『1915年1月』
天候 西部戦線:雪、東部戦線:雪
西部戦線では、ドイツ軍が攻勢に出る事はなかった。逆にイギリス軍とフランス軍が攻勢に出る。
しかし、APが企画した“NEW YEAR攻勢”であったが、合計5個軍団の壊滅を齎し、実質的な失敗となり中断。
東部戦線では、北部でロシア軍の圧力により、ドイツ軍の一部が包囲に陥っている。逆に、中央部のポーランド突出部ではワルシャワへ向けてドイツ軍が迫っている。
ガリシア戦線異常なし。このような攻勢に適さない山岳地帯は、主戦線である平原で戦闘が活発化すると、放置されてしまうのである。
セルビア戦線では、SUD(ドイツ軍とAH軍の共同部隊)軍が攻勢を継続。セルビア軍を押して行く。
『1915年2月』
天候 西部戦線:泥濘、東部戦線:雪
ドイツ軍は攻勢に出た。ベルダン戦の下準備である。重要都市であるナンシーとベルダンを攻略するためには、攻撃正面を増やさなければ、成功は見込めない。
しかしながら、今回の攻撃ではフランス軍を1個壊滅させただけであった。
この消耗戦に於いても、事前に血の算術をしていた。
まず、フランス軍のスタックを4-6-4×3と3-3-3×1個の最強とすれば防御力は21となる。
ドイツ軍の最強スタックは5-7-4×3と3-3-3×1個で合計18戦力。攻撃正面が3ヶ所として、攻城砲兵を2個投入してとしても、オッズは2:1しか立たない。これでは最高の戦闘結果がDXでウマクない。
そこで少し攻撃を工夫する。
フランス軍の4-6-4×1個と3-3-3×1個スタックへドイツ軍の5-7-4×1個が攻撃を行う。オッズは1:1の-1DRMとなり、この5-74が壊滅するのはサイの目が2以下でAAとAEの結果のみ。サイの目が3でADは失敗したものの、Dになって退却すれば問題ない。そしてサイの目が4以上であれば、BDかDDのため、こちらはDで退却してしまえば良く、防御側は退却するしかなく成功と言って良く、さらに3-3-3の砲兵を失う結果となる。
そして残るフランス軍の4-6-4×2個に、ドイツ軍の5-7-4×8個と3-3-3×3個、それに攻城砲兵3-1-1×1個も加えて合計57戦力で攻撃する。オッズは4:1で+2DRM。結果はサイの目が1でDD、2でDX、3以上でDEである。攻撃が失敗する事はないものの、対象のヘクスを戦力できるかは不明。
では、考え方を変えて、この攻撃に於ける損耗度を計算してみる。
ドイツ軍が損害を受けるのは、1:1攻撃の1/3の確率に失う補充ポイント5を掛けて、予想値は1.66ポイント。それに4:1では、1/6確率のDXで失うポイントは10(5-7-4×2と3-3-3-×1個:砲兵ポイントはドイツ軍が圧倒しているため省く)、予想値は1.66ポイント。合計3.33ポイントとなる。
対するフランス軍の受ける損害は1:1では0であるものの、4:1の攻撃では、5/6の確率で8ポイントと、1/6の確率で4ポイント。予想値は7.33ポイント。この攻撃でドイツ軍は倍以上の補充をフランス軍に強いる、と計算できる。
以上を考慮すれば、この攻撃は損耗度といい成功率といい、ドイツ軍の圧倒する攻撃であると言えるのである。
ただし、攻撃するヘクスに塹壕や要塞がある場合は、成功率も損耗率も悪くもなるのだが、それも攻撃に参加させる戦力と砲兵の火力を組み合わせれば改善できる。
長くなりすぎたので、その計算はここでは触れない。
では、リプレイを続ける。
東部戦線では中央部でワルシャワへ向け攻勢継続。
ガリシア戦線では、ロシア軍が攻勢に出てAH軍を押している。そこへドイツ軍が急行中。困ったところはドイツ軍、だ。
セルビア戦線もSUD軍が攻勢継続。セルビア軍が戦線を整理している。
そしてイタリア、ブルガリア、ギリシャ参戦。戦争は新たな局面を迎えた。
『1915年3月』
天候 西部戦線:泥濘、東部戦線:泥濘
ドイツ軍は攻勢により、DXと大出血の末ナンシーへ接敵。
イタリア戦線はイタリア軍が攻勢を開始。AH軍を押して、山岳地帯を前進。急を聞きここへもドイツ軍が到着。
東部戦線では、続々投入されたドイツ軍がワルシャワへ向け攻勢を継続。ガリシア戦線は異常なし、だね。
バルカン戦線では、あれほど善戦していたセルビア軍が崩壊寸前。史実のように、ブルガリア軍に側面を突かれたのが大きい。その後背地では、ギリシャのサロニカにイギリス軍が上陸。
さらにイギリス軍はガリポリ作戦も決行。トルコ軍が1個しか配備していなかった上陸海岸へ、精鋭3個軍団を投入したのである。
これはCPの罠であった。事前の研究では、ガリポリへイギリス軍が上陸したとしても、トルコ軍で十分封じられる。これも具体的に説明してみよう。
ガリポリへイギリス軍の4-6-4×3個が上陸したとしよう。トルコ軍は次のターンに鉄道と徒歩で、ガリポリの隣接ヘクスまで2-4-3×3個を前進させ接敵。すると、イギリス軍は、このスタックを攻撃し、排除しなければ、前進できない。まず1回の攻撃では、オッズが1:1のため全く見込みはない。最高のDXではトルコ軍を全て壊滅させられるが、イギリス軍も全て壊滅してしまうのである。では、攻撃を分割して1:1を3回やったとしよう。その場合でもDDを3連続で出さなければ、このスタックは排除できないのである。
イギリス軍が上陸してきたのを見て、下総さんと私は目を合わせた。彼は誰にも気が付かれぬように小さく頷いた。AP陣営は大きな戦略ミスをした。
しかし、戦況は我々の予想を超えて変質していくのである。
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