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2010-01-25 22:07

『札幌から来たフリードリッヒ』@千葉会

北の国から『FRIEDRICH』

千葉会で対戦した『FRIEDRICH』が、あまりにも面白かったので、別腹にして報告します。
以前に、こちらのblogで書きましたが、TOM5のオークションで入手したゲームです。
ちなみに、出品したのはサッポロ辺境伯さん。北の国では、『FRIEDRICH』好きはいるものの、集結しての対戦までには到らず。泣く泣く手放したのです。
私はオークションに参加する気持ちは全くありませんでした。
でも、オークション前にこのゲームを確認して、「これは面白いアンテナ」が反応して。私としては積み木の具合とか、マリア・テレジアおばさんのおっかない顔なんて、ストライク!だったんですね。
で、ダメ元で入札してみると、対抗が誰も現れず、難なく落札。
後で聞けば、私が手を上げなければ、かみさんも入札するつもりだったとの事。二人とも同じ電波に反応してたんですな。

人気がなかった理由がですね。多分、箱絵がアメリカでホットドッグを売っている、露天バンの横に書いてあるような絵んです。それにドイツゲームの匂いがプンプンしており、その辺りが敬遠された理由と思われ。


さて、『FRIEDRICH』について説明して行きましょう。
7年戦争全体を通したキャンペーンになり、その中で、最も成功していると言えます。
デザイナーがドイツ人のため、ウォーゲームより、ドイツゲームに近いくなっています。違いは何かといえば、血みどろ感がないんですな。
フリードリッヒはドイツで人気なため、このゲームの評価もドイツ(だけ)では非常に高くなっています。
四人で対戦しますが、フリードリッヒ対エリザべータ&マリア・テレジア&ポンパドール婦人。要は、フリードリッヒ対三人のおばさん連合。
ルールブックにこう書かれていますが、何のことだか、一瞬目がになりましたわ。詳細を説明すると、フリードリッヒ=プロシア&ハノーバー、エリザべータ=ロシア&スウェーデン、マリア・テレジア=オーストリア&神聖ローマ帝国)、ポンパドール婦人=フランスとなります。
しかし、連合を組んでいるものの、勝利をゲットできるのは一人だけ。


勝利条件はフリードリッヒ以外は、マップに決められている戦略都市を全て占領すること。それが達成された時点でゲームは終わり、他の三人は敗者となります。この写真はフランス側からマップを覗いたところ。赤い円に囲まれているところに、戦略都市があります。フランスが獲得すべき戦略都市は、赤の旗が書かれています。チト、わかり難いですけどね。
フリードリッヒはゲーム終了まで、それを阻止し続ければ勝利。もしくは上級ルールではフリードリッヒは「攻勢戦略」を選ぶ事ができ、ボヘミアの全土を掌握すれば勝ち、もあります。1ターンは3ヶ月、ユニット…。いや、コマと言った方が的確でしょう。本当に木のコマを使うのですから。コマは司令官と補給部隊。兵力は別紙に記入して管理します。紙へ書くなんて面倒に感じますが、一番多いプロシアですら司令官は8名ですし、兵力の割り振りも最低の1か最高の8のどちらかになるので、それほど手間は掛かりません。



マップには7年戦争で戦われたドイツの都市が書かれており、司令官は1ターンに3都市分の移動が可能で、それが幹線道だけなら4都市分になります。
補給部隊はそれよりも一つ移動力が劣る、と。
司令官しかマップに置かず、兵力は紙に書いて管理するため、他プレイヤーに秘密なので、ブラフを掛けられるし、移動範囲が大きいので戦略的な選択肢も多くなっています。
ではゲームの手順から。



手順は
受け持つキャラクターを決め、
①戦術カードの補充
②移動・兵力の補充
③戦闘
④補給切れ判定
⑤宿命カード判定(6ターンまで行わない)
それをフリードリッヒ⇒マリア・テレジア⇒女帝エリザべータ⇒ポンパドール婦人の順番に繰り返して行きます。
一回りすると、1ターンが終わったということになり、7ターンから宿命カードを引くことになります。
戦闘の解決は「足し算引き算システム」。分かります?分からないでしょう?
基本的に指揮官の能力は一切関係ありません。

文字通り隣り合った指揮官同士で戦闘は発生しますが、戦闘に関与するのは兵力数だけ。
それを比べて、兵力の少ない方が、その差額の兵力分を失って、同数後退させられます。しかし、自分の兵力に戦術カードを出して、補完を試みます。相手も同じ事ができ、戦術カードの尽きた方が負け。
到って簡単ながら、燃える戦闘解決になっています。

例として「ザイドリッツの戦い その1」「ザイドリッツの戦い その2」「ザイドリッツの戦い その3」「ザイドリッツの戦い その4」として動画をアップしています。こちらを見ていただければ、その雰囲気を掴めると思います。
もう一つ珍しいのは都市の占領。
都市の占領は、「踏む」だけでなく3都市内に、守備司令官がいないようにする必要があります。要は、近所で縄張りを主張している司令官を追い払わないと、占領した事にならない、のです。



では、四度ほど対戦した中で、最後の対戦をリプレイとしてお送りします。
残念ながら、普段使っていた画像編集ソフトが不調で、今一つ。むーん、勘弁してくだされ。
それまでは、反プロシア側の連携が上手く行き、オーストリアが二つ、フランスが一つの勝ちを納めていました。
プレイ時間も短時間で終わるため、四人いましたから、それぞれがフリードリッヒを担当することとしました。
この最後はプロシア(紺)・ハノーバー(水色)をMMさん、ロシア(緑)・スウェーデン(黄緑)を私・yagi、オーストリア(白)・神聖ローマ帝国(黄色)をかみさん、そしてフランス(赤)をmoritaさんが担当しました。



反プロシア側で一番勝利に近いのが、オーストリアという事は、これまでの対戦で判明していました。何故なら、兵力と司令官数で他の同盟国を圧倒しており、プロシアの主力を唯一壊滅させる事も可能で、そうすれば押し切ってしまえるのです。
ロシアはプロシアがオーストリア相手でグダグタになり、その隙を狙い掠め取れれば。
フランスもハノーバーの主力を捕捉して壊滅させ、プロシアの援護がなければ何とか。
スウェーデンと神聖ローマ帝国なんか司令官が一人しかいないため、歩いて回るだけでゲームが終わってしまいます。まあスウェーデンはロシアのエリザヘータが崩御すれば、占領すべき都市が減るため、チャンスは増えたりしました。
ついでに言っておくと、展開が早いためAARの書き易いゲームではありません。
プロシアとしては、オーストリアへ大兵力を投入しなければ、押し止める術はありません。
今回もオーストリアにガチンコ勝負を挑みました。オーストリアは定石として、同盟国の進捗状況を待つため、決戦にはナカナカ応じません。
ロシアは主力がベルリンを目指すと同時に、オスト・プロセインを強襲します。
フランスは兵力的に圧倒しているためハノーバーへ雪崩れ込みます。
神聖ローマ帝国とスウェーデンは放置プレイ。宿命カードにもあるように「はて、スウェーデンとは戦争などしておったかな?そんなつもりはなかったのだが?」状態です。
最初に戦火が上がったのはオスト・プロセイン。
そこを守備しているプロシア軍へロシア軍が襲い掛かり壊滅させます。これで主力がベルリン周辺を占拠すれば勝利となります。
プロシア軍も散兵線を引いて抵抗しますが、兵力的には圧倒されていました。
放置プレイ中のスウェーデンも北部を荒らして回ります。実は、ロシアが勝利条件を達成するより、ロシアが脱落した後に勝利条件の緩和する
スウェーデンで、勝ちを掠めるつもりでした。
えー、正確にはベルリンを目前にロシア軍の戦意が上がらなくて、前進が出来なかったんです。
だって、戦術カードが4枚合計10以下では、プロシア軍の1戦力でも、ロシア軍の最大8戦力が敗退する危険が濃厚だったんです。
ロシア軍がもたついている最中に、西部で決戦が起こります。
フランス軍の中で、主力の後方を行進している部隊を、ハノーバー軍が襲撃をかけたのです。
ここは下手に戦闘を行うより、補給部隊を襲って後退を強いるか、遅滞戦術を行った方が、有効だったんですけど。
この決戦でハノーバー軍は大敗。追撃を喰らって壊滅へと追い込まれます。
そして一大決戦が南部で発生します。
兵力と戦術カードが整ったオーストリア軍が、フリードリッヒの主力へと決戦を挑んだのです。
ここでフリードリッヒ大王の神通力が爆発。
死力を尽くした戦闘の結果はオーストリア軍の敗北。さらに追撃により壊滅へと追い込みます。
写真はその決戦が終わった時点。オーストリア軍も残存兵力がシレジアを荒らしていますが、決定的な脅威にはなっていません。
これで余裕のできたプロシア軍が、ハノーバーへ肩入れし、フランスの勝利は逃げて行きました。
同盟国の敗退を聞いたロシア軍は、このままでは女帝エリザべータの死去による脱落が脳裏をよぎり。遅まきながら前進を開始。
プロシアの散兵線を圧倒して行きます。
そこでロシア本国から急報。
そう、女帝エリザべータが崩御したのです。

これでロシアは完全に脱落。後、一つ戦略都市すれば勝利でしたが、みすみす逃してしまいました。
で、勝利条件の緩和されたスウェーデンは、最期の一つを占領すれば勝ちでした。
ところが、プロシアの司令官が急行し、スウェーデン軍を追っ払ってしまいました。
ここに到り各国とも勝利条件の達成は不可能と判断。
プロシアの勝利となったのでした。
このゲームをやると、フリードリッヒが好きになりますね。
だって、バカなことばかりやっているんですもの。
先の「はて、スウェーデンとは戦争などしておったかな?そんなつもりはなかったのだが?」もそうです。
これはスウェーデンが講和を申し出た際に、その使者を嘲ったセリフ。
よくまあ、余裕もないのに、こんなヤバイ言葉を言えたものよ!
それにイギリスから援助を貰ってたのに、イギリスを愚弄する詩集を出版。それでイギリスを怒らせて、お小遣いを減らされてしまう、など。
そんなエピソードが沢山分かるようになっているのです。
メーカーでは絶版ですが、流通在庫がクロノノーツにある模様。もし興味のある方は急いでちょ。
 

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2010-01-28 12:51

いずれテレジア姐さんの方もAAR宜しくで~す

フリッツの婿入り先がyagi一家で本当に良かったです!
ここ迄しゃぶり尽くして頂けるとは!!(笑)
bqsfgameさんのブログと併せて読みましたが、日本で唯一無二の素晴らしく詳細なシステム紹介/研究記事になっていますネ☆
負けん気の強いフリッツをどうぞ今後とも宜しくお願い致しま~す。

2010-01-31 11:03

サッポロ辺境伯さんへ

マリア・テレジア姐さんはあ、ですねぇ。
私の呑み代がそちらへ向いたら可能ですかねぇ。

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