『NO RETREAT!』
この日は4戦しました、私が(・∀・)。
これほど、リプレイが似合わないゲームはありません。
何故なら、ユニット数が極端に少なく、システムやマップの細部、それにカードの絶妙さで、考えるところが多いからです。他の独ソ戦キャンペーンのゲーム。『THE RUSSIAN CAMPAIGN2』や『失われた勝利』では、どの都市を占領したとか、どこで攻撃が失敗したとか書いて。ターン終了時点の写真をアップすれば、それなりに見応えが出て来ました。
ところが『NO RETREAT!』で、そんな事したら、一気に対戦を陳腐化させてしまうだけなのです。リプレイをやるとしたら、徹底的に詳細を解説しないと意味がなく。それは大変なのよねー(´・ω・`)。
さて、この日の4戦は一つの物語に似ていました。1つの対戦が次へ、またその次へと繋がって行ったのです。それが序幕から、起承転結のようになっていました。
その白熱教室がどこまで伝えられるか分りませんが、物語風にしてお送りします。
『東部戦線返り』序幕
私は9時の開始時間に到着しまして。顔見知りと挨拶をし、『NO RETREAT!』組を待ってマッタリと過ごしていました。すると、10時過ぎにDASRECHさんが到着。
そこで『NO RETREAT!』を広げて、「1ターンにドイツ軍が“参謀本部”を使い、戦闘後前進を1ヘクス余分にできたら」という課題で話し合いをしたのです。
DASRECHさんいわく、「全体で24枚のカードがあり、1ターンのドイツ軍は6枚引く。可能性としては、決して無視できる物でなく、ドイツ軍の手元に来るものだと想定して作戦を組み立てるべきだ」と。
『NO RETREAT!』の勝利条件は、都市の占領と、補給切れで除去(降伏)した敵ユニットの合計になります。
1ターンにドイツ軍の手元に“参謀本部”が来て、戦闘後前進を余分にされると、ルーマニア前面に配置されているソ連軍=南方面軍が包囲されてしまうのです。
DASRECHさんの「参謀本部で南方面軍が包囲されたら、ソ連軍はどうするか?」という謎掛けでした。
私は「見捨てる」と即答。
敵ZOCに包囲されたユニットも、味方ユニットがそのZOCに進入してZOCを打ち消せば、補給を通じさせられます。しかし、補給を通じさせたユニットが、次のターンに包囲される危険性は非常に高い。下手をすると、次々にそのような部隊が増えていく、負の連鎖に陥る危険があるのです。そしてカンター・ブローで攻撃を強制され、除去される可能性も低くありません。
私は、そのようなリスクを犯すより、1ユニットと1VPを諦めた方が、作戦を組み立て易くなる、と判断しました。
ところが、DASRAICHさんは「確かに、繋いだユニットごと補給切れになるリスクは高いが、前線で消耗戦に巻き込めるため、ドイツ軍の前進を阻める。ただ単に諦める、という選択は如何な物か?」との意見。
そこで2人で、実際にユニットを置いて、色々な局面を試してみたのでした。で、私の意見は変わらず、「DASRECHさんが相手ならリスクは犯せないから、やはり見捨てる」と落ち着きました。「勝負で余計な心配事を増やすのは良くないから」とも。
『東部戦線返り』開幕
そんな時間が過ぎた後、軍神殿が到着。
私にDASRECHさん、軍神殿の『NO RETREAT!』3人組が、組み合わせを相談しまして。まずは、私と軍神殿での対戦となりました。
私はですね。ソ連軍が好きなんですよ。何でこんな体になったんだろ?
以前は、攻撃のドイツ軍しか興味が無かったのですが、いつの間にか防御のソ連軍が性に合う。攻撃しても不器用なソ連軍がタマランのです。イカン、横道に逸れた。
さて、軍神殿のドイツ軍ですが、1ターンにルーマニアで攻撃に出てこない。
これは手元に“参謀本部”がある徴候。しかし、1ターンのソ連軍には、それを防ぐ術はありません。そして予想通りに、南方面軍が包囲され、こちらの駒捌きの過ちで西南方面軍も包囲に陥りました。
ここで対戦前のDASRECHさんとの話し合いが思い出され。
知っているのと知らないのは違うし、経験しないのとしているのも全く違う、と。ここはリスクを承知で補給を繋いでみる事にしました。そして“やるなら徹底的に!”は、どんな物事でも当然の理。ソ連軍で全力の前衛防御を挑んでました。
それを横目にしたDASRECHさんが嬉しそうにですね「yagiさん、凄い事やってるなー」と。それに私はニヤリ(゜ー゜;)としただけ。そんなやり取りが戦う気分を盛り上げるのです。
2ターン以降の展開は、簡単に言って“負の連鎖台風”でした。補給を繋いだユニット、繋がれたユニットが、諸ともドイツ軍の包囲に陥り。さっさと壊滅してくれれば、諦めも付くのですが、何故だか生き残り。しかも、1つのターンにCBでEXを喰い、補給が切れたユニットが1個ずつじりじり減って行く始末。仕方なく、補給を繋げに行くしか無くなり、で新たなソ連軍が包囲される、と。
それでも“シベリア鉄道”が度々来るので、兵力不足にはなりません。これも、ちょっと説明しましょう。
補給切れで除去された(降伏)ユニットは、VPの対象になる上に、再編成でカードが2枚必要になるのです。カードは1つのターンに4枚引けて、普通に壊滅した場合のユニットは、再編成に1枚のカードをドローします。ですから、補給切れのユニットが続出すると、戦線の構築も困難となるのです。
ところが、“さらばシベリア鉄道”のカードは、これ1枚で壊滅や降伏したユニットを2個再編成できてしまえる。一口で二度おいしいカードなのです。
最終的には、ソ連軍はドイツ軍の前進を阻止する事に成功しました。ドイツ軍の進出地点は、北からレニングラード前面、スモレンスク、ブリヤンスク(ヘクスに名前はないが、その辺り)、ハリコフ、ドニエプルペトロフスクまで。確か、セバストポリやスタリノはソ連軍の物でした。
しかし、あまりにも降伏したユニットが多過ぎたため、6ターンでソ連軍のサドンデス負け。負けてはしまいましたが、一つ転ぶとドイツ軍は前進していない分、苦しくなるところでした。
『東部戦線返り』第二幕
昼食休憩を挟んで第二戦。
DASRECHさんはmitsuさんと『バルジ大作戦』へ芝刈りに。ヤマザキさんとsawadaさんは『日露戦争』を耕していて、メンツの入れ替えは不可能な状態。仕方ないので、私と軍神殿で『NO RETREAT!』へ、洗濯をしに行きました。命のですが(・∀・)。陣営は…、「もう一回やらしてください!」のリクエストで私がソ連軍。軍神殿がドイツ軍と同じでした。
今回は1つのミスと、1つの不運でサドンデス負けが決定しました(´・ω・`)。
ミスと言っても、ほんの僅かなもの。軍神殿はコマンドマガジン99号の記事に書かれていたように、「攻撃しないギャンビット」を展開。すると、1ターンのソ連軍の手元に“レッドオーケストラ”と“泥将軍”が来ていました。攻撃しないギャンビットを“泥将軍”で足止めすれば、ドイツ軍の前進速度は大いに鈍ります。
さらに“レッドオーケストラ”を如何に使えば効果的か考えました。“レッドオーケストラ”は敵(この場合はドイツ軍)の手札から、ソ連軍が1枚選んで破棄できます。簡単なのは、手元に来てからさっさと使う事。面倒臭くありませんから。しかし、それでは面白くない(≧□≦)!!
ドイツ軍が何らかのカードを使う寸前に、それを破棄させてしまえば、かなりの嫌味になるだろう。それで作戦的に変化がなくとも、精神的なダメージを蓄積させられる。そうすれば、ミスを誘う事ができるのではないか。そう考えたのです。
そして、軍神殿が「攻撃しないギャンビット」を実行している最中に、“泥将軍”をお見舞い。足止めをする…つもりでしたが、そうは問屋が降ろさない。
軍神殿は“ドジっ子ソ連軍”を出して、“泥将軍”を無効化してしまったのです。“レッドオーケストラ”を温存したのは失敗で、この“ドジっ子ソ連軍”を流すべきだったのでした。悔やんでも悔やみ切れない、ミスでした。
不運(ドイツ軍に取っての幸運)はレニングラードを一撃で陥落されてしまった事。この一撃を耐えれば、要塞歩兵に変身できたため、レニングラードは安泰になりました。レニングラードが占領されると、フィンランドまでドイツ軍が進出でき、VPを合計2余分に与えてしまう事に。最終的には、その2VPが効いてサドンデスになったのでした。この2つが無ければ、と悔やむに悔やみ切れません。
『東部戦線返り』第三幕
「軍神殿、もう一度!もう一度ソ連軍で!」と懇願。
それを見ていたDASRECHさんが、これまた嬉しそうに「軍神殿、yagiさんが勝つまで帰らせてくれませんよ」と笑いながら(^∀^)ノ。しかし、このプレイアビリというのか。プレイに掛かるストレスが少ないのが、『NO RETREAT!』の最大の魅力です。
さて、軍神殿よりいい加減に陣営を入れ替えようと申し出があり。マップをぐるりと回転させて(小さいから、こんな事ができます)、私がドイツ軍、軍神殿がソ連軍を担当しました。
今回は、運も不運もなく、ドイツ軍の押し切りでした。細かい事をいえば、2ターンのドイツ軍に“参謀本部”が来て、ソ連軍の包囲に成功すれば。ルールと駒捌きに間違いがあり、それを壊滅させただけ。
それでも2年目の春にスターリングラードを占領し、夏に一年掛かりのセバストポリを陥落させ。秋にモスクワへドイツ軍が突入してのサドンデスでした。モスクワと南方の油田へ、両方面で圧力を加えたのが、効いたのでしょう。モスクワは幸運なところもあったのですが、多少無理な攻勢を続けた価値があったのでした。何せ、中央軍集団のユニットは、全部ステップロスしていましたから。しかし、油田だけを目指していたら、ソ連軍に余裕で対応される可能性は高かったでしょう。ボロボロでも中央軍集団が攻勢を行う事により、ソ連軍の集中力を削ぎ。結果的に、押し切る事に成功したと確信しています。
さて、この対戦辺りから、私の緊張感が薄れていました。どうせ、ドイツ軍をやっても下手なので、止められてしまうだろう、と思ってましたから。それで奇声を発するようになっていましてね。意識はしていないのですが、悪いカードが来たり、戦闘で予想外の結果になると、「
ああ!」と叫んでいたのです。
それを聞いた軍神殿を筆頭に、周囲の連中が喜びまして。あちこちで「
ああ!」「
ああー!」と、カラスの鳴き声もどきが鳴り響いていました。何ちゅー、バカな話しとお思いでしょうが。こんなバカを思い出すと、顔がにやけてしまうのですわ。
『東部戦線返り』終幕
3戦目が終わったのは18時近くだったでしょうか。その対戦の間にMatさんが到着しており。『NO RETREAT!』の対戦を横から見守っていたのです。
それで軍神殿が「どうだい、オレに代わってやってみないか?」との申し出に乗って。私・ドイツ軍、Mat・ソ連軍の対戦が開始されました。Matさんも我々の対戦で興奮したのでしょう。饒舌になっていましたっけ。
さて、展開ですが、一言で表すと「鋭く長く」でした。
1ターンのドイツ軍に“作戦予備”が来まして。これはソ連軍の移動が終わってから、ドイツ軍の1ユニットが移動可能となるカードなのです。これで強力な装甲軍を前進させ、ソ連軍ユニットへ隣接。カウンター・ブローを強制させ、上手く行くとソ連軍の戦線を突破できるのです。それを狙った行動を行ったところ、Mat・ソ連軍は“戦略予備”を投入し、撃退を試みたのでした。ところが、その目論見合戦はドイツ軍へと軍配が上がりました。最終的にドイツ軍の攻撃が成功したのでした。これでソ連軍の南方の戦線に大穴が開く結果に。
これでほぼ勝負が決まったと、安堵していましたが。これがあまり上手く行きません。確かに、突破に続く包囲により、VPを稼ぐのに成功しました。しかし、1~2くらいVPが越えていた状態。
あれあれあれー( ̄∇ ̄;)、と思ってましたが。何とか、6ターンで勝負を決められました。
ちなみに、ドイツ軍の手元に“シベリア鉄道”が来ましたのでね。それをずーっと押えていました。だって、1戦目のソ連軍でそのカードに随分助けられましたモン。
ソ連軍は兵力不足で、冬季反抗の威力が発揮できませんでした。
そうそう、前日にMatさんが『NO RETREAT!』をPONTAさんと対戦しると聞きまして。
私が「PONTAさんは分っているでしょう?」と尋ねると。Matさんっはニヤリと笑って「そうでしたね(^ー^)」と。こうやって対戦が繋がって行くのは。
・・・大袈裟でもいいや。
サークルの主催者冥利に尽きるのであります!!
そして表題の『東部戦線帰り』とは、『NO RETREAT!』を対戦した後に、軍神殿が呟いた一言。
「東部戦線帰りのビールは美味いなぁ」に因んで。同意せずにはおれない。
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