『死闘』地震に起こされた朝。
日本軍指揮官は同じホテルへ泊まっていたため、再開直前に最終協議を行えた。そこで決したのは、夜明けから機動部隊が索敵を開始。巡洋艦隊や大和隊、瑞鳳隊に輸送船団も加えた総力を結集し、ミッドウェイへ向けて突進する、というものだった。
決して大きな声ではなかったが、3人が熱く「ミッドウェイを目指すんだ!」「オレ、やりますよ!」とか語っていたため、隣で眠そうしていた男性が「こいつ等何者なんだ!」と呆気に取られていた。
ゲームが再開され、6月5日の夜明け前から、アメリカ軍はミッドウェイの陸上機を使っての索敵を再開。
その際に、最もミッドウェイへ接近していた巡洋艦隊が発見さる。巡洋艦隊は危険を避けて、嵐へと逃げ込む。
これで嵐が抜ける6時間は、この巡洋艦隊は身動きが取れなくなったのだが、これが後ほど大きな影響を及ぼす。
0600 遂に日本軍から索敵機が発進。
これで機動部隊が何処にいるかは、凡そ予見されてしまう。
このような戦いは、長く『FLAT TOP』をプレイし続け、恐らく日本で随一の力量を持つ下総さんも初めてらしく、緊張のあまり朝酒を決めフラフラになっていた。決めたのはオレも、だけどな!
さて、夜が明けた0600。早々に予想外な事が起きた。
天候の激変により、いきなり輸送船団が嵐に包まれたのだ。これが絶妙なタイミングで、アメリカ軍の索敵機が接近する直前。そのため晴天域にいた駆逐艦隊も曇りへ退避し、一息つく。
そこへドーントレスが全力で襲い掛かって来た!
ここまで積極的に攻勢を続けるか!またもや驚かされた!!
この攻撃により、駆逐艦隊の半数5隻が撃沈、2隻が中破する。この損害で第2水雷戦隊は壊滅。しかし、生き残った3隻の駆逐艦は、ドートレスの帰路を把握すべく晴天域へ突進。ところが、見張り員がドーントレスの影を見る事はない。付近を飛行中の瑞鳳隊の九七艦攻からも、行方の報告はない。何処へ消えやがった!?
0700 両軍とも、全力で索敵を行う。
その結果、日本軍の機動部隊、大和隊、そして鳳翔隊が露見。しかし、アメリカ軍の空母艦隊は発見できず、日本軍に焦りが広がる。
日本軍は九七艦攻の全てを索敵へ投入。それでも見つけられない!
それにしても機動部隊指揮官が、あまりにもアメリカ艦隊しか気にする様子がない。輸送船団指揮官が、ミッドウェイの陸上機からの攻撃を懸念し、具申したところ。「屁でもねえ!」と。こんなセリフが聞けるなど、他にねえぜ!!
0800 遂に「敵艦見ゆ!」との報告あり。
それも朝酒をキメていた機動部隊の索敵機が成功とは!
日本軍の機動部隊から12~13ヘクス。距離で言えば300~400Kmなので、当時の航空機でも1~2時間という近さ。これを見て、鳳翔隊や大和隊は猛進。
機動部隊指揮官から「どうして他の部隊は突撃しないんだ!」と憤怒の唸り声が聞こえる。
しかし、輸送船団からは正面にアメリカ軍の空母部隊(他にないため、以降アメリカ艦隊)があり、危険過ぎる。
日本軍の機動部隊は、待機させていた九九艦爆を全力で発進。攻撃へ向かわせるが、アメリカ艦隊は嵐へ逃げ込み、行方を晦ます。アメリカ艦隊は、その後も雲の動きを見て、嵐へと逃げ込み、日本軍の攻撃を避け続ける。
九九艦爆は、航続時間ギリギリまで粘るが、空しく引き上げる。しかし、安堵のアメリカ艦隊に別の危機が。
逃げ込んだ隣のヘクスに、日本軍の巡洋艦隊がいたのだ。夜明け前から逃げ込んでおり、嵐が通り過ぎる6時間かかったため、日本軍の巡洋艦隊を忘れていたのだ。そのためアメリカ艦隊は、日本軍の索敵機や遠方から突進する大和隊や鳳翔隊だけでなく、直近の巡洋艦隊からも追い回される羽目に!
1300 アメリカ軍の空母部隊は、ただ逃げ回るだけでなく、日本軍の隙を突いて整備の終わった攻撃機を発進。
航空巡洋艦の筑摩を撃沈。
時間は前後するが、1000に大和隊もミッドウェイからの攻撃隊により、大和が損傷を受ける。しかし、耐久力が18ある戦艦を止めるのは、当時の航空戦力では無理だ。これがミッドウェイ隊の白鳥の歌となる。
アメリカ艦隊も、遂に日本軍に捕らえられる。日本艦隊の裏をかき続けて、危機的状況から脱出したやに思われた瞬間。進入したヘクスに、ここまで音沙汰のなかった日本軍の潜水艦隊が浮上。しかも、全ての4隻を集中していた。同時に日本軍の機動部隊から緊急発進した、九九艦爆30機が襲い掛かる。
しかし、アメリカ軍も、直援のワイルドキャットを上げており、艦隊も日本軍とは比較にならないほど強力な対空力で、九九艦爆は次々に撃墜。
それでも僅かに残った10機程度の九九艦爆が爆撃し、ヨークタウンを中破せしめ、速力を半分まで減退させる。
九九艦爆の攻撃を終えると、今度は潜水艦隊の攻撃。こちらは駆逐艦から反撃を受け1隻撃沈されるものの、エンタープライズに損傷を与える。
機動部隊指揮官からは、この損傷がエンタープライズでなくヨークタウンであれば、航行不能になる。そちらを優先すべきだったとの意見あり。
潜水艦隊指揮官は、少しでも損傷を与えれば、空母の性能は低下する。ヨークタウンはすでに速力が半減しており、アメリカ軍の逃走には足手纏いである。
ゲーム派と史実派のぶつかり合い、ここに極まる。
傷ついたヨークタウンを引き摺るように退避するアメリカ艦隊へ、九九艦爆の第2次攻撃!狙いは手負いのヨークタウン!!
この攻撃でヨークタウンは大破し、航行不能となる。航行不能となっては救う術はない。アメリカ艦隊指揮官はヨークタウンに総員退避、他の艦艇に増速を指示。これにより、ヨークタウンの命運は決する。そしてヨークタウンは日本軍の第3次攻撃により、その姿を海底へ消したのである。
(続)
[3回]
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