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2009-10-13 16:15

『激マン』と『AVL』



最近知ったのだが、『AVL』の和訳がGJのHPで公開されていた。ざっと眺めたところ、幾つもの箇所で『激マン』に比べて変更が行われていた。そこで遅まきながら『激闘!マンシュタイン軍集団(激マン)』と『A VICTORY LOST(AVL)』について述べていきたい。


『激マン』を熱く語る
まずは『激マン』の概要から触れて行こう。
『激マン』はGJ号の付録として年に発表された傑作ウォーゲームだ。
マップはスターリングラードが東端にあり、西端はドニエプル河まで。北はハンガリー第8軍から南はロストフまで。
時期的には、ソ連軍によるスターリングラードの包囲が完了し、ドイツ軍によるその解囲が挫折した時点から始まり、有名な第三時ハリコフ戦でソ連軍が大損害を受けるまでになっている。
ユニットは師団単位。ソ連軍には戦車を軍団として運用していたが、それはドイツ軍の装甲師団と規模は似ているので、師団としても問題ない。

ターンの手順は以下になる。
1:命令決定フェイズ
2:補給確認フェイズ
3:命令実行フェイズ(移動・戦闘セグメント)
4:ターン終了フェイズ
5:増援受領
6:ターン進行

システムは1990年代に流行ったチット式と言っていい。
ターンの最初に、両軍が選んだ司令部チットを同じカップに入れる。そこから一枚ずつチットを引き、チットに書かれたマップ上の司令部が活性化。活性化した司令部の周囲のユニットが移動と戦闘を行う。これをチットが無くなるまで繰り返し、チットが無くなればターンは終了する。
ソ連軍はゲームを通じて、各ターンに投入できるチット数は同じであるが、ドイツ軍は開始当初は少なく、中盤以降は増えて行く。これにより緒戦でのドイツ軍の混乱とその回復、ソ連軍の補給が欠乏して行くさまを再現している。
チットで特徴的なのが、ソ連軍のSTAVKAとドイツ軍のManstein。
ソ連軍のSTAVKAは全ての司令部を活性化させられ、ドイツ軍のMansteinはどの司令部も活性化させられる。この二つにより、ソ連軍は全面的な攻勢を行え、ドイツ軍は臨機応変に対応できるようになっている。
簡単なルールで劇的な機動戦の再現に成功しており、傑作の条件を備えていると言っていい。

エラッタ
『激マン』のエラッタとQ&Aは非常に多い。これについてのGJの扱いは最悪だ。
何故なら、エラッタやQ&Aをダラダラとアップしているのだ。本来なら、もっと編集を行い重複箇所を取り除くなど行えば、プレイヤーの負担は激減した筈だ。
では、その内容にも触れててみよう。エラッタやQ&Aの数は多いものの単純な物が多く、これはテストプレイの不足が要因だ。重要な物は司令部の扱いで、これに多くの文言が割かれている。オマケに相反する記述もあり、その訂正が後にされていたりと混乱する。
以下にまとめてみた。

司令部は敵ZOCに補給を通すか?⇒yes
司令部は敵の増援を阻むか?⇒yes
司令部は敵の道路移動により踏まれるか?⇒yes?
活性化していない司令部も戦闘後前進に参加できるか?⇒no
第1装甲軍配置ボックスから/へ指揮範囲が及ぶか⇒no 
地形効果は重複するか?⇒yes
鉄道移動で登場できない増援ユニットは、xx01列の任意の盤端ヘクスに配置する。 
上記のようにまとめてみたが、対戦する際には各自で確認をお願いする。


『A VICTORY LOST』
『激マン』をアメリカのMMPで発行したのが『AVL』だ。その際に、MMPにより多くの手直しが行われている。
一番の特徴はルールの記述が丁寧になっている事だ。日本では、ルールブックのページ数が少なければいいと勘違いされている。しかし、それにより説明不足へ陥ってしまうのはいただけない。『激マン』は特にそうだ。
MMPでは各所で細かく解説されており、重要な事項は関連する項目に幾重にも渡って記述されている。この処理は歓迎すべき扱いで、ルールを探す際に、「ここにもあそこにも載っている」のは手間が省けていい。
では、ルール上で変更された点を挙げて行こう。

まずは手順から変更された。
1:命令チット決定フェイズ
2:命令実行フェイズ(命令・移動・戦闘セグメント)
3:補給フェイズ
4:ターン終了フェイズ(増援・サドンデス勝利・ターン進行セグメント)

続いて『AVL』のルールブックに記載された順番に簡略化して、()内にコメントと共に挙げて行く。
5.0スタック
ドイツ軍以外の枢軸同盟同士はスタック不可(『激マン』には一切記述がなかった。同盟同士がスタックする機会も滅多になかったが)。
9.0戦闘
空のヘクスや司令部が単独でいるヘクスが攻撃されることなない。
9.1.3
一つのユニットは、一つのヘクスのみ攻撃可能。
9.5.6大河川ヘクスサイド
退却では橋がないと1ヘクス目でしか渡れない。
10.1.2補給路
敵ZOCは味方ユニットがいても補給を通さない(数の多いソ連軍を補給切れへと陥り易くしている)。
10.1.3補給切れマーカー
補給切れが2ターン続くと孤立になる(『激マン』の孤立は移動力が関わっており分かり難かった)。
10.1.5第1ターンの補給
ゲームスタート時には全てのユニットは補給下(ソ連軍の100師団が唯一当て嵌まり、1ターンにこれを攻撃して壊滅させるとソ連軍の補給源を一つ押さえられた。重要なんだぜ)。
10.3司令部の置き直し
司令部は補給切れになると置き直しする(『激マン』にはこのルールがないため、わざと司令部を踏まずに取り囲んでおき、除去へと追い込めた)。
11.2.2マップへの進入
第1装甲軍は戦略移動での進入も可能。
14.0勝利条件
ここは大幅に変更されている。勝利得点都市で得るVPが5点、ソ連軍の機械化ユニットが1VPとなった(『激マン』では都市が10VP、ソ連軍の機械化ユニットは対象でなかった)。
ゲーム開始時にはドイツ軍が25VP、ソ連軍は0VPを持っている。勝利得点都市の占領や敵ユニットの除去でVPの増減を行い、サドンデス勝利セグメントに30VPの差があったら、多い陣営の勝利とする(『激マン』はソ連軍が35VP獲得した瞬間にサドンデスが決定したため、投機的な作戦が行えた)。

以上は『激マン』と『AVL』のルールブックを並べて違った部分になる。
ルール以外では、増援の登場するターン、マップ上の地形、それにユニットの戦力も変更されている。
総合的に見て『AVL』は『激マン』に比べ、かなりソ連軍のサドンデス勝利が難く調整されている。実際に『AVL』をプレイした事はないため、その感触は不明なのを付け加えておく。
しかし、私は『激マン』では8:2でソ連軍有利と感じており、ソ連軍を担当してサドンデス勝利を決めるか枢軸軍を投了へと追い込んだ事しかない。その経験を踏まえれば、歓迎すべき変更と確信している。

 

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