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2014-05-13 11:57

『FLAT TOP』ミッドウェイ対戦記 その2

『暴君ドートレス』

対戦中に写真はあまり多く撮れていない。
『FLAT TOP』は、戦闘の起こらないターンが多く、精神的な区切りがなく。淡々と進んでしまうからだ。

先に使った写真はこれ。6月4日0300ターン。
シナリオで各セクター(マップ全体を4つに分けて、Ⅰ~Ⅳまである)に、各々8個ずつ雲マーカーがある。
ルールを説明すると、黒いマーカーが雲。そこから2ヘクスまで曇りとなり、索敵や戦闘で支障がある。そして曇りが重なったら暴風ヘクスとなり、そこにいた艦隊は動けず、編隊は出るだけ。一切の索敵も不可になる。暴風ヘクスは以降、嵐とする。


さて、写真は6月04:00ターン。
アメリカ軍はミッドウェイ島の索敵機をゲーム開始当初の0100から発進。日本軍の機動部隊が最も前衛配置をした場合でも、捉えられるようローラー索敵。
そしてカタリナなのだろう。航続時間の長い機種には、マップの最西部を目指す。こちらは輸送船団(軽巡洋艦の神通を旗艦とする第2水雷隊の駆逐艦10隻、特務艦3隻、及び輸送艦15隻)と攻略部隊B(軽空母の瑞鳳、戦艦の比叡と金剛、巡洋艦の愛宕、鳥海、羽黒、妙高、由良、駆逐艦8隻:以降この艦隊を瑞鳳隊)を狙ってだ。
日本軍は計画通りに、北部の嵐を目指す。
夜が明ける0600には、嵐へと入り込み、間一髪アメリカの索敵機をかわす。

さらに驚いたのが、アメリカ軍の潜水艦隊の一斉浮上。輸送船団と瑞鳳隊が逃げ込んだヘクスの列へ、アメリカ軍の潜水艦が浮上していたのだ。嵐でなかったら、これらの艦隊が発見され、アメリカ軍の集中を招いていた筈だ。これらの瑞鳳隊や輸送船団は、この日の午後まで嵐に留まり、アメリカ軍の目を逃れる事となる。


アメリカ軍の執拗な索敵は、北部だけでなく南部へも、その輪を広げていた。すると、夜明けの0600に、日本軍の艦隊が発見される。
主力との合流を急ぐ、攻略部隊Cであった。水上機母艦の千歳、巡洋艦の熊野、三隈、最上、鈴谷、駆逐艦2隻。以降、この艦隊を巡洋艦隊とする。尚、鈍足な神川は護衛の駆逐艦とともに、別働隊。要は、遅いため置いて行かれて、戦闘に関与する事は無かった。
発見された直後の0700にアメリカ軍のドートレス37ポイント(100機以上)が急襲!

日本軍の事前演習では、このような急襲も考慮されていた。
ゲーム的であるが、実質的にアメリカ軍はマップの何処へも配置可能であり、日本軍の艦隊はマップ上には機動部隊と輸送船団しかなく、他の瑞鳳隊や巡洋艦隊、それに主力部隊(戦艦・大和、陸奥、長門。軽空母・鳳翔、潜水母艦・千代田、日進。巡洋艦・川内、駆逐艦・9隻。以降、大和隊)は、指定の時間とヘクスに登場する。そのため、アメリカ軍は日本軍の大体の位置は予想ができ、各個撃破が可能なのだ。
日本軍としては、短期決戦に付き合うのは危険であり、巡洋艦隊の損害は致し方が無い、と割り切っていた。それにアメリカ軍の空母部隊も危険に晒されるため、挑んで来ないとも思っていたのである。
ところが、それらを裏切る急襲!
しかも、3隻の空母を全て集中しての運用。
この攻撃により、水上機母艦の千代田が爆沈!

巡洋艦の三隈も航行不能の大破。

三隈は0800にカタリナからの高高度爆撃が命中し沈没。
輸送船団長より、三隈乗員の救助を要す、との具申があったものの、旗艦・大和から「先を急げ!」との命令。涙を呑んで作戦実行を優先させる。
巡洋艦隊は損害を被ったものの、当初の作戦通りに北東へ進路を取る。それ以降、しばらくは索敵の目を逃れて、順調に進撃。この日は、もう攻撃はないもの、と日本軍に安堵感が広がっていた夕刻前。


静寂を破ったのはアメリカ軍の爆撃。
1500に巡洋艦隊が発見されたと同時に、攻撃隊を発進させたらしい。またもや、1600に巡洋艦隊が攻撃を受けたのだ。
しかも、今度はデバステイターの雷撃!

デバステイターは航続距離が短く、普段は使い物にならない。この雷撃機が出てきたという事は、僅か10ヘクス以内にアメリカ軍の空母艦隊がいる。それを、ただ嵐の中で見守るしかできないのは、断腸の思い。
この攻撃は巡洋艦隊の回避運動が功を奏し、ほぼ無傷で切り抜ける。損害を受けなかったが、ここまで読みを外されとは!


これ以降、6月4日中に、この巡洋艦隊が攻撃を食らう事は無かったが、深夜まで索敵機に付き纏われ、それを振り切ったのは北部の雲に入ってからだ。
写真は6月5日0200。
Aの地点に見える赤いユニットが、巡洋艦隊。黄色がアメリカのユニットで、一列に並んでいるのが潜水艦隊の警戒線。他のアメリカ軍ユニットは索敵機で、青いマーカーを乗せているのは、移動を終了した事を表し。白いマーカーは嵐の範囲。重要な事柄なのに、曇りと嵐の違いは文章しかなく、マップ上ではこのように何かしらのマーカーで代用するしかない。


『突撃と翻弄と』

少し時間が戻る。
巡洋艦隊が苦闘している6月4日の午後。

ミッドウェイの索敵機が、航続時間の問題で引き返す(黄矢印)。
それを見た始めた日本艦隊は一斉に行動を開始。機動部隊と大和隊は一路東進(赤矢印)。敵に接触される事なく、6月5日の夜明け前にはミッドウェイ北方の予定海域まで達する。
傷ついた巡洋艦隊も、敵に追われつつもミッドウェイ付近まで到達。これらは、後に聞いた事であり、輸送船団を指揮していた私・yagiは、対戦中殆ど知らないままだった。

問題は輸送船団だ。
鈍足の上に脆弱。これらの輸送艦がミッドウェイまで辿り着かないと日本軍に勝ちはない。そのため、有らん限りのゲーム的なテクニックを駆使した。

まず、午後になり嵐の隙間を抜けて、輸送船団から駆逐艦10隻を分離。輸送船団はそのまま嵐へと留まり、駆逐艦隊は嵐の外周を回り込む。まだ周辺に索敵機がいたため、アメリカ軍の目を引き付けるためだった。
しかし、予想に反して、駆逐艦隊が発見される事はなく、索敵機は引き上げたため、1200には見切りを付けて輸送船団へと合流・・・。する前に、邪魔なアメリカ軍の潜水艦隊を封じる手立てを思いつく。
駆逐艦を7隻に組み替え、潜水艦が浮上しているヘクスへ進入。これで潜水艦が攻撃してくれば、駆逐艦の逆襲を受け、潜水艦が撃沈される可能性の方は高い。それを知っているアメリカ軍ならば、「駆逐艦=小艦艇が7隻」のヘクスでは戦闘を挑めない。
それを利用して、潜水艦の浮上しているヘクスへ7隻の駆逐艦を送り込み、それを1ヘクスずつ南西へとずらす。隣のヘクスに輸送艦の7隻、さらに2ヘクス先に輸送船団の残りを平行にさせる。
こうすれば、アメリカ軍が「これまで動きがなかった」と不審に思って潜水艦を動かしたとしても、「7隻の小艦艇」のヘクスに当たる公算が高く。結果として、潜水艦の攻撃を躊躇させ、輸送船団の位置隠蔽も成し遂げられる。これが当たって、輸送船団は潜水艦隊の警戒線を無事に擦り抜けられた。

しかし、警戒線を抜けた先には晴天域が広がっている。ここで輸送船団の位置がアメリカ軍に露見する。輸送船団が嵐の外周を回り込んでいたところへ、ちょうど北上した巡洋艦隊と重なったため、索敵機に発見されたのだ。ただし、アメリカ軍は夜間のため「艦隊」としか分からない。先の駆逐艦隊とも勘違いされていた模様だ。結果として、輸送船団が索敵されたのは、これが最初で最後だった。
輸送船団は、アメリカ軍の索敵が厳重なため、このまま前進するのは危険。もう一度、輸送船団から駆逐艦隊を分離。駆逐艦隊を先行させ、夜の間は晴天域を走らせ、索敵機を引き付ける。輸送船団は索敵が行えない雲りの中に留まる。夜が明ければ、曇りでも索敵の目が届く。遂に、輸送船団が発見されるか、と覚悟を決めた。

この時点で一日目の対戦は終了。

6月5日 0400(28ターン)
アメリカ軍:98VP
日本軍:22VP
やはり、水上母艦と巡洋艦を失っている分、アメリカ軍が圧倒的にVPを多く獲得している。
それにしても前年の珊瑚海会戦から比べると、進み具合が悪い。ターン数が少ないと勘違いし、対戦中に食料の買出しやオークションに参加と度々中断したからだ。翌日は時間短縮を考慮し、事前に昼食を購入しておいたり、オークション中もゲームを進めるなど決めた。

(続)

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