聞くとOMEGA7さんも持っていて、以前へぼへぼ6+1さんと私が対戦しているのを見て、羨ましいと思っていたそうです。
で、今回対戦になりまして、OMEGA7さんが北軍を、私・yagiが南軍を担当しました。これは私がこのゲームのコツを知っていて、知らない人間では確実に守り切れる、下手をすると反撃まで持って行ける、との判断でした。初めてのOMEGA7さんなら、下手に攻撃さえしなければ勝てないとことはない、と。
写真は2ターンの始まるところ。ああ、ゴメンさない。正確には7月1日の2ターンですね。通してのターン数はなく、ゲティスバーグ会戦での日付とそのターン数になります。
このゲームは配置の時点で、北軍の騎兵二つと南軍の歩兵二つしかありません。それはゲティスバーグ会戦が、遭遇戦の末に起きた事を現しているからです。配置の制限も南軍が1234(主力の現れる地点)で、北軍は「それ以外」としかありません。考えようによっちゃあ、随分と乱暴な話です。初心者お断りが見て取れます。さて、定石なのですが、北軍の騎兵は南軍の移動を監視するのが主な任務です。何故なら、監視してないと隠匿カウンターのままで、通常の三倍のスピードで動いてしまうからです。それを阻止するために、騎兵を南軍の両翼へと動かし、戦闘は回避すべきです。史実のように、頑張って戦うのは宜しくありません。まさかまさかですが、南軍は灰色のユニットで北軍は青いユニットですけど知ってますよね。「ブルー&グレー」って有名なゲームもありますから。それは軍服の色に由来しています。
この写真は・・・。あれ、覚えてないなー。
記憶では、コマンドコントロールが恐慌を来たして、北軍の騎兵が突出。南軍に絡め取られて一つ捕虜になったんです。
それはAで混乱している騎兵でなく、Bの騎兵だったような。はてさて。
では、ここで戦闘の結果について解説しておきましょう。
ユニットは「通常」「動揺」「混乱」「潰走」「壊滅」「全滅」と6種類の状況があります。戦闘結果は一方的で、攻撃側か防御側の片方しか影響ありません。
「通常」というのは、ユニットが登場した時に表で現れます。戦力も士気も最高の状況になります。「動揺」は、戦闘して指揮官や兵員の一部を失った状態です。ユニットを裏返して現します。面白いのが南軍が戦力の1しか失わなしのに対し、北軍は最大2を失うのです。ここでも南軍の頑強さを現しています。動揺の状態は敵ユニットから3へクス離れて、サイの目が2以下なら回復します。「混乱」は、戦闘の結果で一番多くなります。この写真で-2/-1のマーカーが見て取れますね。これです。戦闘で何らかの影響を受けると、必ず混乱にはなります。-2/-1の意味は「攻撃力-2、防御力-1」です。この回復は移動力を2消費すればOKです。ちなみに、夜間に移動すると混乱しますので、予備が後方で位置を定めるくらいしか行動はできません。「潰走」は、まあ逃げちゃうんです。この結果になると、ユニットは潰走ボックス行きになります。そして司令部が出ていれば、その隣へクスに動揺状態ですが復活可能になります。ポイントなのが「逃げ道があれば」ということ。これがないと捕虜になってしまいます。そしてZOCがないので捕虜にするためには、友軍で取り囲む必要があります。「壊滅」は戦闘の結果で起きるのですが、簡単に言って「壊滅ボックス」行きです。この「壊滅ボックス」からは司令部があれば復活可能ですが、「二個一」です。同じ兵科で一個は動揺状態で復活しますが、もう一個は「全滅ボックス」送りとなります。最後の「全滅」となると、そのユニットは復活不可能で、それがVPの対象になります。
この「戦闘結果が多すぎる」のが、南部戦争らしくないのかも知れません。
7月1日の7ターンです。
北軍はゲティスバーグへ一旦先着したのですが、それを放棄して史実通りにセメタリーヒルに戦列を敷いています。ゲティスバーグを守るメリットがこのゲームにはないため、こう言った展開になります。岡は緑が濃くなっていますから、それで判別してください。
そしてセメタリーヒルへ砲兵を集結させています。ちょっとわかり難いのですが、二線目のユニットが砲兵です。Movedの表記になっているのが判りますでしょうか。
判りますでしょうか、ついでに「動揺状態」のユニットが一ついます。これは北軍の騎兵で南軍の攻撃を受けたんでしょう。北軍の歩兵が戦闘へ参加した記憶はありませんので。
それから右上を見てください。壊滅ボックスと潰走ボックスがありますね。戦闘で壊滅と潰走した(正確に言えば北軍の)ユニットはここに置かれます。しかし、現状は何もありません。そしてマップ上のユニットをよーく確認すると、北軍の騎兵は2個あったのですが1個しかありません(わかんないって。ゴメン、デジカメが壊れたんだよ。だから携帯で記録してるのさ)。
南軍がウルフヒルを占領しています。これは北端(写真では下の真中)から現れた部隊が前進した結果です。
現状では、ほぼ史実通りの展開となっています。コマンドコントロールフェイズは両軍とも酷かったんです。6ターンに南軍が「攻勢」になって前進したくらいかなぁ。北軍は部隊が少ないのでコマンドコントロールフェイズが良くなっても、あまり意味は無いんですよね。まあ、恐慌状態で騎兵が突出してしまいましたが、慣れれば防げました。動かさなければ、魔法の掛かる確率は50%から33%まで落ちましたから。OMEGA7さんは初プレイなんで仕方ないですね。でもまあ、ゲティスバーグの初日としてはこんなモンでしょう。
7月1日、ゲティスバーグ会戦の一日目が終わりました。
北軍は史実通りにセメタリーヒルを中心とした戦列を引いています。この頃は戦線より戦列の方が似合っていますね。
セメタリーヒルへ砲兵を集結させ、南軍の攻撃を待ち構えています。
南軍は一旦占領したウルフヒルから撤収しています。基本的に北軍の方が兵力的では凌駕しているため、下手に突出するのは危険が危ないんです。実は、北軍のウルフヒル周辺での布陣は危険でした。先に説明したように、2へクス以内ならユニットは1へクスしか動けません。と言うことは、2へクス離れていればその制限を受ける必要がないのです。南軍としては、接近させて移動を制限する部隊と一気に寄せる部隊を組み合わせることにより、ウルフヒル周辺の北軍を包囲して捕虜にすることが狙えるのです。
ここで隠匿カウンターを説明しておきましょう。
写真では南軍の隠匿カウンターがマップの右下に見えます。これは、あら左端が見えないな。左端に隠匿カウンターの中身を置いておくボックスがあるんですよ。北軍のちょっとが見えますね。まあ、いいや。この隠匿カウンターは中身が「ここにいる」のではなく、「この辺りにいる」んです。要は、周辺を行進中である、と。ついでに、この辺りにリー将軍の司令部が到着しています。北軍のリード君は真中の上くらい。
おろ、この写真で北軍の壊滅ボックスと潰走ボックスにユニットが判りますね。それと南軍の壊滅ボックスに北軍のユニットがありますね。南軍の壊滅ボックスにあるのが捕虜の人達。それと壊滅&潰走ボックス内にユニットがあると言うことは、をちょっと戦闘が行われた模様です。まあ、現状では小競り合いに過ぎません。翌日から本格的な勝負は始まります。
7月2日、ゲティスバーグ会戦の二日目が始まりました。
しかし、南軍の指令が届かないため部隊は動く気配を見せません。北軍は南軍の混乱の乗じて着々と戦列を整えて行きます。
そしてウルフヒルから部隊を浸透させて行きます。これは危ないんですよねぇー。包囲されるから。
でも、こちらもコマンドの関係で動けるか判りませんし、この行動が北軍に優位となる可能性もありますから。
まあ、ここまでで昼くらいまで掛かっていて、朝ワンカップに昼紙パックを空けていました。マナーの悪さでは類を見ないyagiですが何か?
じゃない。南軍はこの北軍の包囲⇒捕虜を狙っていたのです。実を言いますと。
ここで右に並んでいるユニットを説明しておきます。
これは増援の皆さんです。これまでの写真を見返してください。いっぱい並んでいたでしょう。何せ、遭遇戦の結末で大会戦へとなりましたから、こう言った後から続々と現れる部隊がいるんです。この時期の通信手段がない状態では、こんなモンでしょう。
5ターン、6ターンと南軍に攻勢が続きました。ようやくリー所軍の指令が行き届いたんですね。
ここを見逃さずに、ウルフヒルで突出した北軍を包囲から、攻撃を行い捕虜にしています。こんなに成功するとは思いませんでした。
写真では、ウルフヒル周辺で北軍がなくなっていますけど、後退したとしか見えないかも知れませんね。この攻勢は大成功を納めました。
戦闘結果表(CRT)では、どこまでも戦力差が出来たとしても、確率的に15%は失敗するのです。それで移動で包囲に成功しても、攻撃するユニット一つでも潰走か壊滅でもしたら、包囲は成り立たなくなってしまいます。私は巧妙に攻撃する歩兵に、スタックしても意味はない砲兵を送りましたが、そんな努力が必要のないくらいに攻撃は成功してしまいました。普段の行いを鑑みると、神様は余所見をしていたとしか思えません。でもまあ、たまにはいいでしょう。
それから、同時に行ったセメタリーヒルへの攻撃は失敗しています。戦力差は共同攻撃や砲兵支援が上手く行ったのに、サイの目に嫌われました。あらら、北軍はセメタリーヒルを半分放棄しているので、「セメタリーヒルへの」でなく「セメタリーヒルでの」が正確でしたね。まあ、大差はありませんが。
そうそう、Aの岡に南軍がいる意味を教えておきましょう。これはBから北軍の部隊が現れるのです。その監視に置いています。
それで北軍のコマンドが守勢のため、やって来た部隊が隠匿カウンターを解除できないので、見えない位置で待機しています。
リー将軍の神通力もここまで。コマンドが守勢を続け、身動きができません。
何より、北軍の主力が到着し、数的に負けている南軍は前進を行えません。特に、左翼が危険でした。
ここの南軍は騎兵の1ユニットだけで戦列を維持していました。北軍はこの騎兵へ波状攻撃を仕掛ければ、砲兵がスタックしていて支援を行っていたとしても、いつかは崩れたハズです。そうなるとスタックしていた砲兵も喰われることは十分に予想できました。
OMEGA7さんが攻勢に出ない理由の一番は、コマンドが冴えなかったことが大きかったのです。守勢と限定が続きましたから。
それに、また突出して捕虜になるのも、ゴメンだったのでしょう。
さて、南軍ですが残された予備を左翼へと走らせています。実は、Aは1個師団程度でしたが、Bは1個旅団しかいません。それにコマンドが守勢なら、隠宅状態を解除できません。下手をすると敵の前面へと向かえない可能性があるのです。
そこで前進した戦列を下げて、3へクス以上離れた地点にユニットを離脱させました(C)。下げると言っても、敵ユニットに近ければ1へクスづつしか動けませんが、一旦3へクス離れてしまえれば、その制約はなくなります。この2ユニットで緊急事態には対処するつもりでした。
ところがゲームは予想通りには行きません。
南軍がジリジリと後退を続けていたところ、コマンドが恐慌を来たします。すると、前衛のユニットが後退をせず、勝手に前進して攻撃を行ってしまいます。これはコマンドコントロールで説明しましたが「恐慌」になると、勝手にユニットを相手に動かされて、攻撃も宣言させられてしまうのです。お陰で、単独で釣り出されて、無謀な攻撃を行わされ混乱までしてしまいます。潰走や壊滅なら問題は少なかったんですが、思い通りには行かないものです。
北軍は釣り出された(正確には、釣り出した)南軍のユニットを包囲攻撃をします。以前に、こちらがやったことをやり返されているんですね。ところがところが。戦闘結果が北軍の思い通りにはなってくれません。OMEGA7さんがサイコロを振る度に「4」が出てしまいます。先頭結果表では「4」が出ると、どの戦力差でも攻撃は失敗するのです。その結果、包囲したユニットが壊滅したり潰走したりで、いなくなってしまいました。そして残った部隊は混乱していて、戦力的に落ち込んでいます。今度は攻撃に出た北軍が、大変危険な状態になってしまいました(A)。
この突出した北軍は南軍の逆包囲に会い、多くが捕虜になってしまいました。何だか、不思議なくらいサイの目に恵まれていました。だって、先に説明したようにいくら戦力差を付けたとしても、それなりに失敗はするモノなんです。こちらも、「まあ捕虜にはできんでも、一つ二つ壊滅なり潰走なりすればいいや」のノリでした。潰走では司令部さえ盤上にあれば、次のターンに復活は可能です。でも、そこから前線まで到着するのに、しばらくは掛かります。ユニット数で負けている南軍としては、こうやって少しでも北軍を減らす努力が必要なんです。
この包囲戦が夕方に行われたため、すぐに日が暮れて両軍の動きはなくなります。前日では増援が現れたため、それらが後方を急行していました。しかし、そう言った部隊もいなくなり、正に「夜は寝るべぇ」状態です。
さて、この時点で南軍は勝利を達成していました。
勝利条件は南軍が北軍より10VPの差を付けていること。30VPなら決定的勝利なんですが、これはほぼ不可能と言っていいでしょう。
二日目が終わった時点で南軍は20VP以上を稼いでおり、北軍にはVPを与えていませんでした。
VPを獲得するには、相手の1ユニットを全滅させることで1VP、それが捕虜なら3VP。南軍の司令部が盤外への突破でAへは20VP、Bへは10VP、Cへが5VPです。
南軍の目的は北軍に打撃を与えるか、さらに進軍して首都のワシントンへ脅威を与えることが目的でした。それに合わせた勝利条件の設定をしているのです。
正直、「北軍が逆転するのは難しいなぁー」と思っていました。しかし、南軍の左翼に戦列の乱れがあり、そこを突かれると崩される危険が残っていました。ゲームは続行し、三日目の7月3日へと日付が変わりました。
7月3日、ゲティスバーグ会戦の三日目が始まりました。
史実では、攻撃の決め手のない南軍が、無謀なピケット突撃を行うまで追い込まれています。
両軍ともコマンドが不調で身動きができません。南軍は無理に攻撃を行う必要はなく、危険な左翼の撤収を行いました。
2~3ターンの時間は掛かりましたが、ようやく戦列を整えられ、北軍に突かれる恐れはなくなりました。
北軍はコマンドが守勢と恐慌が続きました。散発的に限定が2度ほどありましたが、これでは何も出来ません。
この一日を南軍がジリジリ下がれば、北軍がそれを傍観しているような状況でした。せいぜい、暇な砲兵がドカンドカンと撃ち合っていたくらいですね。何とも、冴えないゲティスバーグ会戦の三日目でした。
余談ですが、インディアンの討伐で有名なカスター将軍が、この三日目に到着しています。
戦力が他の騎兵より高く、アメリカの小説では人気があると読んだこともあるので、てっきり優遇されているものかと思っていました。個人的には、虐殺と無理な行軍による部隊の壊滅を招いた、ろくでも無い指揮官との印象しかなかったので、母国の評価は違うのかな、と。
しかし、CMJ本誌の戦闘序列を確認すると、カスターの率いる騎兵旅団だけ兵員が多かったのでした。
この時点でゲームを終了しました。
ゲーム的には四日目もあり、その日に雨が降るまで続くのでした。しかし、南軍の弱点が見つからない以上、北軍が逆転する可能性は限りなく低いのです。何せ、四日目の3ターン以降に、50%の確率で雨が降り、その時点でゲームは終わりになりますから。この四日目は、正直「ゲティスバーグ会戦は降雨によって終了した」という史実の気分を味わうためのモノでしかないと思っています。まあ、そう言った気分がウォーゲームでは大切ですが。
さて、全滅ボックスには北軍のユニットしかありませんね。手前が南軍用なのですが、こちらに北軍ユニットが見えるのは、捕虜になったモノです。本来なら、ここには南軍ユニットが置かれるのですが、損害は出ていないのです。
右奥の壊滅ボックスには北軍ユニットが溜まっています。これは復活させるには二個一なので、一個は全滅ボックス送りとなるため、相手にVPを与えない事を避けているのです。
南軍は「これで勝つしかない」と予想した通りの勝利を得ています。ちょっと出来すぎでしたが。
まず、先に説明したように両軍ともVPを獲得します。
しかし、司令部を盤端から突破させるのは、現実問題として不可能です。何せ、大量の北軍を掻き分けて突破する必要があるからです。せいぜい、今回の二日目で北軍が崩れた瞬間に、Cへ向かって突進すれば突破は出来たかも知れません。でも、そんな事をしてしまうと壊滅や潰走したユニットを復活させることが出来なくなります。突進している際に、北軍の砲撃を受けるとそれだけでVPを失います。リスクが高い割に、得るモノは少ないのです。
正面からの殴り合いでは、とてもVPで凌駕することは不可能です。
ユニットに戦力差があり、コマンドで南軍が優遇されていたとしても、戦闘結果が確実に勝てるように出来ていないため、私の感覚では南軍がいくら上手く攻めたとしても1:1.2~1.5の損害比率しか与えられないのです。
そして北軍に大量な砲兵があるため、ちょっと北軍が布陣を構えると、その損害比は低くなる、もしくは逆転する可能性もありました。
ですから、南軍が勝利のためにVPを稼ぐには、捕虜を取っていくしかないと確信していました。しかも、一日目では南軍自身の兵力が足りないの不可能。三日目では北軍の兵力が多すぎてこれも無理になる。その結果として導き出されるのは、両軍とも機動して戦列が不確定な二日目に勝負を賭けるしかないのです。
今回のように、北軍の戦列へ上手い具合に割って入れれば良いですが、それがダメなら無理矢理に切り込んで行くつもりでした。そうやって、北軍の一部を分離して捕虜にするんだろうな、と予想していました。
実際、OMEGA7さんは砲兵を支援でなく、砲撃させてしまい、そこを南軍に攻撃をされてしまいました。
それで損害比は1:4~5と高くなったのですが、北軍は壊滅したユニットを復活させなくても、戦列を維持できましたので、やはり普通に攻撃するだけでは、南軍の勝利は大変難しいですね。
でも、このシステムは大変不確実性が多く楽しめました。エポックの関が原ほどには、敷居は高くありませんし。是非、このシステムで戦国時代のゲームを作ってもらいたいのもです。川中島なんかお似合いかと。
そうそう、このゲームの欠点も挙げておきましょう。
戦闘結果が南北戦争らしくないんですね。この戦争では部隊がボンボン飛んで行くイメージがありますが、このゲームでは壊滅しても二個一で復活し、潰走したら何の罰則(戦力は弱体するものの)なく復活してしまうんです。もうちょっとブラッディの方が雰囲気は出ていますね。
さてさて、対戦を終えてしばらくマッタリとしていました。
それで同じゲームを対戦していたへぼへぼ6+1さんとかみさんも、区切りがついたんで一緒に引き上げることとなりました。
まあ、よくある話で途中にメシしようとなりーの、ビールは外せないーの、となり。3人でジョッキを傾けたんですわ。
そこで出た話題が「SPIのTHE NEXT WARは傑作」と。何で、こんな流れになったかは、これっぽっちも覚えていません。それでもかみさんの対戦した記憶では、 「THE NEXT WAR」は傑作の部類に入るというのです。私も大昔にやって面白かった記憶はありますが、現時点でそんなことを言える人間を初めて見ました。そして別れ際にかみさんの「来月は三ヶ月続けてキューバで戦いますか? それともTHE NEXT WAR行きますか?」とのセリフに大揺れしているyagiでした。
そんなこと言ったら、ウチの双子のTHE NEXT WARが黙ってないですぜ。
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