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2009-12-22 18:11

『第七十四回千葉会の報告』日曜日版 その2

『三国盛衰記』

さて、日曜日にプレイされたゲームで最も印象に残った、たちばなゆうさん製作の『三国盛衰記』を紹介します。
感想は一言「素晴らしく良く出来ている」。
私はいくつかの自作ゲームを対戦した経験がありますが、図抜けた完成度。それどころか、似たよな多人数ゲームである、新旧戦国大名、三国志演技などにも優ることはあっても、劣ることはありません。
武将の登用と退場、戦闘解決、それに外交と中立勢力の扱いなど、良く練られています。
プレイ時間も2~3時間というのも好感を持てます。ユニットの単位は、武将が一人、軍勢は5000人(かな?)。エリアは群、1ターンは1年。
では今回の対戦を例に、順から追って説明して行きましょう。
まず、どのシナリオかを選びます。
それに従って武将と軍勢を配置して行きます。それが終わってから、プレイヤーは配置した群雄(曹操とか劉備なんかね)から、自分の担当を選びます。担当が付かなかった群雄も配置しておきます。
今回は「人外の呂布をやりたい!」と述べる人間がいたので、シナリオ2にしました。
これは紅巾の乱が平定され、曹操の領土が拡張。官渡の戦いで袁紹を打ち破るのがクライマックス。
他では、呉は孫策から孫権の時代で急速に「江南の雄」として名を上げます。
呂布と劉備は睨みあいでしたね。確か。
まあ、三国志の序盤ってとこでしょう。
プレイヤーとしては、呂布の他には呉の孫策、北方の袁紹、それから(これがいなきゃダメだろ)曹操。と四名でした。
担当が決まったら、ゲーム開始です。
ターンの最初は(1ターンは省略でしたっけねぇ)、武将登用になります。

これは、このターントラックと深く関わってきます。
ちょっとボケていて見えずらいと思いますが、全45ターンを九つに分けています。
これでシナリオの時期により、登場する武将を分類しているのです。
例えば、シナリオ2では「2番目(正式名称は忘れた)」の登用カードから、各ターンに5枚引いて行きます。そこには、その頃に登場した武将が「だいたい活動した地点」とともに書かれていて。その地点のいくつから、登場エリアを決めるのです。
ですから、史実とにたような地点から、ちゃんと現れるのですが、そこが誰の支配エリアかにより、その武将の帰趨が決まってきます。それに「息子」や「弟」などは、ちゃんとその「オヤジ」や「アニキ」のところへと登場することとなります。
ですから、「武田勝頼が伊達政宗の家来になる」という歴史的に不自然なことは起きなくなっています。そうそう、時期的に死んでしまう武将は、その頃に退場するようにも、その登用カードに書かれています。
それに、五つのターンが過ぎれば、登用カードに「ゲーム終了」が入ってくるので、いつゲームが終わるのか分からないのも、マルチゲームとして好感を持てます。
こんな書くと面倒なように思われますが、やってみると登用カードをめくって適用するだけなんで、到って簡単です。
さて、武将の登場が終わったら、各プレイヤーの出番になります。
これは群雄名・豪族・外交(他にあったような気が…)のチットが入ったカップから、一枚ずつ引いて行き、引かれた群雄や豪族が活動を行います。
群雄は自分のエリアごとに「軍事行動」「外交・内政」のどちらで(他にあったかなぁ?)行動させるか選びます。
「外交・内政」だと内政でそのエリアから兵士を徴集でき、それと同時に外交も行えます。
外交ができる武将は少なく、それが成功すると「進入禁止」や「他の群雄を軍事行動」ができます。
「進入禁止」は、まあ休戦条約ですな。エリアの境目を指定すると、そこは越えることができなくなります。
「他の群雄を軍事行動」は、なかなかの外交力が必要なのですが、成功すると自分の好きなように、その群雄を動かすことができるのです。正に、「魔法」と言った方がいいです。
最後に「軍事行動」ですが、これも秀逸な処理を施されています。
まあ、隣りのエリア(精々その隣り)にしか行けませんから、それほど難しいことはありません。
で、そのエリアに何もいなければ、そのエリアをゲット!です。
でも、敵対勢力がいたら、戦闘になります。と言っても、同盟がないので自分以外のユニットがいれば、ということですが。
サイコロを2個振って、その出た目により戦闘の解決方法を決めます。その解決は「一騎打ち」「合戦」そして「計略」の三つにより、しかも最大3名の武将能力を反映させらることになってます。
例えば「一騎打ち三名」となったら、参加している武将の中から、三名の一騎打ち要員を出す必要があります。そして武将の一騎打ち能力に、サイコロを一つ振り、その合計を、相手のそれと比べます。これで負けた側が最大3戦力を失います。一騎打ち要員を出さなかったら、この手順を飛ばして3戦力を失います。一騎打ちでは相手に囚われたり、戦死する可能性があるため、出さない/出せないことがままあります。ですから、一騎打ちの強い武将が一人いて、「一騎打ち一名」がずーっと出続ければ、どんな小兵力でも大軍を打ち破ることは可能です。理論的には。
続いて「合戦○名」となったら、参加している武将の中から、指定された人数分の作戦値、地形効果、戦力、それにサイコロを一つ振った、これを合計。相手のものと比べ、合戦表でお互いの損害を適用します。だいだい武将能力とサイコロの偏りがない限り、両陣営に損害が出るようになっています。ですから、いくら武将能力に優れていても「戦争は数だよ、アニキ!」が出来る訳です。
最後は「計略」です。これも「計略○名」となっていて、人数分の計略値に、サイコロ一つ振った合計を比べ、その差の倍を損害として一方的に適用します。これが強力で計略に強い武将が三名いたら、一気に大兵力を溶かされてしまうのです。
文章だけで見ると、面倒に思われるでしょうが、やってみるとチャートが上手く仕上げられているため、到って簡単です。

プレイヤーに担当がいない群雄もゲームには使います。
ただの中立勢力に近いのですが、プレイヤーの外交により動くのです。ただ、チットが引かれた場合は、兵力を増やしてオシマイですけど。
豪族は完全な中立勢力。これも魔法で動きます。これも、チットが引かれた場合は、兵力を増やします。
今回は呂布のプレイヤーが、初手で誰も担当がいなかった隣りの劉備へと侵攻したんですね。劉備には優秀な武将が多かったんで、打ち破って、その武将をゲットするつもりだったんです。ところが、呂布が関羽に一騎打ちで勝てませんでして。
結局、戦闘に負けて馬騰へ亡命の憂き目に。呂布のプレイヤーは「じゃあ、馬騰やりますわ」と陣営変更。
勝った劉備も曹操の蹂躙され、正に「曹操の利」。
馬騰への客将となった呂布は、陣頭に立ち周辺を切り取り。自分ではダメで、他の人間の下では活躍するなど、呂布らしいっす。
さて、辺りを侵食していた馬騰&呂布でしたが、曹操の魔法にかかった大兵力の董卓に攻め込まれまして。
「戦争は数だよ、アニキ!」をやられて没落。
北方で勢力を広げていた袁紹は、本当に「官渡の戦い」を曹操に決められ躓きます。
孫策はですねぇ。何しろ、開始当初の兵力と武将が少ないんですわ。
ボチボチと江南を押さえていたら、曹操がちょろっと派遣して来たら、主力で対抗しないと止められません。これで遅れを来たしました。
結局、曹操の一人勝ちでゲームは終了。まあ、優秀な武将が多くて、立ち上がりの兵力も多いので、こうなるでしょう。
それを知っていれば、袋叩きに会わせるつもりでないと打倒できません。
多分、皆が「曹操怖えー」か曹操が「僕を皆が苛めるんだ」になるんでしょうねぇ。
でも、史実に近いし、戦闘解決でも燃えるし、おまけにシナリオも多いので、しばらく千葉方面ではMastアイテムになりそうです。

 

『来年も宜しくお願いします』

『三国盛衰記』で盛り上がったため、記事のバランスが悪くなってしまいますた、とさ。
さて、今年の千葉会も今回でオシマイであります。
今年は延べ254名の参加をいただきました。
ありがとうございました。
来年以降も続けて行きますので、皆さん宜しくお願いします。

 

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