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2010-09-17 21:52

『Paths of Gloryリプレイ2:パスグロの旅路』

『ルールブックを眺めながら』

この写真は別の人間が撮ってくれたものです。
前の記事のように、ルールブックを開くことは、皆無に近かったです。その例外が、この写真で、近東の移動とSR制限でルールを確認しているのでしょう。ルールには、1つのターンでロシア軍団が近東へSRで1個、移動で1個、と書かれています。単純に考えれば、1つのターンに2個のロシア軍団を送れるように読めるため、私がそれを行おうとしたところ、joeさんから「出来ないのではないか?」との指摘を受けたのです。それを確認するため、二人してルールブックを眺めているのです。時間も14:00でしたから、その頃でしたね。

―――――――――――――――――――――――――――――――――――
まあついでに余談です。
この『パスグロ』は、私が買ったものではありません。コマンドマガジンでプレゼントをやっており、それに当たって、貰った物です。
それまで何か当選した記憶がないため、嬉しくて家族に自慢したモノです。当時、小学校に上がる前後の娘など、「パパ!ずるい!」と騒ぐので、こちらも気分が良かったため、妻と娘に何かを買い与えて高くなってしまいましたっけねぇ。
そうやって、折角貰った『パスグロ』ですが、しばらくは棚に飾ったままでした。当時はパソコンの知識も、対戦相手もいなかったため、手が出せなかったのです。それが打ち破られたのは、またもやコマンドマガジンのおかげ。
当時のコマンドマガジンHPでは、対戦者募集のページがあり、そこに茨城の方が載っていたのです。ちょうど携帯を買った頃で、「これでメールが送れるのか?」と半信半疑でメールをしてみたんです。酔った勢いもありましたけど。
すると、すぐに「初めて反応があって嬉しい」と返信がありまして。それで私の自宅へ来てもらい、対戦することとなりました。
まあ、差し支えはないでしょうから、ハンドルネームを。取手のナベツネさんです。今は引っ越してしまいましたが。
それで久々の対人プレイを終えて、ナベツネさんは棚にある『パスグロ』を眺めただけだったんですけどね。翌月に現れた時に、『パスグロ』の和訳を持って来てくれて、「この和訳をあげますから、是非これからやってみましょう!」と。それが初対戦になりました。
その時も私はAPで、何も考えずタンネンベルク会戦をやりましたよ。史実で大敗する作戦を。当然、GE8thに焼かれてしまいましたが。
それからナベツネさんのツテで、今は休業中のサークルへ出掛けるようになり。そこでも『パスグロ』は人気で、思いも寄らぬほど多くの経験を積む事になりました。
当時は、どうやってゲームを進めるかなんて、誰も知らなかったんです。で、何をやっていたかと言えば、ひたすらに殴り合い。相手のスタックが、こちらの火力より、ちょっとでも落ちると見たら、「あっちはどうせ殴って来るんだから、先にやっちまえ!」と。
ですから、WS(戦争状態)を上げるなんて想像もできず。限定戦争のまま、ゲームを終えていました。それが普通でした。

で、いい加減「こんなにカードがあるのに、使わないなんておかしいぞ」と思い致り。ソロプレイを続けてみたんです。すると、カードを使うタイミングが見えて来たんですね。上手く説明できるかわかりませんが、こう言った感じなのです。相手が戦闘を続けるなら、カードをイベントで使う余裕はなく、こちらも戦闘で受けて立つか、部隊の投入を続けることとなります。しかし、戦闘が続くとファイアーパワー方式なので、お互いに損害が出て、いつかは損害を補充する必要が出て来ます。で、相手がRP(補充)を行ったら、自分もRPを行いたくなりますね。逆もしかりで。
その心理を応用して、補充をして戦線に動きのない瞬間にイベントを行います。そうすれば、比較的安全にWSを上げられ、こちらのWSが上がって行くと、相手もWSを上げたくなります。その「上げたい」時に、相手へ緊急な事態になる打撃を与えてやれば、思考のリズムが狂う事となります。リズムが狂えばミスも増え、それを突いて行く。そういうのが、『パスグロ』の本質であるのではないかと思うようになりました。

『パスグロ』の対戦を続けている内に、お古のパソコンを貰うことになりまして。そこで漸くWeb上(当時は共用掲示板が盛況でした)でも『パスグロ』は人気である事を知りました。それからASLを本格的に覚え始める数年間は、ウォーゲームの集まりがある都度『パスグロ』を抱えて行ったものです。

さて、それらを経験していく内に、ある事に気が付きましてね。それは「皆さん謙虚」だと言う事と、自分より『パスグロ』を知っている人間は少ない、という事です。
昔は、「オレはこんなに凄いんだぞ」みたいな発言は多かったんです。「このゲームでは負けた事はない」とか「エアー・フォースで何百機撃墜した」とか、そんな事を言う人間が結構いたんです。
『パスグロ』を持ち歩いていても、なかなか対戦には致らなかったですねぇ。それでもWeb上で発言を続け、方々の集まりに『パスグロ』連れで顔を出していると、他のサークルの方と対戦する機会に恵まれました。でも、あまり研究が進んでいる様子は無かったんです。補給をばっさり切ってしまえたり、パリを陥落させたり、と大技が決まっていたのです。
その考えを改める人間は現れました。ここでも名前出しちゃえ、bluebearさん。ニコニコ笑いながら、「ゆっくり考えて下さいね」と言われた日には、すっかりビビりまくって。惨敗を喫っしてしまいました。それは他のサークルで始めての黒星でもあります。悔しくて、唸るわ、喚くわ、最後には床を掻きむしったんですから、見ている側は面白かったでしょうねぇ。
それでも、APを担当して長期戦に持ち込めば、負ける事はなく、実際にリベンジはさせて貰いました。今度はbluebearさんが「セルビアごときに!」と悔しがる番でした。ああ、bluebearさんと、また飲みないなぁー。
イカン、余談が長引いた。とにかく、APには絶対の自信があり、それから幾度も各地の人間と対戦する機会がありましたが、敗れる事はありませんでした。そしてそれを言い続けていました。別に勝つのが目的ではなく、それにより状況が変わることを願ってです。
ではでは、リプレイに戻ります。


『2ターン終了時点』
いいやもう、小さい写真は大きいものだけをリンクして行きますので、よろしくです。
実は、joeさんの戦略を読み間違えていました。
最近の日本ではCPのプレイヤーが「y戦略」を採用するのが流行りです。これは西部戦線を、エッセン、フランクフルト、そしてマンへイムの3スペースで守り、他の戦線へ強力なGE軍を投入し、でAPを圧倒する、という考えです。
数カ月前のMustAttackの『パスグロ』関連でも、その発言は繰り返されていました。特に、「2ターンには3スペースに撤収する」とあり、joeさんもこれを取り入れ、このターンに西部戦線で撤退が予想されたのです。
その打開策を私は練っていました。簡単です。撤収前に殴ってしまうのです。どうせ攻撃して来ないなら、FRやBRの損害が嵩んでも恐ろしくありません。例え、APの損害が嵩むことにより、CPが居残った場合は、その時点で戦略の変更を余儀なくされます。そこに付け込む隙があるとも。
しかし、joeさんはこの戦略を採って来なかったのです。そして後々知る事になりますが、私もjoeさんも「y戦略」には否定的な考えでした。
CPが西部戦線で失う2VPは、ロシアとセルビア、そしてルーマニアだけでは、取り戻すの事は覚束きません。
すると、イタリアか近東へと攻勢を指向することとなります。しかし、近東は軍=ラージユニットの進入制限があるため、そこでの奪還は困難を極めます。
そして最もCPの大量投入が予想されるイタリア戦線へ、APもFRやBR、そしてUSを送り込めば前進を阻めます。
個人的には「y戦略」は負けない戦略ではありますが、それを予期して対応できる人間には、勝ちを得るのは難題であると信じています。

いい加減にしろ、ですか、そうですか。どっどうもです。では、リプレイへと移りましょう。
CPが初手で「GE増援」を行い、APも「FR増援」を行います。GEの増援がブレスラに動員されたことも、「y戦略」の疑惑を深くしていました。
CPの2手目はSRでSUD軍の編成を急ぎます。APは西部戦線でBEFスタックに前進を下命。リエージュとセダンを奪還します。同時に、ロシアがガリシアで攻勢を取ります。このように、別々の戦線で行動を行うことにり、相手の集中力を妨げるのです。
CPの3手目は「FALKENHAYN」でRP。ここでAPに「モルトケ」があればお見舞いするのですが、ありませんでした。西部戦線が安定しますから。まあ、その以前に使っているのをjoeさんは確認していたのでしょう。APは「BLOCKADE」。WSの先行を許さないためです。尚、「BLOCKADE」は4ターンまでに行えば、VPの関係は問題がありません。それでもWSの先行は、宜しくはないと思いました。
CPの4手目は「OBEROST」。これで両陣営とも、WSが4になったため、次のターンに限定戦争へ突入です。実は、この「OBEROST」と「BLOCKADE」の順番に確信を持てません。絶えず、CPにWSの先行を許していた、との記憶があるからです。APはそれに追い付くという状況ばかりで、逆転してはいなかったように思うからです。まあ大きな違いはありませんので続けます。
CPの5手目は「LANDWEHR」。APは「RU増援」でキエフに2個軍を動員。
最後の6手目はCPがOpsで西部戦線で攻勢を行いました。これは強制攻撃の解消でした。APはRP。

さて、この対戦の記録は携帯カメラだけです。後は、記憶とマップ上の戦況。そして動員でのカードから想定し、何が起きていたのか思い起こしてました。やることと、やれること、その全てに意味を持たせていれば、完全でなければ対戦を復元することは、容易いことです。
そして『パスグロ』はマップ上での戦況が、毎ターンに逐一と変わって行く訳ではありません。CDSなので、カードを使わないとユニットを動かせませんし、部隊の編制も行えません。さらに先々を見越して戦略的なイベントもカードを使う必要があるため、なかなか動きが見られないのです。しかしその中でも、どのカードを何の目的で、そしていつ使うかという、心理戦は常に繰り広げられています。
WSはCP・APともに4、VPは9でした。
時間は10:24。

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