『戦い済んで日も暮れて』
これらの写真を見た時、オレはあの時に笑えたのか。誰が撮ったのか、と不思議な気分だった。
そして、しばしの感想戦を終え、4人でユニットを片付けた。
ウォーゲームでこの時間が一番好きだ。
それまで戦っていた人間達が、仲良く小さい駒を仕分ける。正にノーサイドだろ。
それから周囲を戦友達に囲まれて居酒屋へと向かった。
その歩いている最中に猛烈な吐き気に襲われ、すぐにトイレへと駆け込んだ。それでも出たのは、直前に入れたコーヒー色の胃液だけだった。それから乾杯をし、ビールを空けていると緊張が解けた。それと同時に涙が止まらなくなって、周囲をドン引きさせた。
笑いたければ笑えばいい。
ソロプレイをするしかなかった90年のウォーゲーム暗黒時代。
こんな事をしているのは、日本でオレくらいしかいないだろうと絶望的な気分だった。それでも続けた理由は、第一にウォーゲームが好きであったのは間違いではないが、万が一タクテクスやコマンドマガジンなどのライターと対戦する機会があっても恥ずかしくないプレイができるように、との思いであった。
その夢が叶ったのだ。
しかも、こんなバカなオレに呆れも見捨てもせずに、黙って支えてくれる多くの友までいるのだ。
『明日のオペタイ』
対戦を終えた直後は何も考えられなかった。考えたくもなかったのが正しい。
ようやく一週間ほどして頭が冷えて、冷静に対戦を振り返られるようになった。
次にマシな動きをするためには、何が必要だろうか。そのためにはアレをしてコレをしてなどと思い浮かべている。
その後に軍神殿と会った際に、
軍神殿が「1ターンからAccel Assaultで主導権を握るんだ。そして戦略的な優位を確立して勝利する」と言えば。
私は「いや、1ターンにドイツ軍は攻撃態勢にない。無理な攻撃は行わず損害を避けてモメンタムを維持する。そして作戦的な成功を積み上げて勝利する。」と。
そんな正解のない答え合わせをしている。
どちらが正しいだろうか?
皆さんも考えて欲しい。いや、是非実際に試して欲しい。
ウォーゲームは考えるものでなく、感じるものだからだ。
鹿内さんの言っている事は多分正しいよ。でもオレにはそんな都合良く出来るとは思えないし、それでいいとも思っている。
オレはオレにしかなれないのだから。
(了)
[2回]
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