『パシュグロ(Pursuit OF GLORY)再び』日曜日に対戦した『パシュグロ』のリプレイです。お相手は西新宿鮫さんで、ミドルアースのSNSを使い対戦の打ち合わせしまして。その時点で陣営も決め、私がCP(中央諸国)、西新宿鮫さんがAP(連合諸国)を担当しました。第一次世界大戦の中東CPの主力はトルコ(オレンジ)で、それを支援するドイツ(グレー)。歴史的に敵対しつつも味方になったオーストリア・ハンガリー(明るいグレー)。そして、唆された部族の皆さん(緑枠)。APはトルコの宿敵であるロシア(白)。世界帝国のイギリス(黄土色)、イギリスの植民地であるインド(緑)。それにセルビア(土色)、ルーマニア(明るい緑)。ああ、CPにはブルガリア(赤)もありましたっけ。
細かいことは、これくらいにしておきましょう。
とにかく、トルコのロシアに対する戦争に、いろんな国や部族が巻き込まれて。戦場も広がって行く、と思っていてください。
私がCPを受け持ったんで、マップの北に座ります。西新宿鮫さんは逆の南ですね。私が北に座ったため、南北逆になりますから、そこんとこよろしく。
セットアップ時点写真はセットアップが終わったところ。
この時点で戦場になっているのは3ヶ所。左上のペルシャ、左下のカフカサス、それに右上のエジプト。カフカサスが戦場になるのは、ある意味当然。だってトルコはロシアと領土争いを長い間続けて来て、それに負けまくって縮小を続けて。ロシアがドイツとオーストリアとの戦争で困っているから、どさくさ紛れに失った領土を取り返すべ、という考え。ペルシャは今のクウェートで、そこの油田に依存していたイギリスが、トルコのロシアへの宣戦布告に大慌て。おっとり刀でペルシャへ出兵。100年前も今と同じ事をしています。
そんな訳で戦争になったエジプトは、シナイ半島の砂漠が緩衝地帯になって、「おーい、そっちはどうだぁ?」「まだ準備中ぅ」してます。
『駆け抜けた戦争の初期』 1ターン終了時点 2ターン終了時点1ターン(左)と2ターン(右)は、ほとんど動きがありません。写真をアップしましたが、見分けは付かないのでは。何故なら、トルコにもロシアにもイギリスにも戦争をする兵力がなかったから。無理すればできましたよ。トルコやロシアは。でも、部隊の運用が厳しい山岳。おまけに2ターンは冬で、攻撃をするだけで損害が出るんです。やってられませんわ、奥さま。
で、やった事はイベントと増援、それに補充。ああ、忘れちゃなんねぇ、塹壕掘り。戦争をやる前に、その下準備を勤しんでます。ちなみに、塹壕掘りはやり過ぎて、マーカーが足りなくなり。ASL組から塹壕マーカーを借りて対応しました。我ながら「何やってんのかな」と思いましたよ。戦争なのに。
一応、動きのあった場所は、ペルシャとカフカサス。ペルシャはインドの皆さんが押し寄せて来て、トルコの連中が裸足で逃げ出し。ようやく精鋭部隊の投入で、それを停止させる惨状。カフカサスでは両軍とも部隊の増強に勤しみ。下手な戦闘は如何なモノかと、緩衝地帯が出来ています。
議会や皇帝からの圧力で、攻撃を強制されますが、無理に行う必要を感じられず。消化しないままVPを失ったりしました。緑色の外周に肌色のユニットがあります。コレが部族の皆さん(A)。
『ジハードの始まりとロードス島』 3ターン終了時点 4ターン終了時点Lemmosはロードスと読むのではないのですか?とにかくイギリスの皆さんが集結中。アンザックもおるでよぉ。
トルコは嫌がらせにペルシャで進出。というより、インドの皆さんが部隊の足りないまま、空けてあった隙間を擦り抜け。「海だぞー!」と大盛り上がり。
戦争がかなり経過しても、本格的な殴り合いは展開されてなく、小競り合いとイベントにより探り合いが続いています。
「何だか、ウォーゲームらしくないなぁ」と思うでしょ。でも、カード・ドリブンはこんなモノ。下手に殴り合いをして、不毛な損害を出すよりは、相手を弱めるイベント(マップ上で表し切れない戦略的な行動。ある地域への資金投入や海軍の行動など)を行い、手足を縛って行く方が効果は上がるんです。そして兵力が整ったら、殴り合いを挑む、と。だから、動かないようでも、駆け引きは続いています。
『バルカン参陣とペルシャでの敗走』 5ターン終了時点 6ターン終了時点イギリスはサロニカ(ギリシャの港湾。イギリスが無理言って進駐した)から上陸。セルビアの後詰に付きます。
この辺りでブルガリア参戦。セルビアの成敗へドイツとアバロンヒル(オーストリア・ハンガリーをこう呼んでいますが何か?)が突進。マッケンゼンの「仲間活性」で突き進みます。註:このゲームでは司令部ユニットが出てきて、その中でマッケンゼンは1スペース内を同じ国籍と見做せるんです。これを名付けて「仲間活性」。重砲もありまして、これは無くなるモノと割り切り使いました。
嫌がらせで前進し、油田をゲットしたと喜んでいたらですね。インドの大部隊(大きいユニット。小さいユニットと比べ火力と耐久力で優れてる)がやって来たので、またもや逃げ回り。何やってんだか。
ペルシャで反乱発生。紫のマーカーが「蜂起地帯」。これが微妙に鬱陶しい。よく見るとアルメニアでも「蜂起」が起きていましね。これはユニットにするまでではないものの、蜂起を起こしていてですね。ここを通る移動や補給を妨害しているんです。蜂起を排除するためには、そのスペースへ入って余分なOpsをかけないといけません。ユニットなら攻撃すれば、無くなってしまいそれでオシマイ。しかし、「蜂起」では攻撃は出来ないし、入ってのOpsですから、手間がかかること夥しい。トルコの皆さんがアルメニアの皆さんを苛めた気持ちが良く分かります。
他の戦況と言えば、ドイツのUボートが地中海へ進出。ロードス島以外にも、キプロス島にもイギリス軍が進出。補給源としています。
セルビアやブルガリアは、当初中立で、参戦してから配置します。でも、配置する時間を短縮するために、最初から置いています。
『ペルシャで遠征とカフカスでの後退』 8ターン了時点 9ターン終了時点正面での殴り合いでは見込みのないトルコは、ペルシャを横断。東ペルシャからアフガニスタンへと進出。その地で反イギリス蜂起へと導いています。よく見たら、インドまで進出してますね。このままではインド守備隊に狩られるため、TU-A(トルコのアラブ部隊)は逃げる予定です。
APがガリポリへと上陸。トルコ軍が山頂に陣地を築いたため、身動きが取れなくなっています。多分、左の写真(9ターン)の時点ではセルビアは崩壊しています。むむむ、右下に緑のユニットが8ターンには無く、9ターンにあるという事は、9ターンにルーマニアが参戦したんですね。ロシア軍も引き連れて来るため、かなり大変なんです。
そうそう、9ターンの写真を見たら、アレッポへイギリス軍が上陸してますね(A)。
サロニカに接する地帯をCPが占領してます(B)。これはカードに「ルーペル要塞の裏切り」あって、そこのギリシャ軍が国内へ逃げてって、逃げた要塞や塹壕をCPが確保できるんです。それなので、CPのブルガリア軍とドイツ軍が美味しく頂ました。美味しゅう御座いました。
『革命の始まりとジハードの暴風』 10ターン終了時点 11ターン終了時点CPによる策動と、アフガニスタンと中央アジアでの蜂起でジハードの情勢は大いに高まる。方々で部族が蜂起している。皆さんも緑枠で中央が黄色の部族のユニットが、どこにあるか見てください。連合軍の後方で騒乱を起こしており、足を引っ張っています。
10ターンから革命の歯車は回りだしています。このゲームでは、一旦ロシア革命が始まると、自動的にその段階が進んでいきます。中央の手前に「革命レベル1~4」の表示があるのが分かりますかねぇ。『パスグロ』では、戦況とカードを積み上げて行かないと、革命は始まらず、その段階も進みません。しかし、このゲームは「革命来ました」をCPが使って、その4ターン後から毎ターン段階が進んで行きます。その点、CPは楽と言えます。
10ターンと11ターンの写真を見比べてください。ロシア軍の白いユニットが、まとめて裏返しになっています。真ん中に茶色の帯で分かりますから。この状態でロシア軍は脱落です。
『革命の最終幕とトルコの崩落』 12ターン終了時点 13ターン終了時点イギリス軍は中東での争乱に辟易し、インド軍を送り込んで鎮圧しています。トルコは…、はっきり言って崩壊寸前。イギリス海軍の封鎖と、トルコ領内のアラブ部族の離反、それに社会的な限界により、戦争なんて続けられる状態ではありません。どうやっているかと言うと、ドイツの援助に頼る、というか依存しています。
ロシアの革命は最終段階まで到達し、全てのユニットが無くなり、カフカサスやルーマニアでの攻勢が止まり、トルコに安堵のため息が聞こえて来ました。ジハードは各地の蜂起に触発され、遂にインドでも蜂起が発生。これにより、インドのユニットは除去されるのですが、サイの目により多くのユニットがイギリス連邦に留まることとなりました。
しかし、インド軍の押し寄せているペルシャ⇒バグダッドへは後方で沼地のアラブ部族が補給を妨害。その廃除で大いに手間を取られることに。
13ターンの写真はありませんが、イベントの失敗により連合軍は攻め手を欠き、CPがロシアのVPを踏んで回り。ついでに、鎮圧で一旦廃除された部族の皆さんが、ドイツの支援で復活しVPをゲット。これでサドンデスが決定しました。
連合軍の敗因は、まあ一番は初めてだったからですね。冷徹に徹すれば、APの方が有利、というか気楽です。
「絶望感を望む」というなら、このゲームが最適。だって、CPの主力であるトルコは、戦争が出来る状態でなく、崩壊は見えています。それをドイツの援助と、ジハードの蜂起により延命させ。
APはガチンコで殴り合いを出来るロシアは、必ず崩壊が待っていて。イギリスが指向したガリポリやサロニカは「兵員と資材の無駄遣い」。エジプトやペルシャからの攻勢は、何とか見込みはありますが、砂漠や湿地、それに後方で邪魔する部族に悩まられ続けます。
でも、私はこのくらいのゲームはストライクです。ルール量は多めで『パスグロ』の経験のない人間には薦められませんが、マップの大きさ、ユニットの数、戦場の多様性。それから戦略の多さです。どの戦略が正解かは、ゲームの終盤にならないとわかりませんし、それからでも取り返しは可能です。余程、ひどくなければですが。
『パスグロ』で第一次世界大戦に興味を覚えた方は、是非挑戦してください。
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