旧GJ『諸国民の戦い』
土曜日の午前中ですが、mitsuさんに誘われて、私はASLの記録係りから旧GJ『諸国民の戦い』へと浮上しました。
私・yagiがナポレオン、mitsuさんが連合軍を担当しました。初めてなら、おフランスのナポレオンをやってください、というmitsuさんの陰謀です。いや、正確には思いやりです。攻撃が出来て勝てる陣営を、始めての人間がやった方が楽しめるのです。
旧ゲームジャーナルは、なかなかの好ゲームを出版していました。この『諸国民の戦い』もそうですし、『戦略級・南北戦争』、それに『草燃える』も良かったですねぇ。名前は如何なものかと思いますが『いとちゃんバルジ』もGOODでした。マップやユニットを新しくしたら、十分今でも通用する出来です。MMPに売り込むちゅうのは、どうですか?
それにしても、こんな珍しいゲームを発掘するとは、ホントにマイナーゲーム救助隊長であるmitsuさんの面目躍如です。
このゲームは、システムを『ハンニバル』をそのまま流用しています。ユニットの移動も戦闘も同じです。
ですから、『ハンニバル』の経験があれば、口頭説明で対戦が可能です。ただ、ナポレオン時代に合わせるべく、若干の特別ルールや勝利条件の調整をしていて。それに、多分デザイナーの好みらしく、マップがポイント・ツウ・ポイントでなく、エリア式になっています。尚、元々のマップでは小さいため、カラーコピーで拡大しています。ねえねえ、mitsuさあんスキャナー買ったんだから活用しようよー。
1ターン
状況は、ナポレオンがモスクワで敗戦して、撤退を決意したところから始まります。連合軍で参戦しているのは、イギリスとロシア、それにスペインだけ。プロイセンとオーストリアは中立です。
手元に「イギリスでの不戦派台頭」があり、初手で厄介になりそうなイギリスを貶めるべくこれを使ってみました。これはですね。国の戦意を落とすカードなのです。戦意が落ちて0までなると、その国は降伏してしまいます。勝利条件はフランスの戦意が0になるか、パリを占領させるか、フランス国内の都市を5個以上連合軍が占領すれば、連合軍の勝利。それらを防ぐか、ゲームの途中で3カ国を降伏させればフランスの勝利となっています。
戦意を下げる要素は、カードでも出来ますし、戦闘での敗北でも下がります。でも、この時点でイギリスの戦意を落としたとしても、全く戦況に影響しません。
連合軍はコサックを強行軍で退路を遮断します。しかし、ナポレオンはロシアでの撤退を急ぎます。ロシア国内にフランス軍がいれば、特別ルールで「冬期損耗」強要されるからです。ナポレオンはロシアでの「兵糧の窮乏」を行い、損耗させます。史実では、窮乏するのはフランス軍なので、ちょっと笑えます。
ナポレオンはワルシャワまで敗走したものの、主力の温存に成功。mitsuさんの助言通り、スペインから部隊を撤退。国境付近でイギリスのウェリントンが侵攻してくるのを防ぎます。
2ターン
2ターン早々に、ナポレオンは、追いすがるバルクライに一撃すべく攻撃に出て、レストリトフスク会戦が発生。写真の左が戦闘発生の図。右が戦闘を解決するため、一旦マップからユニットを外した図。
お互い戦力と指揮能力をあわせると戦闘カードが13枚と同等で戦闘となりました。激戦必至かと思いましたが、僅か2回のBombard(砲撃)のみでバルクライが撃退されまして。さすがは砲兵出身のナポレオンでした。
しかし、『ハンニバル』と違い、1つの戦闘で大兵力を失う事はありません。ですから、戦闘を幾重にも強要され、少しずつ兵力を削られると、ナポレオンは辛いです。
フランス軍は、余剰兵力であるスペイン遠征軍からダブーが北上し、パリを目指します。ここで兵力を拾って、ナポレオンへ駆け付ける算段です。連合軍は何してたっけなぁ?覚えてないや。多分、政治動向をイジっていたのでしょう。
3ターン
このターンに早々にプロシアが参戦。ナポレオンの後方が危険で危なくなります。そこで先制攻撃とナポレオンはベルナドッド率いるプロシャ軍を強襲。ベルリン会戦です。この戦いは、カード枚数は14(フランス)vs13(プロシア)と互角だったものの、戦闘が始まってすぐの2ラウンドでフランスの勝ち。ナポレオンの連勝となりました。さらにステッテンでナポレオンが追撃し、ベルナドッドが連敗。ブルナドッドはケーニスベルグまで敗走します。
しかし、ナポレオンも連戦で率いていた兵力がボロボロとなり、危機的状況へ陥りました。プロシャも維持している領土がケーニスベルクのみとなりましたが、そこへ止めを刺す力はナポレオンにはありません。そこでダブーが東進を続け、プロシャへと到達します。
そんな折に、オーストリアが参戦。ロシアやプロシャで勝ち誇っていたナポレオンは後方が益々危なくなっています。ベルリンが陥落し、プロイセンの戦意が1落ちたものの、ナポレオンの側面がヤバクねえ?
4ターン
写真は、左がバルクライとの2回戦の図。右が4ターン終了時。
ナポレオンがポーゼンでプロイセン封じている間、ロシアからバルクライが西進し、ワルシャワへ乱入し、ナポレオンの正面へと迫ります。ナポレオンは迎撃を試みるが失敗。教育してやりたくとも、相手の戦闘力が大きくナポレオンも打つ手がありません。続いて、オーストリア軍のフェルディナンドがイタリアへ向け西進。配置替えとなったダブーがパリから一気に南下して対抗します。
ナポレオンが手を拱いているところで連合軍は大攻勢!本当に「大攻勢」というカードがあって、3人の将軍を動かせるのです。これは『ハンニバル』でもあるんですけど。
まずは、スペインからウェリントンがフランスへ侵入。メッセナが立ち塞がりましたが、ウェリントンには勝てず、戦闘の途中で消耗を避けるためメッセナは離脱。
さらにオーストリア軍の本陣であるシュベルツェンベルクが最大の15戦力へと増強。それでナポレオンへバルクライとシュベルツェンベルクが波状攻撃。バルクライは撃退したものの、にはシュベルツェンベルクには太刀打ちできず撤退。ナポレオンが危機的状況になりました。
5ターン
一度はウェリントンに敗れたメッセナでしたが、兵力を立て直して逆襲。正面突撃の連続で勝利。ウェリントンをフランスから叩き出します。
ダブーの兵力を吸収したナポレオンは、寡兵を物ともせずシュベルツェンベルクを襲撃。側面攻撃を連発して勝利。
さらに、イタリアでダブーがフェルディナンドを強襲。こちらもダブーが勝利。フェルディナンドの軍勢を再起不能なまでに損耗させます。
おお、ナポレオン勢が連勝だぜ!
オーストリアは南北で大敗し、兵力が枯渇。これでブタペストやウィーンも、フランスが切り取り放題となりました。ところが、瀕死のオーストリアへロシアが救援。バルクライがウィーンへ到着し、ここを堅持の構えを見せます。
そこでナポレオンは目線を北へ移し、プロシャへ攻勢。ケーニスベルグへと襲い掛かります。しかし、そこにはプロシャ軍だけでなく、連合軍の守り神であるロシア軍。そのコサック騎兵も待ち構えていました。ギリギリの戦いでしたが、ナポレオン勢の連勝もここまで。遂に敗戦となりました。
ただし、連語軍もナポレオンへ止めを刺すほど、動きが軽くありません。
7ターンとそれ以降
・
さてさて。この辺りから、昼メシの生チュウ×2が効いて、記録が覚束なくなりました。やれやれ。
上の写真で右が7ターンを終えた時点。ナポレオンは1国を打倒寸前まで追い込みますが、他の国々が妨害をして、右の写真が7ターンを終えた時点。
ナポレオンは相変わらずプロシャで悪戦苦闘しており、そこを突いて兵力の回復したオーストリアが北上。ナポレオンとフランス本国との連絡線を妨害。左の写真が何度か目のケーニスベルグ会戦。これも失敗しました。
ここでポイントなのがウェリントンの動向。フランスから撃退された後、戦力を回復すべくスペインでしばらく大人しくしていました。そして続くターンに海上移動でノルマンディ地方へ上陸。そこからフランスを荒らします。
ウェリントンにはナポレオンしか太刀打ちできないため、慌てて帰還。そこをロシア、プロシャ、オーストリアの各国勢がライン流域へ押し寄せ。
ウェリントン退治に気を取られていたナポレオンの留守を、シュベルツェンベルクがパリまで到達。留守居のステッテンが迎撃に失敗して、フランスの敗北でゲーム終了となりました。
久々・・・、というか。初めて対戦しましたが、はやり好ゲームでしたね。このまま埋もれさせるのは勿体無い。
しかしですよ。勝利条件的に如何な部分もあります。
というのは、フランスが「負けない戦略」をとって来た場合、連合軍に打つ手があるのか?という事です。
まあ私の脳内勝利条件で書いてますから、間違えていたら、笑って許してくだされ。
このゲームでは、フランスの敗北条件が、敵軍にフランス国内の都市5個を押さえられる事、パリを押さえられる事、そして戦意が0になる事です。それを防ぐとフランスの勝利です。他にも、勝利条件はありますが、達成は困難なので無視しておきます。
さて、先ほどの敗北条件では、フランス軍が外征する意味はありません。そう、フランス国内で頑張れば勝ててしまえるのです。
連合軍には豊富な戦力があります。しかし、それは自国で戦った際に有効であり、決して外征には向かないのです。しかも、連合軍の将軍はイギリスのウェリントンは活性値が“1”ですが、それ以外は活性値が“3”です。
フランスでは、ナポレオンの活性値が“1”で、他にも“2”の将軍が3人います。この3人の内、2人を南部へ。1人をライン流域で守りを固めます。ナポレオンはパリで機動予備。ウェリントンには基本的に南部の2人で封じます。いくらウェリントンでも、ダブーとステッテンの2人掛りでは、打倒は難しいでしょう。守るのはできたとしても・・・。
プロシャやロシア、そしてオーストリアにはライン流域の、もう1人が防御に当たります。これに10戦力を与えておけば、シュベルツェンベルクが特殊能力で最大の15戦力を率いてきても、自国内の戦いであれば、十分互角に戦えます。それ以外の将軍では敗北覚悟の突撃となります。
それでも「戦略」「大戦略」で、2人以上の将軍を動かせれば、波状攻撃で圧倒できるでしょう。しかし、弱ったところを、機動予備のナポレオンが襲撃すれば、フランス軍は、まず負けることはないでしょう。何より、「戦略」カード自体の枚数も少ないですし。
この「負けない戦略」の利点は、将軍を2以下のカードで済まされるため、“3”のカードを戦意の回復に使えるのです。
戦闘でも負けず、戦意も落とせずでは、連合軍に勝ち筋は少ないかな、と。まあ、あまりにも早くフランスへ篭るのは、ちょっとマズイように思いますけど。
まあ、十年以上前の同人ゲームへ、マジ突っ込みするもの如何なものかと思いますがね。
[2回]
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